第1回 明智光秀さん

「え〜、戦国武将コーナーです。まず第一回は明智光秀さんから。」

「どうも、トマトスパイスです。よろしくお願いします。」

「こちらこそよろしくトマトスパイスさん。」

「光秀さんといえばどうしても本能寺の印象が強いですね。」

「ええ。殿の暴走を止める為には仕方ありませんでした。後世にののしられようと後悔はしてません。」

「さすが光秀さんです。そういえば実はあの計画ちゃんと色々練ってあったみたいですね。」

「ええ。朝廷と組んでました。謀反の連歌会なんかもしましたし。」

「やはり、誤算は秀吉さんの中国大返しですか。」

「ええ、まさか3日で中国から戻ってくるとはね。あれで何もかも計算が狂いました。山崎の合戦に勝ち目がないことはすぐわかってしまいましたよ。」

「裏切りものってことで、どんどん秀吉に兵がついていきましたからね。」

「ええ。秀吉殿は私の想像以上の人物でした。」

「まぁ、そんなイメージばかりつきまとってしまう光秀さんですが、和歌なんかにもひろく通じてます。そう言えば濃(信長の妻)さんの親戚だというのは本当ですか?」

「トマトスパイスさん・・・少年サンデーのジパング見ましたね。あれは嘘です。道三様には仕えておりましたが。」

「やっぱりそうだったんですか。」

「マンガと言えば、少年マガジンの<信長>の私はかっこよすぎです。」

「光秀さんも色々ドラマになったり、小説になったりで忙しいですね。」

「まぁ、どれも本当の私には程遠いんですが。」

「その後は将軍家の方に?」

「ええそうです。それから1568年ごろから織田家との橋渡し役になったんです。」

「信長さんが上洛する頃ですね。あれから将軍家が信長さんを裏切りましたが、あなたとしてはかなり悩んだんじゃないですか?」

「ええ、どっちにもつけず宙ぶらりんの状態でした。ただ正直、義昭様の能力ではこれからの時代やっていけないと思いまして・・・。最終的には織田家につきました。」

「それから十年くらいで織田五大軍団長の一人になったんですよね。いや〜、浪人から大出世ですね。」

「秀吉殿には負けますがね。まぁ、確かに信長様には人の能力を見る目はすごかったです。」

「光秀さんの治世を伝える盆踊り歌が今もなお、丹波福知山で受け継がれてるそうです。」

「この不出来な私に・・・ありがたい事です。」

「で、光秀さんは本当に1582年に土民に殺されたんですか?なんか美濃で70歳まで生き延びただの、家康の腹心である天海の正体は光秀さんだのいろいろな説が流れてるんですか?」

「実は死んでいません。あれから浮浪者になって暮らしてたんですよ。秀吉殿としては私が死んだという話しが広まりさえすればよかったわけです。仮に私が名乗り出たところで、狂人ってことで殺されたでしょう。」

「で、浮浪者になった後は?」

「一生そのままでしたよ。しばらくしてから、故郷の美濃に行ってそのまま死にました。私の正体を知る農家の方が墓を立ててくれたんです。」

「なるほどそんなことがあったんですか。じゃ、今日はこのへんで失礼します。光秀さんありがとうございました。」

「こちらこそ、トマトスパイスさん。ありがとうございました。」


第2回 徳川家康さん


「どうも、戦国武将コーナー、第2回は徳川家康さんです。よろしくお願いします。」

「わしが徳川家康だ。こちらこそ、よろしく頼むぞ。」

「若いころは今川家の人質になったり織田家の人質になったりしてたようなんですが。」

「うむ、その通りだ。色々あったが、最終的には今川家の人質に落ち着いた。」

「ちょっと意外ですが、若いころは短気なところもあったというのは本当ですか?」

「わしも1573年に信玄に生涯一度の負けをきっするまでは、そんな気長な性格じゃなかったよ。あの戦いの後だよ、みんなの知るわしのイメージになったのは。」

「武田軍の恐怖のあまりに排泄物をちびったそうですね。」

「・・・おねしは、戦場の恐さを知らないから笑えるんじゃ。本当の強者ほど臆病物なのだ。」

「やっと大名として独立された直後にあの三河一向一揆があったんですよね。」

「家臣も大半が一揆に加わってしまったらな。勝ってもうれしくない戦いだったよ。」

「ところで、家康さんは<座りしままに食うが徳川。>と詠まれるほど、おいしいところを頂いた扱いされてちゃってますね。」

「まったく失礼な事だ。姉川の戦いで俺が織田に兵を分けてやらなったら完全に負けてたぞ。」

「そういえば、尾張兵って弱かったですよね。」

「土地が豊かで根性なしだからな。わが、三河兵はハングリー精神があって、強かったぞ。」

「姉川の戦いでは織田家は敵の二倍の兵力持ってたのにやられる一方だったんですよね。」

「小説なんかでは、よく信長さんとは仲良くなってるんですが、実際は最愛の息子の信康さんを殺すよう命令されたんですよね。」

「思いだしたくもないな・・・。あのわがままな妻はどうでもよかったんだが、信康だけはな。器量がよかったのが逆にあだになってしまったんじゃろ。」

「信長さんが死んだ後の事だったんですが、なぜ秀吉さんに従ったんですか?家康さんなら巻き返しも不可能じゃなかったと思うんですが?」

「安全策を取ったまでだ。状況次第ではいつでも裏切り、天下を狙うつもりだったよ。まあ実際、秀吉殿が死んだ後にはそうしたしな。」

「でも、秀吉さんが死ねまでは、かなり忠実な家来だったそうですか?」

「お互い立場があるので、表面上はな。裏ではもちろん火花が散ってたよ。」

「関ヶ原で刺客の手によって亡くなられたそうですが?」

「・・・それは影武者徳川家康の世界だけの話しじゃ。わしはちゃんとぴんぴん生きてたよ。」

「そうですか・・・でも、関ヶ原の後、明らかに熟女から、若い娘を好むようになったり思考が変化されたそうですが?」

「・・・歳取ると、若い娘にあこがれるんじゃ。」

「後継者にはなぜ、秀忠さんを選んだんですか?四男の松平忠吉さんは関ヶ原で手柄を上げ人気もあったそうですが?」

「一番、おとなしくわしに従う子だったからだ。やはり、あの時期はわしがしっかり地盤を固めなくてはいけなかった。」

「では、後継ぎは決めなくても良かったのでは?」

「わしは関ヶ原の時すでに59歳。トマトスパイス殿の生きてる時代と違って、いつ死んでもおかしくないからな。いざという時、後継者争いをさせない為だよ。」

「そう言えば、海外の事情にも明るかったですよね。」

「ウィリアム・アダムスに英語も教えてもらっていたよ。色々興味があったしな。」

「それなのに、キリスト教禁止例など、鎖国の第1歩を踏み出されたのは何故?」

「南蛮の国が、日本人をキリスト教徒にしたてて、日本を乗っ取るのが恐かったからだよ。一向一揆で宗教の恐さはよく知ってたからな。」

「そうですか。じゃ、今回はこの辺で。家康さんありがとうございました。」

「おお、では、未来の人達よ、さようならじゃ。」


第3回 石田三成さん


「戦国の武将コーナー第3回は石田三成さんです。よろしくお願いします。」

「トマトスパイス殿。こちらこそよろしくお頼み申す。」

「えー、まずは若い頃の話しですが、秀吉さんに登用された原因になったあのエピソードは本当ですか?」

「うむ、そうじゃ。トマトスパイス殿の時代では、後世の創作なんて言われてるがあの話しは本当じゃ。」

「のどが乾いた為、途中で立ち寄った寺で、茶を飲むことにした秀吉さん。住職さんにその茶を運ぶように命じられた三成さんは1杯目のお茶はねるく、二杯目のお茶は熱く入れたんですよね。」

「秀吉様はそれが、のどの乾きに応じて茶の量の熱さを変えた事にすぐ気付いてくれました。」

「水口4万石の当主だった頃、半分の2万石を島左近を登用するのにあげちゃったんですよね。太っ腹ですね。」

「(島)左近にはそのぐらいの価値はあったよ。関ヶ原の戦いになる前のあいつの家康への夜襲の進言を受け入れていればな。」

「三成さんは朝鮮出兵には反対だったんですね。」

「ええ。秀吉様を必死に止めようとしたのですが・・・。1593年には批判書も送ったのですが・・・結局はあなたがたも知っての通りの結果に。」

「朝鮮出兵のさいは自らも怪我をなされたそうで。」

「ええ、無傷で日和見してたなど言いがかりもはなはだしい。わしが朝鮮の事でどれほど頭を悩ませて追ったか。最前線の朝鮮でも戦ったと言うのに。」

「茶会の時、回し飲みをするそうですが、ハンセン病だった大谷吉継さんは、皆にそれを拒否されたそうですが、三成さんだけは喜んでそれに応じたそうですね。」

「まあ、正直、味方にするための打算もあったがな。でもそれは、後に真の友情になったよ。」

「本当に偉いと思います。三成さんはあの世で聞いてます?例のハンセン病患者に対する隔離施設の事件の事。」

「あの世でわしより大谷吉継の奴が一番泣いてるよ。まったく、われわれの時代よりさらに非人道的な扱いじゃ。」

「そう言えば三成さんがキリスト教の信者だったというのは本当ですか?妻も一人しか持ってないし。当時は側室持ってて普通でしょ?」

「うるさい!わしは家内を愛していたのじゃ。その証拠にほれ8人も子供を。秀吉様が禁止していたキリスト教には一切かかわっとらんわ!」

「本当ですか三成さん?ムキになるところが怪しいですな。友人の小西行長さんもキリシタンでしたし。」

「うっ、それは・・・。とにかく、わしがキリシタンだと言う事は断じてない。おねしもインターネットとか言う物には一切資料がなかったそうじゃないか。」

「くそ、痛い所を。ところで、秀吉さんの死後、仲の悪かった加藤清正さんを始めとする七将に命を狙われたとき、敵である家康さんのところに逃げ込むとは大胆不敵ですね。」

「ふっ、天下を乗っ取る事を狙っている家康としては、わしを助けて戦を起こらせねばならなかったからな。計算通りじゃ。」

「関ヶ原当時、家康さんは255万石の大名。それに対し、三成さんはわずか19万石。よくこれで立ち向かいましたね。」

「まあな。しかし関ヶ原決戦当日の布陣まではうまくいったんじゃが・・・。」

「三成さんの関ヶ原での布陣、小早川秀秋さんが裏切らなければまず勝てたそうです。明治18年に陸軍大学教官のクレメンス・メッケル少佐はこの布陣を見るなり西軍(三成側)の勝ちと言ったそうです。」

「しかし、実際にはわしの人望のなさから負けてしまったか・・・。」

「でも、関ヶ原では三成さんのために命を捨てて戦った家臣もけっこういるそうで。」

「そうだな・・・。あの関ヶ原で死んだ蒲生郷舎、大谷吉継、島左近などには本当に感謝しておる。」

「戦に敗れ捕らえられた後、湯を頼んだとき、それがないと言われ、変わりに干し柿をもらった時、これを食べるのを断ったそうで。」

「干柿・・・柿は痰の毒じゃ。大義を思うものは最後の最後まで自分の命を大切にするものじゃからな。」

「立派な最期だったと思います。では、今日はこの辺でお別れしましょう。」

「皆の衆、さらばじゃ。」


第4回 ルイス・フロイスさん


「こんばんわ。久しぶりですこのコーナ−。今日はルイス・フロイスさんです。」

「わたしは宣教師であって武将じゃないんじゃが・・・、どうせ貴方の事。戦国時代の性を中心に語れと言う事でしょう。」

「おおっ、ビンゴ。さすが30数年間日本に暮らしてただけあって、日本語もすばらしいですね。」

「まず、わたしが日本に来て驚いたのは、女の立場が非常に強い事。性風俗が乱れ果ててる事です。」

「えっ、戦国時代なのに、女性の立場が強いんですか?」

「その象徴は女性が表の世界にどんどん出てくると言う事です。例えばわたしの国では女性は文字を書かないが,日本では文字が書けない女性は価値が無いと言われてます。」

「そう言えば,そんな話しも聞いた事ありますな。」

「その上、妻の方から夫に離婚させる事もしばしばありました。まったく、ヨーロッパでは離婚した妻は名誉を失ってしまうと言うのに・・・。」

「えっ、そうだったんですか?」

「信じがたいじゃろ?極めつけは、夫と妻が別々に財産を持っている事。なんと、妻が夫に高金利で金を貸しつけることもあったからな。」

「へえ〜。今でもそこまで凄いのは中々聞きませんね。」

「あっ、離婚には、現在で言う離婚証明書が必要でな。男女双方に証明文なしに離婚すると重罪になったんです。賠償制度も平等に近く、けっこうしっかりてましたし。」

「えっ、離婚証明書!?そんな物まであったの?」

「他には日本では女性が高い食卓で、男性が低い食卓で食事をしてましたしね。ヨーロッパではこの時代、逆だったんです。」

「・・・あの時代、女性の方が弱いイメージがあったんですが、これは考えを改めなきゃいけないな。・・・それで、性風俗が乱れ果ててると言うのは?」

「わたしは日本の宗教の事を知ろうと尼寺に行った事があるんじゃが・・・。夜になったとき,男が女にかなりの額の金を払ったんです。」

「・・・まさか、お寺で?」

「正解・・・しかも1組や2組じゃなくて、その寺にいる若い女のほとんどが、男に金をもらって売春してたのを見てしまいました。それも、この寺だけでなく日本全国で同じ事を行なわれてました。」

「でも当時、避妊用具なんか、なかったんですよね。」

「その通りです。だから、子供が育てられないとすぐに降ろしてたみたいです。わたしの知ってる中では最高で20人降ろしたと言う女性も聞いてます。」

「20人?全て殺したんですか・・・?」

「もちろん、そう言う事です。まったく神に逆らうバカ者は、そこらにいるが・・・。ここまで凄いのは日本だけじゃ。」

「・・・それに比べれば、今の援助交際なんか、かわいいもんですね。他に日本に30年以上いて、印象的だったシーンはありますか?」

「子供の教育ですな。我々の国では、始めは読み事を習い、あとで書く事を学ぶんですが・・・日本はその反対で書く事を習ってから、読み事を学ぶのです。」

「今は日本も読む事から習うかな?今まで意識した事ありませんでしたが・・・。」

「あとは叱り方ですな。ヨーロッパでは普通ムチをうって息子を懲罰するんですが、日本ではそれはまれで、言葉によって叱るだけです。教育を坊主に受けてるのも驚きました。」

「・・・対罰は今、教育現場で問題になってますが、日本では昔から積極的にやってたわけじゃないんですね。おっと、そろそろ時間ですね。では、今日はこの辺で。」

「・・・トマト殿。ぜひ私を日記に出演させてくだされ。」

「わかりましたフロイスさん。では、またよろしくお願いします。」


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