刀@BONBON 


 

タバコが切れた。

 

だからというわけじゃないけど、今日のサンジは何だかそんな気分だった。

 

────フェラチオしてぇ。

 

なんだか、ちんこを舐め回したくて仕方がない。

勃起したちんこを思い浮かべるだけで、口の中がうずうずする。

生唾が沸く。

口寂しくて眠れない。

こんな時、サンジにはお誂え向きにサンジ専用のちんこがいる。

いい加減夜も更けているので、たぶん、男部屋で他の野郎共とごった煮になって、ぐっすりとご就寝中だろうが、そんな事サンジの知ったこっちゃない。

むしろ、本体が寝ててくれるのは非常にありがたい。

サンジが用があるのはちんこだけだからだ。

 

ラウンジを出て、男部屋へ降りていく。

汗臭いやら男臭いやらのむさくるしい空気の中、野郎共が死屍累々と寝汚く転がっている。

いつにもましてむさくるしく感じるのは、男部屋に唯一癒しの空間を醸し出すぬいぐるみ船医が、今日は見張り番で不在だからだろう。

 

目指すちんこは、床の上にだらしなくその体を投げ出している。

なんでハンモックで寝ないんだ?と疑問に思い、すぐに、寝ている位置とハンモックの位置を見比べて、どうやらハンモックから落ちたらしいと気づく。

それでも起きない本体の寝根性の汚さには感心する。

でもまあ、床に寝ててくれればやりやすいというものだ。

ぐるりと室内を見渡して、野郎共全員がぐっすりと熟睡しきってる事を確認して、サンジは、ちんこの本体の足の間に座り込んだ。

緑の腹巻を胸の方までずらす。

ズボンのボタンをはずし、ファスナーを下ろし、ちんこを陰嚢ごと引きずり出す。

ファスナーを開けただけでズボンは下げてないから、ちんこは陰嚢に埋没するような感じでぴょこんとズボンの上から顔を出す。

本体はやや窮屈さを感じるかもしれないが、それこそサンジにはどうでもいい。

とにかくちんこが外に出さえすればいいのだから。

 

萎えているちんこは何となく可愛い。

くてっとしてくたっとして、ふにふにして、お手頃サイズなので、サンジもその全てを口に入れる事ができる。

いただきます、と心の中で呟いて、ぱくんとそれを咥える。

口の中で転がして、ふにふに感を楽しむ。

舌を回しながらコロコロコロコロ転がしていると、だんだんとそれは固くなってくる。

ふわふわふにょふにょが、だんだん質量を増しながら固くなっていくのは、なんとなく楽しい。

楽しいが、ふわふわふにょふにょも愛しいので、少し寂しい。

変化していくふにふにの感触を惜しみながら、口の中のそれを更に育てるべく何度も舌で擦りあげる。

じゅるじゅるとはしたない音がする。

それは口の中でどんどん大きくなっていって、やがて口の中には治まりきれなくなる。

喉の奥の方まで入れてみようとしても、全部は飲み込めない。

仕方ないので、先端を口に含みながら、幹を手でしごく。

手に伝わるちんこの感触は、ごつごつぼこぼことしていて、本当に木の幹のようだ。

だがまだ完全に勃ち上がってはいない。

言ってみれば、アルデンテ、というところか。

パスタと逆で、料理すればしただけ、固くなっていくが。

 

本体が眠っているせいか、勃ちはあまりよくない。

サンジは、このちんこが、もっと熱く、もっと固く、もっとでかくなる事を知っている。

あの凶暴な姿を晒せ、とばかりに、サンジはそれを熱心に舐める。

本体が起きたら仰天するのではないかと思うほど積極的に、舌を動かす。

口全体を使って、吸い上げながら、頭を激しくグラインドさせる。

だって今日のサンジは、とにかくこれがしゃぶりたいのだ。

そこらの娼婦がケツまくって逃げ出すほどの大胆さで舐める。

本体が起きてたら、たぶん、速攻で昇天だ。

一旦口を離して、サンジの唾液でぬるぬるの幹を握って、にゅるにゅると扱く。

サンジの長い白い指が、赤黒く凶暴なちんこに絡んでる様はやたらとエロい。

本体は、自分の体で、とてつもなく淫らで贅沢な饗宴が繰り広げられている事など、全く気づかずに眠っている。

サンジには好都合だ。

ごつごつした幹を、横に咥えて甘噛みしてみる。

ペロペロと舐めてみる。

やっぱり、萎えていた時のふにふにの方が可愛らしかったな。舐めやすかったし。と思い、陰嚢に舌を這わせてみる。

幹がびきびきに固くなっていても、ここだけはふにゃふにゃと情けない。

陰嚢を口に咥えてみる。

毛が生えているので少し舐めにくい。

おまけに袋の中のタマが逃げるので、なかなか口に含めない。

吸い込むようにして、タマを口の中に入れる。

しわしわの袋の中、こりっとしたタマの感触がある。

 

この感触はなんか覚えがあるな、と思い、すぐに思い当たる。

これはあれだ、八宝菜の中のうずらの卵。

あれのちょっと大きくなった奴。

 

八宝菜のうずらの卵は何となく惜しんでしまう。

横によけといて、八宝菜を全て食べきってから、やっと口に入れる。

口に入れても歯を立てるのが惜しくて、口の中でいつまでもいつまでもころころころころ転がしてしまう。

 

そう思うと、口の中のタマの感触が、急に愛しくなった。

同時に、すげぇな、と思った。

タマ咥えられてんのに、無防備で寝てる本体に。

もしサンジが、ここで、このまま口の中のタマに歯を立てれば、本体の男としての生はここで終りになる。

大剣豪になったとしても、タマなし大剣豪だ。

本体の、男としての生殺与奪権は、サンジの口の中にある。

この状況は、ちょっとたまらなく、イイ。

思わずイッてしまいそうだ。

 

名残惜しく、タマから口を離した。

もっと舐めていたいが、袋にもじゃもじゃ生えたこの毛がどうにもこうにも不快だ。

口の中にも残る。

 

忌々しく口の中の毛を吐き出して、サンジは、今まで放っておいた亀頭を咥えた。

長いことタマと戯れていたので、亀頭はすっかり冷えて、ひんやりしている。

ごめんね、こんなに冷たくなるまでほっといて、と心の中で思い、きゅうっと口の中で亀頭を締めた。

サンジは亀頭を舐めるのが一番好きだ。

幹は凶暴で固くてごついが、亀頭は丸くて柔らかくてつるつるしている。

唇を当てた時の感じが一番優しい。

先の丸いところから、カリまでのカーブが好きだ。

つるんとして舐めやすい。

舐めてるうちにいとおしさが募ってくる。

ちゅ、と鈴口を吸ってみる。

けれど、決して歯を立ててはいけない。

そう、ボンボンキャンディを食べる時の要領だ。

シュガーピンクのボンボンキャンディだ。

華奢で可愛らしくて、甘くてひんやりしていて、中には薫り高い蜜が詰まってる。

歯を立てたら蜜が零れ出してしまうから、壊さないように、そっと、優しく、舐める。

いつか中の蜜が溢れ出してくるのを楽しみにしながら。

 

カリのところはエラがはっていて、亀頭よりも少し固くなっている。

カリのくびれにそって、れろれろと舌を回す。

 

不意に、

「…ッ…ふ…!」

と声がして、口の中のちんこに、ぐっと芯が入った。

びきっという音がするんじゃないかという勢いで、ちんこが固くなる。

質量も増す。

 

あーあ。とサンジは思った。

 

本体が起きようとしている。

これだけ舐め回せば誰でも起きようというものだが、今のサンジにとってはちんことのらぶらぶタイムを邪魔する無粋な本体でしかない。

もう終りかよ。もっと舐めたかったのに。

 

「て…め、なに、やってる…?」

 

うろたえたような寝ぼけたような混乱したような掠れた声が聞こえた。

 

いいね。今の声はなかなかいい。

エロい声も出せんじゃねぇか。エロ剣豪。

ご褒美にイかせてあげよう。

 

鈴口に舌を捻じ込みながら、竿を上下に扱く。

竿に垂れたサンジの唾液が立てる、くちゅっくちゅっという音がする。

喉の奥深くまで咥えて、嚥下するように喉をぐにぐにと締めてやる。

締めながら、頭を上下させた。

 

「サ、ンジっ…!?」

 

二人っきりでないと絶対に呼ばない名前を、うかつにも、寝てるとはいえ他のクルーがいる男部屋で口走ってしまう本体に、相当動揺してるらしい事を見て取って、サンジは思わず、ちんこを咥えながらにやりと笑った。

まあ、目覚めていきなり咥えられてたら、しかも、普段はそんな事絶対にしない奴にびっくりするほどのテクニックをご披露されてたら、そりゃ動揺もするだろう。

 

構わず、竿を扱くスピードを早くする。

鈴口に、舌を捻じ込む。

 

「────ッ…!」

 

「うっ」と「ふっ」の中間のような、声というか、吐息というか、が聞こえた。

サンジの頭が、不意にぐいっと押さえつけられる。

どくっ、と幹が震え、サンジの口腔に濃厚な蜜が溢れ出してきた。

 

ねっとりと甘くて強烈な蜜。

 

断続的に口の中に放出されるそれを、ごくりと喉を鳴らして飲み干し、尿道口に残った蜜も扱き出して、吸い尽くして、サンジは顔をあげた。

 

ぽかんとしている本体の顔に満足しながら、サンジは、腹巻を丁寧に戻して、まだおっ勃っているちんこの上に、被せた。

「はい。ナイナイ。」

ぽんぽん、と叩くとさっさと立ち上がって自分のハンモックに登る。

 

本体はただ呆然とサンジの姿を目で追っているが、そんなのサンジの知ったこっちゃない。

だって今日のサンジはちんこがしゃぶりたかっただけだから。

 

横になると、強烈な眠気が襲ってきた。

口寂しさも、もうない。

おやすみ、俺のボンボンキャンディ。と思いながら、サンジは夢路についた。

 

 

 

「────待て、くら。」

 

 

自分の知らない間に凄まじく過激なサービスを施されていたらしいことを悟り、今だ熱醒めらやらず、もうにっちもさっちもいかないほどに勃起したちんこを抱えて、剣士が、もったいないやら焦りやら怒りやらトキメキやらと共に我に返ったのは、それからすぐだった。

 

 

END.

2004/04/18

 


5000HIT記念で日記にUPしたものを加筆修正。
タイトルはMong-Haiあづちさんがつけてくれました。
「シュガーピンクのボンボンキャンディ」のフレーズは名香智子の“レディ・ギネヴィア”リスペクトでひとつ。


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