2015/11/04

※プロットのみで作品はありません。このプロットは息子にあげました。これは備忘録です。ゾンビ化の過程と「活性死者」という呼称などはバイオハザードの設定に準拠しています。

AGHARTA

 

登場人物

 

世界観

 

アンデッド (Undead)

この世界における、アンデッドウィルスを病原体とするウィルス性の人獣共通感染症、及び、感染した患者の名称。

 

アンデッドウィルス抗体保持者

 

一般民

 

消防団

 

アガルタ (AGHARTA)

 

イニシエイツ(initiates)

 

シャンバラ(Shambhala)

 

 

ストーリー

消防団213分団に所属する兄が、アガルタα地区マスターをしている妹の元にやってくる。

兄は団員として有能だったため、その分団ではなく、その上部組織の団の実戦部隊に新たに配属されることになっていた。

待遇としては格段に栄転だが、職務としてはより過酷に危険になり、勤務地が居住の地方から都市部に移るため、しばらく会えなくなる前の挨拶に来たのだ。

そんな兄に、妹は、「命の危険が伴う消防団など辞めて一緒にアガルタのマスターとして暮らしましょう」と語りかける。

 

我々はウィルス抗体保持者として神に選ばれた特別な存在であるのだから、抗体を持たない可哀相な一般民を保護してあげるべき。

アガルタでなすべきことはたくさんある。

更に、生まれつきにウィルス抗体を持つ人間を生み出すことが出来るのは、ウィルス抗体保持者だけだ。

ならば自分達は、この危険な世界の中で、より困難に立ち向かうことの出来るウィルス抗体保持者をどんどん増やしていくべきだ。

命の危険が伴う特殊部隊などは、ウィルス抗体保持者が行うべき仕事ではない。

 

そう言う妹を静かに制し、「確かに我々は特別な存在なのかもしれない。だが、だからこそ、自分は戦いに赴く。」と告げる兄。

 

このアガルタは確かに美しく安全だが、完全に隔離され、自分の意志で生きる事を許されない人々は果たして幸せだろうか。

アガルタに保護されず、アンデッドの脅威と戦いながら生きている一般民も外界にはたくさんいる。

自分はその人々こそを守りたい。

神に選ばれた特別な存在だからこそ、あえてアンデッドに立ち向かいたい。

 

兄妹は、お互いが自らを特別な存在だと自覚しつつ、そのあり方への考え方の違いを思い知る。

だが、仲の良い兄妹であった二人は、互いに互いの考え方の違いを、認めることは出来なくとも理解し、二人の会話は声を荒らげることなどなく、穏やかに過ぎていく。

「ではせめてどうか命を大事に。決して死なないで。」という妹に、「君もこの美しく堅牢なタワーでどうか平和に。前言と矛盾する兄のエゴだが、やはりたった一人の妹が、危険な外界ではなく、安全なアガルタにいることは安心この上ない。」と答える。

そして、兄がタワーを去ろうとしたとき、タワー内に警報音が鳴り響く。

α地区の住人が、口々に不満を言いながら、タワーの周囲に詰め掛けていたのだ。

α地区は、アガルタの中でも特に、全く抗体を持たない脆弱な人々を保護していた。

予防接種をしても、抗体がまるで作られない人々で、妹は、このような人々は決して外界に出すべきではないし、その個体数を増やすべきではないとも考えていた。

α地区の住人は、マスターのそういう考え方に閉塞感を覚え、もっと自分達に自由を与えるべきだと口にしていた。

また、長期間、外界と隔絶されていたため、α地区の住人の間では、外界では既にアンデッドの脅威は払拭され、自分達は不当に隔離されているのではないかと言う不信感も溜まっていた。

実は、α地区の住人の中に、アガルタのセキュリティを掻い潜って、密かに脱走と帰還を繰り返していた者がいたのだ。

アガルタを出た脱走者が最初に見たものは、ウィルス抗体保持者の居住区「シャンバラ」であった。

そこは、ウィルス抗体保持者の街であるため、アンデッドの脅威から完全に解放されていた。

街は整然として美しく、娯楽に満ち溢れ、華やかで刺激的だった。

脱走者は、華やかなシャンバラを見て、外界は完全に安全だと思い込んだ。

実際にはシャンバラもまたアガルタと同じように外界とは隔絶されており、外界は荒廃した街が広がり、変わらずにアンデッドが猛威を振るっていたというのに。

脱走者は、誤った知識をα地区に持ち帰った。

その結果、住人の不満があふれ出したのだ。

住人達は、タワーに詰め掛け、投石や攻撃を繰り返した。

タワーの外装の強化ガラスはそれくらいで傷つけられたりはしなかったが、この事態は好ましくないと考えた妹は、住人達に姿を見せることなく、音声のみで住人達に説明と説得を繰り返した。

それを見守っていた兄は、モニターごしの住人たちの姿の中に、気になる者を発見した。

それこそが最初の脱走者であり、彼は、興奮した様子で首をしきりに掻いていた。

掻くというより掻き毟るといった呈で、首が蚯蚓腫れになって、肌を掻き破って血が噴出しても、彼はまだ掻き毟るのをやめなかった。

兄には、それが感染者特有のものだとすぐにわかった。

シャンバラの人々はウィルス抗体保持者であるがゆえに、シャンバラ内の除菌にはそれほど神経質ではない。

シャンバラ内にはアンデッドウィルスが存在しているのだ。

脱走者は、シャンバラを徘徊した際に、野良猫からアンデッドウィルスに感染していたのだ。

 

すぐさまタワーから保護区に移動する兄。

そして、住人達の前に姿を現すや否や、脱走者を撃ち殺した。

脱走者は、人間の姿のまま死亡。

アンデッド化する前に処理できてよかったと安堵する兄の周りを、何も知らない住人達が怒りに顔を歪ませながら取り囲む。

長く隔離され、アンデッドを見たことがない住人にとって、兄は、突然現れて同胞を殺した殺人鬼だった。

 

 

---------------------- ここまで ----------------------

 


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