クローディアの母親。


さて、クローディアの母親は誰でしょう。

父親は分かっています。バファル皇帝フェル6世です。

母親については、ゲーム中、クローディアを産んですぐ死んだらしい、という事だけが、オウルの回想シーンで、クローディア付きの女官の口から語られるのみで、どんな人だったのかも、何故死んだのかも、全く分かりません。

グラフィックもありません。

 

ここで、意外な手かがりがあります。

他キャラ主人公時に、クローディアを仲間にして、その初期設定を見ると、両親の職業が分かるのです。

父親の職業は、バファル皇帝なんだから当然戦士とかかと思いきや、意外にも「詩人」。

そして、母親の職業は「女戦士」。

 

クローディアの母親は女戦士だったのです。

 

皇帝陛下のお目にとまってお后の地位を手に入れるくらいですから、モニカのような諜報員クラスではないでしょう。

常に皇帝の傍にいる親衛隊か、あるいはジャンヌダルクよろしく先陣をきって軍を率いる女将軍だったかもしれません。

なんて事を思いつつ、クローディアを主人公にしてゲームを進めていくと、やたらと気になる存在が浮上してきます。

それは、クローディアの初期パーティーメンバーの一人、銀色狼のシルベン。

公式設定には“オウルに古くから育てられた老狼”とありますが、ゲームを進めていけば周知の通り、その正体は銀の月の女神エリスです。

ロマンシングサガに出てくる神々は、創造神マルダーと破壊女神サイヴァを除いて全部で10柱。

このうち、エロール側の神々は、人間から神に昇格したミルザを含め7柱。

更にこのうち、パーティーの前に姿を現すのは、(つまり、ゲーム中その存在が我々プレイヤーに明らかになるのは)光の神エロール、大地の女神ニーサ、森の神シリル、銀の月の女神エリス、の4柱です。

吟遊詩人ハオラーンに化けて、パーティーの行く先々に現れては調子こくエロールはともかくとして、ニーサ、シリルは、パーティーの前に現れても神としての威厳を崩す事はありません。

ニーサは、「我が子らよ・・・。サルーインが帰ってきます。それを止める事が出来なければ、世界は再び破滅の危機を迎えます。」と言い、

シリルも、「よくきた。私は森の神シリルだ。」と言って、余計な事は何も語らず、パーティーの要望に応じてエリスのシンボルをくれたりします。

だいたい、マルディアスの神々と神官の考えは皆一様です。

みんなして、こっちの都合も考えんとサルーインを封印せえ、サルーインを止めれ、としつこいです。

ところが、銀の月の女神エリスだけは、唯一クローディアに対して、とても神とは思えない言葉を吐きます。

「クローディア・・・。やはりあなたの道は、ここへ続いていたのですね。オウルがあなたをこの森に連れてきた時、この子だけはデステニィストーンに引き寄せられる事がないようにと願っていたのですが・・・。」

エリスは、他キャラが主人公のときはその姿を見せません。

クローディアの時だけ姿を現し、「クローディア“だけ”はデステニィストーンに引き寄せられる事がないようにと願っていた」と言うのです。

(他キャラがどうなろうと知ったこっちゃないけど、という事か?)

更にエリスは続けます。

「私は、あなたがこの森で、一生穏やかに暮らしていければと望んでいました・・・。
 しかし、デステニィストーンは、あなたの運命も引き寄せて、絡み合わせて行くようです・・・。
 ・・・ああ、やはりエロールは、あんなものを作るべきでは無かったわ!
 クローディア、あなたにこのシンボルを授けますが、あなたがデステニィストーンの軛から逃れ、その生を全うする事を祈ります。」

エロールがサルーインを封印するために作り、ミルザがそれをもってしても命を落としたデスティニーストーンを、エリスときたら、「あんなもの」呼ばわりです。

あげく、「作るべきではなかった」とさえ言い切ります。

しかも、神々みんなが異口同音にサルーインを封印しろの大合唱の中、エリスは一人、「んなもんどうだっていい」と言わんばかりです。

そもそもエリスは、クローディアが幼い頃から、その正体を隠して傍にい続けました。

更に、ゲームの進め方によっては「シルベン」をパーティーに入れたままサルーインと戦う事が出来ます。

サルーイン戦に及んでも、シルベンは狼のままではありますが、最終試練で「何故神自らが戦わないのか」と主人公に聞かれたエロールが、

「かつて、神同士の戦いがあった。その時、この世界は一度死んだ。
 それほど神の力は激しいのだ。私は二度とこの世界を死なせたくない。
 更に、人は自分の運命を自分で決める権利がある。
 サルーインのなすがまま滅び去るか、それともサルーインに立ち向かうか、自分達で選ぶがいい。」

と答えている以上、神が自らサルーインに立ち向かうのは、タブーであったと思われます。

その禁忌に触れるのを承知の上で、「シルベン」はクローディアの傍にいるのです。

ここに、エリスのクローディアへの、並々ならぬ愛を感じるのは、私だけでしょうか?

更に言うなれば、シルベンの初期設定の両親の職業は、両親ともに戦士。

であれば、シルベン自身も戦士であると言い切ってもおかしくはないでしょう。

銀の月の女神エリスは、戦うために生まれてきて、サルーイン封印戦争で、赤い月の女神アムトと共に、闇の女神シェラハを封じています。

まごうかたなき戦神、つまり戦士です。

というわけで、クローディアの母親は、銀の月の女神エリスである、と言い切ってしまおうかなと。

皆さんはどう思われますか?

2002,8,14

このコラムは日記で書いたものを加筆修正して載せています。
各コラムの文末についている日付は、日記での発表日です。




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