最終更新日:2016/12/03

[メインルート]

 

 

◆ プロローグ

数年ぶりに日高見皇国へ帰国した弓削大我

突如現れた巨大な謎の敵に呆然とする。

周囲の人々は迅速に避難。

みんなが避難して人っ子一人いなくなった繁華街に呆然と取り残される大我。

その大我を「馬鹿野郎死にたいのか!」と強引に避難させる城石磊

大我「なん…だよ、あれ!最近の日高見の鬼は巨大化すんのかよ!」

磊「あれは鬼ではない、妖魔だ!お前、日高見の民に見えるが、鬼は知ってて妖魔を知らんということは、帰国子女か?」

大我「おうよ、6年ぶりの日高見でちょっと浦島太郎さんだ!」

磊「なるほどな」

 

そこに二体のロボット登場。(戌神機ヴァジュラ丑神機シャトゥラ

大我「何あれ何あれ超かっけー!」

磊「騒ぐな。皇國軍の十二神機だ」

大我「十二神機?二体しかいないけど、もしかしてあと10体もあんなんがいるのか?」

磊「その通りだが、稼働してるのは全部で三体程度だったはずだ」

大我「まじか、残念!でもかっけー!超やべぇ超すげぇ!合体は?合体とかはすんのか?」

磊「合体はしない。…しないはずだ。……たぶん。」

 

妖魔は、ヴァジュラとシャトゥラを見た瞬間、そちらに標的を変える。

大我「よし、行け!十二神機!敵を倒せ!」

磊「バカ。こんなところで戦ったら人的被害が出るだろうが」

 

敵を郊外へ誘導するため、身を翻すヴァジュラとシャトゥラ。

ヴァジュラが、ふと、磊に気が付いたように一瞬動きを止める。が、すぐに向き直って敵もろとも姿を消す。

磊「兄さん…」

大我「えっ!あれお前の兄ちゃんなの?まじで?お前の兄ちゃんロボット乗りなの?すげぇ!お前の兄ちゃんすげぇ!」

大我「でも兄ちゃん軍人だとあんまり会えなかったりするのか?ちょっと寂しいなー」

磊「うちは男はみんな軍人の家系だから、もう慣れている」

大我「え、じゃあお前も軍人さんなの?お前もあれ乗るの?」

磊「俺は空軍パイロットだ。十二神機とは管轄が違う。…が、実は今から訳あって十二神機が格納されているところに行く予定なんだが…お前も来るか?」

大我「え、まじで?行っていいの?すげぇうれしい、まじで?うわあうわあ超うれしい!」

大我「俺の名は大我。大いなる我と書いて大我だ!」

磊「お前バカ?」

大我「何でだよ、俺の名前ちゃんとせつめーしねーと、よく大河ドラマの大河と間違われんだよ」

磊「ああ。そうだな。普通そっちの方が多いか」

大我「お前は?」

磊「城石磊だ」

大我「ライ?どんな字書くんだ?雷?」

磊「違う。豪放磊落の磊だ」

大我「ゴウホ…?」

磊「豪放磊落。知らんのか」

大我「うん。俺、中卒だから」

磊「自慢になるか!」

 

ロボットの基地wktkと思ったらそこはまさかの神殿。

薬師如来と十二神将が有名な神殿

座像の薬師如来を囲むように十二神将が配置されている。

大我「俺、ここ修学旅行で来たことあるぞ?十二神将があるとこだよな?…あれ?十二神将…十二神機…。十二神機って十二神将となんか関係ある?」

拝殿の奥から有坂勇魚が出てくる。

勇魚「磊くん!よく決心してくれたね!」

磊「?有坂少佐、彼と面識が?」

勇魚「…いや。友達かい?」

大我「俺の名は大我!大いなr…モガッ」(磊に口をふさがれる大我)

磊「ちょっと黙れよおまえ」

勇魚「まぁまぁ磊くん。民間人の被験者は大歓迎だよ。」

拝殿の奥には歴史的建造物に似合わないエレベーターがあって(しかも操作盤は鍵で開けるセキュリティっぷり)、それに乗ると、なんと神殿の地下には近代的な軍事施設が!

そこへ、ヴァジュラとシャトゥラのパイロット、城石黎武東迅が帰還してくる。

磊がいるのを見て顔色を変える。

黎「磊…?どういうことだ、勇魚。磊には検査を受けさせないと言ったろう!」

勇魚「そうも言ってられないだろ?いつまでも残りの神機を眠らせておくわけにもいかんし、それに、磊くんが適合者だったら、例の仮説が俄然有利になる。無駄に隊員達の命を危険にさらす必要なく、適合者が探せるようになるんだぞ?」

黎「しかし、磊にあんな事をさせるわけには!」

磊「兄さん、俺は志願してここに来ました。兄さんの心配には及びません」

黎「いや、磊にはまだ早い!」

勇魚「ああ、もしかして磊くん、童貞か?」

磊「なっ…!違います!」

黎「えっ?」

磊「えっ?」

黎「我が弟が…清童ではないというのか…?」

迅「黎、磊はもう成人してるし、エースパイロットとして立派に責務も果たしている。清はともかく童はないだろう」

磊「清でも童でもありません。兄さんは一体俺を何歳だと思ってるんですか」

勇魚「まあまあ、黎、えーと、ほら、童貞じゃなくてもお尻は処女かもしれないし」

迅「勇魚、それは今回の場合、むしろ本末転倒ではないか?」

勇魚「だよな。磊くん、お尻は処女?」

磊「セクハラでパワハラですか」

黎「お前、我が清らかな弟に何ということを聞くんだ」

勇魚「あー、この兄弟めんどくさいかも」

迅「黎、少し冷静になれ。お前の気持ちはわからんでもないが、お前のそれはもはや私情だ。ここまで来た磊の方がよほど大人だ」

磊「兄さん。まだ俺が適合者と決まったわけではありませんが、俺は神機に乗るということがどういうことか、わかっているつもりです。俺は兄さんの信用に足る人間ではないのでしょうか?」

黎「そんなことはない!私はこの世の誰よりもお前を信用しているし、誇りにも思っている!だが…」

勇魚「わー、この兄弟ほんとにめんどくさいー」

なぜここで童貞の有無が取りざたされているかというと、もちろん、搭乗時にちんこinだから。

しかし会話が見えないうえに飽きてきた大我、こっそりその場から離れる。

早くロボットが見たかったので、何かに導かれるように勝手に格納庫へ。

十二神機が整然と並んでいる。

うっわ、ド迫力。すっげー、かっけーーーーうわー、乗ってみてーーー

その瞬間、中の一体(寅神機シンドゥーラ)の目が光る。

えっ!?と思った瞬間、大我の姿はシンドゥーラに吸い込まれる。

盗難防止?の警報が鳴る。

ギョッとする迅、黎、磊。(勇魚の表情は見えない)

迅「誰か神機に触れたのか!?」

磊「大我…俺の連れは!?」

黎「まさか、神機に乗り込んだのか!?」

迅「いかん!」

磊「あのバカ!」

格納庫に向かってダッシュする三人。

後に残される勇魚。

 

シンドゥーラに取り込まれた大我。

コックピット内は不思議空間。

全裸なことに気付く

と思った瞬間、何か得体のしれないものが肛門から体内に潜り込んでくる。

パニックになって暴れる。

 

迅、黎、磊の三人が駆け付けると、シンドゥーラが暴走している。

迅「あれは…真達羅大将か! …なぜ暴れているんだ?」

黎「搭乗者は民間人だ。中でパニックを起こしてるんだろう」

迅「搭乗者が冷静さを失っている状態だというのに神機が搭乗者を吐き出さずに取り込んだままなのか?」

黎「……まさか…」

勇魚『彼は適合者だったようだね』

マイク越しの声がして、振り向くとガラス越しの指令室の中に勇魚がいる。

磊「大我…が、適合者?」

勇魚が回線越しに大我に呼び掛ける。

勇魚「大我くん、落ち着くんだ。大我くん!」

シンドゥーラには聞こえていないらしく動きは変わらない。

シンドゥーラが手を振り回して、横の神機に当たる。

迅「いかん!」

止めようと自機(丑神機シャトゥラ)に乗り込もうとする迅を黎が止める。

黎「待て、迅」

迅「黎?」

黎「磊、お前が止めてみろ」

磊「俺が?」

黎「そうだ。…神機を見ろ。心惹かれる機体があったら呼びかけてみるがいい。お前が適合者なら、神機はお前の声に応える」

磊「神機、が…」

磊、一瞬で躊躇を捨てて、神機に向き直る。

真剣な顔で神機を一体一体見渡す。

その目が波夷羅大将のところで止まる。

磊「兄さん、あの神機は…?」

黎「波夷羅大将だな」

磊「波夷羅大将…」

磊、波夷羅大将をじっと見つめる。

こころなしか波夷羅大将も磊を見つめているような気がする。

磊「波夷羅大将…いや…、俺の声に応えろ…辰神機パジュラ!」

パジュラの目が光る。

磊の体を取り込む。

コックピット内は大我のと同じく不思議空間。

大我の時と同じく磊も全裸。そして謎チンコIN☆

でも事前に情報を得ていた磊は、落ち着いてそれを歯をくいしばって耐える。

磊「なる…ほど、これは…っ、知らなければパニックを起こしても仕方ない…っ…」

じっと違和感を耐える磊。

前を見ると視界がクリアになっていて、さっきは見上げていたシンドゥーラが同じ高さの目線で暴れているのが見える。

磊「大我…、大我!」

大我「ちくしょう、くそっ!何だよ、これっ!!」

シンドゥーラの中の声が入ってきて、大我がパニクってるのがわかる。

磊「大我、落ち着け!」

効果なし。

仕方なく、磊、シンドゥーラをぶん殴る。

神機への物理ダメージは、そのまま搭乗者に伝わる。

シンドゥーラ吹っ飛ぶ。

パジュラ、素早く駆け寄って、両手でシンドゥーラの顔を包む。

磊「しっかりしろ、大我!」

大我「ら、磊…? …お前、ロボット乗れんじゃん…」

磊「言ってる場合か。落ち着け」

大我「磊、これ…このロボット…何なんだよ、これ…、俺の…俺の…」

磊「あァ、全部わかってる。俺も同じだから落ち着け」

大我「え、お前も、なの…」

磊「そうだ」

勇魚『はーーい、落ち着いたかな大我くーん』

大我「え?え?何?誰?」

勇魚『君達がここに来たときお出迎えしました有坂勇魚でーす。これは通常回線で俺は目の前のガラスの向こうにいまーす』

大我「…あ、ほんとだ…」

勇魚『ごめんねぇ、そのロボットそういう仕様のロボットなんだぁ。エッチなロボットでほんとごめんねぇ』

大我「マジ…かよ。趣味悪すぎる…」

迅『大我とやら。お前、自分の乗っている神機の名前がわかるか?』

大我「誰、あ、磊の兄ちゃんですか?」

迅『磊の兄はこっちだ。俺は日高見皇國軍独立機甲部隊少佐の武東迅だ』

大我「お、俺は弓削大我です。大いなる我と書いて大我です」

磊「お前、それ絶対言わなきゃダメなのかよ…」

迅『それで、弓削大我。その神機の名はわかるか?』

大我「そんなのわかるわけが…あ?え、えっと、シンドゥーラ?寅神機シンドゥーラ…?なんだこれ、なんで俺わかるんだ…?」

迅『…決まりだな』

黎『そのようだな。すまんな弓削くん。君は今日は家に帰せなくなってしまった。君、歳はいくつだ?まだ学生ならこちらから親御さんに連絡させていただくが』

大我「あ。いや、俺、親はいませんし、学生でもないし、未成年でもないです。帰国したばっかなんで家もないんで、ホテルも決めてなかったんで、今晩どこかに泊めていただけるならむしろラッキーっていうか」

磊「……!」

大我「それより、あの、俺、どうやってここから出たらいいんですか?あと、あの、俺の服返してほしいんですけど」

勇魚「あァ、服は大丈夫。降りたらちゃんと戻ってるから。降りたいときは降ろして、って神機に頼めばいい」

大我「え、それじゃ、えーと、シンドゥーラ、降りたいです。降ろしてください」

シンドゥーラ、大我を解放する。ちゃんと服を着ている。

大我「ほ、ほんとだ。服着てる…」

勇魚『おめでとう、大我くん!君は神機に選ばれた○人目の戦士だ!』

大我「え、マジ?」

勇魚『奇遇にも君の親友、城石磊くんもたった今、選ばれた戦士だと判明した!これからは二人仲良く我々と共に日高見の平和を守ってくれたまえ!』

大我「えっ? は、はい!がんばります?」

磊「単純馬鹿か、お前は……。」

 

 


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