ちびねこSS


 

◇ CAST ◇
ゾロ ..... 犬・3歳
サンジ ..... 猫・生後2ヶ月くらい?
ナミ ..... 猫・2歳
ルフィ ..... 小学一年生
シャンクス ..... パパ・27才・受
ベックマン ..... ママ・30才・攻

 

◇ 第五話 ◇

 

「ありゃ。このチビ、また犬小屋にいる。」

朝、新聞を取りに出たシャンクスは、犬小屋を覗き込んで独り言ちた。

寝そべる犬の懐の中にちんまい猫が収まって、ぴいぷう寝息を立てている。

ゾロはシャンクスの足音にすぐ気がついて目を開けたが、いつもならすぐ小屋から出てくるはずのゾロが、仔猫を慮ってか身動ぎ一つしない。

シャンクスがそれを見て面白そうな顔をする。

「あんだ、ゾロー。お前、童貞のくせに子持ちか。」

はははと笑う。

ゾロはシャンクスの軽口にも知らん振りだ。

だってこのチビネコは自分が守ってやらなくてはいけないのだ。

自分がいないとこいつは木から降りる事もできない。

それにこれが腹にくっついてると、一人で寝ているよりあったかくて気持ちいいのだ。

ゾロは、チビネコを起こさないよう気をつけて、姿勢を崩して横になった。

すると、チビネコは熟睡しているのににごにごと動いて、ちっちゃくてまるい頭で、ごいごいとゾロの腹を押してくる。

犬の腹は猫の腹と違って毛がない。

皮膚に直接、柔らかなうぶげがぐりぐりしてくるのはとてもくすぐったかったが、ゾロは我慢した。

その様子をシャンクスは優しい眼差しで見ている。

「お前がそんなに世話好きとは知らなかったなあ。」

いや、もしかしてあれか、種族を超えた愛か? 等と言いながら、シャンクスは去っていった。

 

それから小一時間ほどして、チビネコは目を覚ました。

くああっ、と大きな口を開けてあくびして、うーんと体を伸ばすと、それまで寄り添って寝ていたゾロの体にもう一度すりすりしてから、鉄砲玉のような勢いで犬小屋から飛び出していった。

「あ、おい…!」

すぐに母屋の玄関が開いて、ルフィが駆けてきた。

「おーい、チビチビー! 今日はいるかあー?」

大騒ぎしながら犬小屋を覗き込む。

「ちぇー、いないや。寝るとこ変えたのかな…。」

ルフィが口を尖らせる。

なるほど、これの気配を察して逃げたか、チビネコは。

本当にあの猫の人間嫌いは徹底している。

まあ、ルフィのこの勢いは、大概の動物ならみんなびびるのだけれど。

それにしても、今のルフィの様子からすると、シャンクスはチビネコがゾロと寝てることをルフィには言ってないらしい。

ゾロはそんな事に小首をかしげながら、のっそりと犬小屋から出て、ルフィにご飯と散歩の催促をした。

2007/12/26

 


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