GARAHAD x GRAY


「ぐッ…! うあああッ…!」

ガラハドの剛直が体を貫いた瞬間、グレイは、思わず悲鳴を上げてのけぞっていた。

「いいぜ、グレイ…。すげぇ、イイ…。」

グレイの耳朶を軽く噛みながら、ガラハドが囁いた。

グレイは答える余裕もなく、ハッ…ハッ…と短く息をつきながら、己を襲いくる激痛を逃がしている。

グレイの体は今、仰臥したガラハドの腰の上に、後ろ手を縛られた状態で跨らされていた。

そんなグレイの様子を楽しみながら、ガラハドが、ぐんっといきなり下から突き上げた。

「くッッ!」

すんでのところで、悲鳴を噛み殺す。

「そんなに物欲しげに締め付けるなよ。男に飢えてたみたいだぜ。」

「き…さま…!」

底冷えするほどの殺気を込めた灰色の瞳が、ガラハドを見据える。

こんな状況下でもまだ、相手を威圧するほどの、強い光を放つ瞳。

たまらんな、と口の中でつぶやきながら、ガラハドは一旦グレイの中から自身を引き抜き、すぐにまた、傷つき熱をもったそこへ、剛直を捻じ込んだ。

「ぐあっっ!」

グレイの背が再びのけぞる。

「動か…すな…っ…」

自重でガラハドの肉棒はグレイの奥深くを貫いていた。

少しでも動かされると、容赦なく内壁がえぐられる。

「動かなきゃいつまでも終わらんぞ? それとも自分で動くのか?」

ニヤニヤと笑いながら、ガラハドが言う。

腰を抱えあげるように貫かれ、グレイは声を出すまいとするだけで精一杯だった。

グレイは、縛られた後ろ手を、忌々しそうに振りほどこうともがいた。

「こいつをほどけ…!」

その声に殺気が篭もっている。

けれど、ガラハドはにやりと笑って、それを一蹴した。

「いい格好だぜ、グレイ。」

「………っ…」

ガラハドの手が、グレイの、痛みに萎えたモノを鷲掴みにした。

「やめろ!」

グレイが反射的に身を竦ませる。

「ご自慢のブツが縮こまってるぜ。」

言うなり、ガラハドは、まだ柔らかいそれを、強く捻るようにしごき上げた。

……ッ!」

グレイの背が反り返り、体内のガラハドをびくびくと締め付ける。

「おぅ…っ…」

ガラハドが慌てて、腰を揺すって持ち上げる。

途端にガラハドの剛直が更にグレイの奥をえぐった。

「ぐうぁッッ!」

「フ…。そそられるぜ。」

ガラハドは、グレイの尻を両手で押し開くように掴んで持ち上げた。

グレイの体がバランスを失って後ろに倒れる。

「っ!」

後ろ手に縛られているため、グレイは後頭部をしたたかに床に打ち付けた。

ガラハドは構わず、つながったままグレイの足を高く持ち上げると、無理矢理その股を広げ、わざと結合部が良く見えるような体位をとらせ、激しく己の剛直を打ち付けはじめた。

「……………ッ!」

激痛がグレイの背筋を突き抜ける。

とっさに歯を食い縛る。

みっともなく声を上げて、これ以上ガラハドを喜ばせたくなかった。

無理矢理押し広げられたそこが、痛いというより熱かった。

裂けたな、と思った。

己の内臓がめくれ、掻き出されるような感触。

忘れていた…忘れたつもりでいた、感覚。

不意にガラハドが、その抽迭を止めた。

「お前…」

意外そうな声音が、グレイの耳に届く。

「お前、男に犯されるの、初めてじゃないな?」

その灰色の瞳に、思いがけず狼狽の光が走る。

それを認めて、ガラハドは驚いた。

グレイの体が既に男を知っていた事にも驚いたが、それを指摘した途端グレイがうろたえた事にも驚いた。

ガラハドの知っているグレイは、人前であっさりと自分の感情を露呈するような男ではなかった。

常に冷静で、常に沈着で、何者にも屈せず、何者にも媚びず、自由で、奔放で。

ガラハドの心の中に、ちろちろと仄暗い炎がくすぶり始めていた。

この体を抱いたのは…誰だ?

どんな男だ?

見も知らぬその「男」への、嫉妬。

ガラハドが再び律動を始めた。

「ううっ…!」

グレイの背がのけぞる。

怜悧な美貌が、苦痛に歪む。

その表情に煽られて、ガラハドは、何度も何度も己の熱を突き上げた。

グレイは自分の中で、確実に何かが壊れていくのを感じていた。

自分の腸内を容赦なくえぐる感触に、グレイの体は次第に、確実に、快感を覚え始めている。

「あの頃」のように。

何も考えたくなかった。

心が考えるのを拒否していた。

底知れぬ闇に堕ちていくような、かすかな恐怖。

このまま、快感に溺れて、心を手放してしまえば、楽になるのだろうか…。

「グレイ… 俺は… 本当は… お前を…。」

ガラハドのそんな呟きも、もうグレイの耳には届かなかった。

いつしか、グレイは、自ら腰を振っていた。

ガラハドは先刻より激しく腰を動かして、グレイの腸内なかをめちゃくちゃにかき回している。

「う…ッ く…っ… あ…!」

喘ぎに甘い響きが混じりだす。

熱を帯び、固くなりはじめたグレイのモノを、ガラハドが握る。

前を扱かれ、後ろを貫かれるたび、グレイの体の中を甘い痺れが走る。

「グ…グレイ…っ…!」

グレイの尻肉を掴んだガラハドの指に力がこもった瞬間、グレイは、己の中で、昨日まで親友だった男の肉が震え、熱い精を吐き出すのを感じていた。

END.




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