.*・゜゚・*.。.。.:*・゜恋人は土気色゚・*:.。.。.*・゜゚・*.

 

* 2 *

 

どうしてこううまくいかないのだろう。

 

展望台からぼんやりと海を眺めながら、ゾロは溜息をついた。

こんなにこんなに、そう、眼下に広がるこの大海原のように大きく深くサンジを愛しているというのに、何故こうもサンジにその愛が伝わらないのだろうか。

あれからセフレのお勤めはとんと御無沙汰になってしまった。

やらなくなったというより、やれなくなった。

『コックとしての俺を、お前は見下している』と言ったサンジの言葉が、耳から離れない。

そんなつもりはなかったのに、サンジにそう思わせていた。

ゾロは、恋人としてのサンジとコックとしてのサンジを、区別して考えたことなどない。

サンジはサンジだ。

料理するサンジも戦うサンジも笑うサンジも怒るサンジも泣くサンジも腕の中で喘ぐサンジも、全てひっくるめてサンジだ。

そう、思っていた。

だけど、そうではなかったのだろうか。

自分は無意識にサンジの矜持を傷つける真似をしていたのだろうか。

美しく蒼い大海原に、心の中でそっと問いかけても、海はただ悠然とたゆたうばかりでゾロに答えを返してはくれない。

「…うゥーみィーは、ひろいーな、おおきィーなァー……」

空ろな目で茫洋と口ずさんでみた。

嗚呼、海はこんなにも雄大で泰然自若としているのに、この身は何と矮小であることか。

惚れた相手一人、幸せに出来ないなんて。

それとも、それほどにサンジという男の心は、難攻不落の砦であるということなのか。

…なるほど、未来の大剣豪の伴侶候補たる男ともなると、その貞操もまた頑強なりしか。

ならばこの艱難辛苦もまた乗り越えてしかるべきか。

そうだ。自分が真に大剣豪の器なれば、必ずやいつの日にかサンジと添えるに相違あるまい。

改めて決意を胸に刻み込む。

一瞬ネガティブになってはみたものの、結局どこまでもポジティブなロロノア・ゾロ(19)であった。

 

 

 

 

だが、えてして運命とは、時に恋人達の絆を思いも寄らぬやり方で、試すものである。

 

 

 

 

* * * * * * * * *

 

 

 

その島の名は、『スリラーバーク』。

何処かにあるゴースト・アイランド。

どうしたら行けるのだろう。

教えて欲しい。

 

 

 

ログも反応しない、地図にも乗っていない、彷徨える島。

濃い霧に包まれ、昼夜もわからないほど薄暗く、鬱蒼とした森と不気味な城が聳え立つ、見るからにヤバげなその島に、クルーが上陸するハメになったのは、至極当然の如くノリノリの船長のせいである。

 

 

「ヨホホホホ! 愛のテーマパーク“スリラーバーク”へようこそ!!!」

 

唐突にクルーの目の前に姿を現したのは、どう見てもガイコツだった。

しかもアフロ。

 

「ギャアァアァアァ…!!!」

パニックに陥るクルー。

「喋ってる!! ガイコツがアフロで喋ってる!!」

そんなクルーに、ガイコツはにこやかに笑って見せた。

ガイコツだから表情はよくわからないんだけれども。

「ガイコツだなんてとんでもない! 特殊メイク! ただの特殊メイクですから! これ!!」

「メイク!? どう見ても骨なんだけど、それ!?」

「ヨホホホホ! 私は愛のツアーコンダクター、“死んで骨だけブルック”です!!! どうぞよろしく!!」

「“死んで骨だけ”って今言ったし! 言ったしぃーッ!!」

「やっぱり死んでるのか? 死んでるのに動いてるのか?」

「ヨホホホホ! 特殊メイク特殊メイク!」

「嘘言え、ボケー!! どっから見てもガイコツじゃねェか!!」

「よぉーっし、行くぞ、冒険んんーー!!!」

「“冒険準備万端病”か、お前は!!!」

「ヨホホホホ! パークチケットは子供・3900ベリー、中高生・5000ベリー、大人・5800ベリー、60才以上の方は5100ベリーです!!」

「金取んのかよ!!!」

17才二人、15才一人、18才一人、19才二人、28才一人、34才一人、の麦わら海賊団は、しめて44000ベリー也。

当然、我らが航海士は予定外の出費にいたくご立腹だった。

だが払ってしまったものは仕方ない。せめて元をしっかり取るべく気合入れて遊んじゃる、とばかりにスリラーバークに足を踏み入れようとした一行を、ブルックと名乗ったガイコツが慌てて呼び止めた。

「ちょおーっと待ってください、皆様!」

「なによっ! もうビタ一文払わないわよっ!」

「いえいえお金の事ではありません! 大変恐れ入りますが皆様、当パークへは恋人・ご夫婦でペアになってお進み下さいませ。」

「はあ?」

突然のブルックの言葉に、麦わらのクルーは頭を傾げた。

「って言われてもよ、俺達の中に夫婦もんはいねぇぞ?」

船長があっさりそう言うと、ブルックはあからさまにショックを受けたような顔をした。だからガイコツだから表情はわからないんだけども。

「カップルがいない!? こんなに美しいお嬢さんがお二人もいらっしゃるのに? じゃあ私パンツ見せて貰ってもよろしいですか?」

「見せるかっ!!」

即座にナミのハイキックがブルックの側頭部にクリーンヒットした。

一撃でダウンするブルック。

「骨身にしみました! ガイコツなだけに!! そして今のハイキックでパンツも見えました! ありがとうございます!!!」

「うっさい!!」

ブルックとナミのやり取りを、ルフィは笑いながら呑気に見ているが、サンジは怒り心頭だ。

「てめェ! ナミさんのパンツ見やがったのかよ!」

掴みかからんばかりのサンジを、ウソップが必死に押さえる。

「ナミさんっ! こんなガイコツはどうでもいいが、カップルじゃなくちゃいけないらしいからここはぜひ俺と、…!」

怒りつつも、この期に乗じてちゃっかりナミを口説こうとするサンジの後ろから、不意に、にゅっと野太い腕が伸びてきて、ラリアットの要領でサンジの首に巻きついた。

「誰がお前とナミを行かせるかよ。」

ゾロだった。

その様子を見て、ルフィが、うはははは、と笑った。

「あァ! そういやうちにもいたじゃねぇか、カップル。」

そう言って、事もあろうか船長はサンジとゾロを指差した。

「ヨホホホホ! 素晴らしい! 大丈夫、私は恋愛に偏見はございません! なんてお似合いのナイスカップル!」

「ふ・ざ・け・ん・な! 何で俺がこんなマリモとカップルになんなきゃいけねェんだ! だったら俺一人で行く!」

サンジは激怒のあまり、頭のてっぺんから湯気を出している。

それをブルックはちょっと慌てて止めた。

「お一人だなんていけません! スリラーバークのテーマは“愛”! “愛”なのでございます!!! 恋人達のペイブメントを散策し、恋人達のキャフェテラスでティータイム。そう、スリラーバークは“ゴースト・アイランド”などではありません! “ふたりの愛ランド”なのでございます!!!」

どーん。

思わず圧倒されてぽかんと口を開ける麦わらのクルーを、ブルックは、

「ささ、おわかりいただけましたら、他の皆様も、ぜひ意中の方や仲良しさん同士でペアになってください。」

と、ガイコツだから表情はわからないけれど爽やかな笑顔で促した。

言われて、ナミがロビンとペアを組む。ここでナミが意中のルフィではなくロビンにくっついたのは、何かあった時にナミを置き去りにして真っ先に飛び出して行きそうな方よりも、確実に傍にいてくれそうな方を選んだからである。

それを見て、ウソップはすかさずルフィの隣に庇護を求める雛鳥のような顔をして治まった。とりあえず残りの面子を考えて、一番強そうなところについた、というところだろう。

必然的に残ったフランキーとチョッパーがペアになったが、チョッパーは、休日の父子の語らいよろしくフランキーに肩車してもらったので、まんざらでもない様子である。そういえばフランキーとチョッパーの歳の差は、親子と言っても遜色ない。

「おお、ペアが決まりましたね。では腕にこれをつけてくださいまし。」

ブルックがそれぞれのペアに、華奢な細工の腕輪を渡す。

「こちらがパークチケットとなります。パーク内では決して外さないでください。」

はーい、とクルーがよいこのお返事をする中、サンジだけはゾロに羽交い絞めにされながら、「放せクソ野郎!」とか、「ふざけんなマリモ!」とか、思いつく限りの悪口雑言を口角泡を飛ばして怒鳴りまくっていた。

 

 

スリラーバークの中は、外から見えるよりも更におどろおどろしい雰囲気が満ち満ちていた。

鬱蒼とした森が生い茂り、薄暗く、空気もじめじめしている。

いかにも『何か』出そうな雰囲気。

ウソップはもう涙目で、船長に抱きつかんばかりである。

ナミもロビンの手をしっかりと握っているし、チョッパーもフランキーの頭にしがみついて震えている。

サンジはといえば、ゾロの強固なフェイスロックでホールドされたままなので、密着度だけなら一番ラブラブだ。

それをブルックは、何故か嬉しそうに、うん、うん、と眺めている。

「愛、愛、って、こんな気味悪いとこの何が愛なんだよ…!」

ウソップがぼやく。

「ヨホホホホ! すぐにわかります。…ほら、来ますよ。」

ブルックが言ったその時だった。

ぐるるる…と、暗がりから獣らしき唸り声が聞こえた。

思わず目をやると、光る目がこちらを見ている。

一つ…、二つ…、……三つ四つ五つ…、─────六つ。

「なに…? 犬…?」

「三匹…?」

暗闇の中から現れたのは、三つの頭を持つ大きな犬だった。

「じ、“地獄の番犬”…!」

「ケルベロス…!?」

「イイイイヤアアアアアアアッッッッ!!!!!!!!!」

ナミの悲鳴をきっかけに、ケルベロスが吠えながら飛び掛かってきた。

「ワン!」

「ワン!」

「コーン!」

何故か一つだけ明らかに犬でなく狐の頭だ。

それでも怖い事には変わりがないので、むしろ生物的に一匹だけ違う方が余計怖いので、ナミはロビンに、ウソップはルフィに、チョッパーはフランキーに、それぞれ必死でしがみつく。

身動きの取れなくなったルフィ、ロビン、フランキーを見て、

「下がってろ!」

と、ゾロとサンジが躍り出た。

ワン!ワン!コーン! と襲いかかってきたケルベロスを、蹴りと峰打ちで容赦なく叩きのめす。

ケルベロスはあっさり白目を剥いて地面に這いつくばった。

「素晴らしい!!」

ブルックが感激した様子で拍手をした。

「愛する人と手に手を取って危機に立ち向かう! ああ何て美しい愛の姿なんでしょう! 私、感動の余り心臓が打ち震えております! ガイコツだから心臓はないんですけど!」

「何が愛だ!」

チッとサンジが忌々しげに舌打ちした。

するとブルックはニコニコ笑いながら、

「何をおっしゃいます。何処から見ても愛に満ち溢れておりますでしょう! ほら、皆さん、こんなにもラブラブになって!」

と言って、恐怖に抱き合うクルー達を指差した。

「…………なるほどね……。」

不意にロビンが呟いた。

「何がなるほどなの? ロビン。」

ナミが怪訝そうに見上げてくるのを、ロビンは落ち着かせるように優しく頭を撫ぜてやりながら、

「“吊り橋効果”よ。」

と答えた。

「おお、これは聡明なお嬢さん! ご慧眼です!!」

ブルックがすぐに反応した。

「吊り橋効果…! そうか、そういうこと…!」

ナミの顔がぱあっと明るくなった。

「ええっ、じゃあ俺はフランキーにときめくのか!?」

すぐにチョッパーもロビンの言葉を理解して、天然なセリフを吐く。

納得している三人に対して、残りの五人は、会話の内容すら分からず小首を傾げている。

「なんだよ、その吊り橋なんとかっての…。」

「情動二要因理論。人は生理学的変化と心理学的変化を区別する事ができない。つまり、異性と高い吊り橋を渡った時、その恐怖による興奮を、相手への恋心と錯覚してしまうのよ。」

「ヨホホホホ。その通りでございます! オバケ屋敷や絶叫マシンは恋する二人の絶妙のスパイスでございます! スリラーバークにお越しのお客様は、皆様、より一層絆を強くされましてお帰りになられます。離婚寸前のご夫婦が新婚ほやほやのようなあっつあつの情熱熱風セレナーデを取り戻された事もございます!」

「そうとわかれば安心して怖がれるってなもんだわ!」

ナミが、ぎゅっとロビンの腕に絡めた手に力を込める。

もう、さっきまでの怯えた様子はなかった。

オバケ屋敷を楽しもう、という気合に満ちている。

ウソップやチョッパーもさっきまでのような途方にくれたような顔ではなくなっていた。

そこへ、怪しげな馬に引かれた馬車が四台やってきた。

「こちらの馬車は二人乗りでございます。カップルでどうぞ。」

これまた怪しげな御者がうやうやしくお辞儀をする。

二人ずつ一台の馬車に乗り込み、ごねるサンジもゾロにムリヤリ馬車に連れ込まれ、馬車は静かに発進した。

馬車の外にはふよふよと浮遊するゴーストや、樹木の化け物などが現れ、そのたびにナミやウソップは、きゃーきゃーひいひい悲鳴を上げる。

すっかりスリラーバークを満喫している他のクルー達とは打って変わって、ゾロとサンジの馬車だけは異様な雰囲気に包まれていた。

サンジはゾロを睨みつけ、ゾロはそれを平然と見返している。

「…………………俺はお前とカップルなんざごめんだからな。」

押し殺した声でサンジが言う。

「何でだ? セックスしてるんだからカップルだろう?」

「あんなんただの性欲の処理だろうが!」

「処理だろうが何だろうがヤッてんだからデキてるってこったろうが。」

「デキてねぇ! だいたい俺はお前の告白なんざ認めねェ!」

「認めてもらわなくてもいい。お前が認めなくても俺はお前に惚れてるし、お前以外の誰ともセックスする気はねェ。」

カッ、とサンジの顔が紅潮する。

「ふざけるな!」

「ふざけてねェ。お前が好きだ。」

「聞きたくねェ!」

その時、がたん、と馬車が止まった。

ついた場所は墓地だった。

併走していたはずの他の馬車は見当たらない。

警戒しながらゾロとサンジが馬車から降りると、途端に地面の中からゾンビが這い出してきた。

それを目にも留まらぬ速さでなぎ倒すゾロとサンジ。

「素晴らしい! なんという息の合った攻撃!」

どうやってついてきたのか、いつの間にかブルックがすぐ傍で、またも惜しみない賞賛を送ってくる。

だが、サンジは限界にきたらしい。

「バカらしい! やってられっか! 俺ァ船に戻る!」

言うなり、手首に巻かれた腕輪を引きちぎり、地面に叩きつけた。

 

「あああっ! ダメです、そのブレスレットを外しては!!!」

 

ブルックが悲鳴を上げた瞬間、ゾロの目の前で、サンジの躰が、突如かくんと力を失って倒れ伏した。

 

 

 

 

* * * * * * * * *

 

 

 

ゾロはスリラーバーク内を闇雲に走り回っていた。

出てくるゾンビを片っ端から斬って斬って斬りまくる。

この夥しいゾンビ達の中から、ゾロは、『サンジ』を探さなければならなかった。

 

 

 

 

倒れたサンジを急いで抱き上げたゾロは、それが呼吸をしていない事に気がついてぎょっとした。

「てめェ、コックに何をした!?」

ブルックを振り向き、怒鳴る。

「わ、私は何もしておりません。当パークのペナルティなのでございます! パーク内でチケットブレスを外されてしまうと、ペナルティでお客様の“影”をお預かりする事になっております。」

「何だと!?」

「お預かりした影は、パーク内のゾンビ達のどれかに入っております。夜明けまでにあなたが恋人の影を見つける事ができなければ、恋人様はこのまま当パークのゾンビとして生きていただく事になります。」

 

 

そんなわけで、ゾロは今、パーク内を走り回っている。

話を聞いた時は、腹立ち紛れにブルックも叩っ斬ってやるつもりだったのだが、ブルックは身軽に、ひらりと逃げた上、

「影の抜けたお体は一足先に船にお返ししておきます。影を見つけないとお体は目覚めませんからねーっ! よろしくお願いしますヨホホホホホホホホホホホホホ!」

と、ドップラー効果をきかせながらサンジの躰を抱え走り去ってしまったので、残されたゾロは、とにかくサンジの影とやらを見つけるべく奔走する事にしたのだ。

去り際にブルックは、

「愛していれば必ず見つけられるはずです! 何故ならここは“愛”のテーマパークだから! 必ず最後に愛は勝つから!」

と言い残していった。

今のゾロはその言葉を信じるしかない。

ゾンビの躰に入ってるとはいえ、あのコックが、影だけだとしても、ゾロにほいほい斬られるとはとても思えない。

だからゾロに斬られたゾンビの中に『サンジ』はいない筈だ。

そう勝手なルールを設けて、ゾロはゾンビ達を斬り続けた。

森を抜け、城を駆け回り、中庭に出た時だった。

「ゾロ!?」

聞き覚えのある声に呼び止められた。

「…ナミ。」

ナミとロビンだった。

「何であんた一人なの? サンジ君は?」

「………あー…、てめェ、コックっぽいゾンビ見なかったか?」

「…何それ。」

しぶしぶ、ゾロは二人に事の顛末をかいつまんで話した。

「えええ!? このブレス外すとそんな事になっちゃうの?」

呆然とするナミとロビン。

「でもそれらしいゾンビなんて見なかったけれど…。」

「そうね。サンジ君っぽいゾンビってどんなのかわからないけど。」

「……そうか。」

それならもう用はないとばかりに、ゾロが二人から離れようとすると、不意に、どこからか軽快なステップが聞こえてきた。

「ん?」

ペッタン♪ ポッタン♪ ペッタン♪

見ると、愛らしいペンギンが三匹、後ろ向きで踊りながら近づいてくるところだった。

「あら可愛い…」

三匹はペッタンポッタンとステップを踏みながら、ゾロ達に近づくと、「番号〜〜〜!」と号令をかけた。

「1!」

「2!」

「あ…、3。」

と一匹ずつくるりと振り返り、それを見て、「可愛い、」と言いかけていたナミは、ぐっと言葉に詰まった。

振り向いたペンギン達の顔はつぎはぎだらけのゾンビで、お世辞にも可愛いとは言いがたい。

3番に至っては、姿かたちはペンギンなのに顔は明らかに犬だった。

しかもブルドック。

「コンニチワ!僕ら、」

「ペンギンゾンビコンビ!! あ、間違えた。」

「トリオ!! トリオだ。俺新入り。」

知るか、そんなメンバー状況! と突っ込みたくなるのを、ゾロはぐっとこらえる。

「そして君達の後ろにいるのが仲間の動物ゾンビ達!!」

ペンギン達のその言葉に、三人はぎょっとして振り返った。

「ようこそ、不思議な庭(ワンダーガーデン)へ!」

そこには異様な動物達が勢ぞろいしていた。

「いやああああああ!」

ナミが張り切って黄色い悲鳴を上げる。

ゾロが刀を構え、ロビンが静かに胸の前で腕を交差させる。

「ケチョンケチョンにしちゃうぞー!」

つぎはぎだらけのコアラもどきが、ナミに威嚇ポーズを取る。

その時だった。

そのコアラの体が、いきなり横殴りに吹っ飛んだ。

「!?」

その場の誰もが驚く。

ペンギントリオのうちの、あのブルドックの顔のついた奴が、コアラゾンビに強烈なキックをお見舞いしていた。

「おい、犬っぺ!! 仲間に何してやがる!?」

他のゾンビ達が慌てふためいて叫ぶ。

だが犬ペンギンは悠然としていた。

「うるせェ! レディを脅かすクソ野郎共! 俺がおろしてやる!」

 

 

見つけた、と、ゾロは思った。

 

 


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