復讐の神子
伍の章
ゲヒルンをゼ−レから奪うと決めたシンの行動は素早かった。
まずゼーレのスパイ共をハミエルに始末させ、
ゲヒルンの者等に真実を説いた。
彼等は快く従ってくれた。
次にネルフの総司令にゲンドウを副司令にユイと冬月を指名した。
技術部長にはユイの友人であり理解者である赤城ナオコを就任させた。
また、裏世界に関わる全ての者達と表世界の一部に声明を発表した。
その発表とは、
「俺の名はルシファー。碇家当主であると共にHell=And=Heavenの長である。
本日よりこの『ゲヒルン』は『NERV(ネルフ)』と名を変え、
我等の支配下にはいる。・・・・・・警告しておく。
いかな者であろうとも碇家及びネルフに手を出せば即座に殲滅する。
この!!『漆黒の神子・ルシファー』の名に賭けて!!!」
と言った物であった。
その後、メタトロンとその配下にネルフの警護をさせ、
ミカエルとその配下にゲンドウ、ユイ、冬月、ナオコの警護を任せ、
ガブリエルとその配下に各政府の高官や戦自の将軍等、裏世界の大物等に、
今の言葉を命令書と共に伝えさせた。
シンの命令は、表・裏問わずに確実に実行されるのだ。
それこそがシンが『漆黒の神子』と呼ばれる所以の一つである。
全ての対策を練り、ゲンドウ達に言う。
「お前達はこれより、『第壱使徒・アダム』の細胞より、初号機を。
『第弐使徒・リリス』の細胞より零号機を。その零号機を基礎に弐号機を造れ。
お前達職員は我等が護る。お前達はその持てる力を使いて、我が力となれ」
職員達に言い放った後、シンは漆黒の外套を翻し発令所を去った。
慌ててゲンドウ、ユイ、冬月、ナオコの四人が後を追う。
シンが向かった先は司令室だった。
其処には、黒髪の青年、ジンが待っていた。
「遅かったではありませんか我が真王よ。此方は万事整いましたぞ」
ジンが言う。
「そう言うな。何事も初めが肝心なのだ。
それより、アレは手に入ったか?」
シンは答える。
「はい。アレはすでに本部に運びました。
それと、『剣』と『書』の在処も判明いたしました。
・・・・・如何致しますか?」
シンを司令席に促しながら答えるジン。
ゲンドウ達は話に着いていけず立ちつくしている。
楽しそうに笑うジンに笑みを浮かべ、返すシン。
「どうせ、ドイツの『ゼーレ本部』だろう?
彼奴らにはアレは操れんが一応頂いてこい。報告は以上か?」
シンの問いに首を振るジン。
「はい。報告は以上ですが、貴方に一目置かせる者等を見たくなりましてね」
そう言うとゲンドウ達を見るジン。
ユイが言う。
「お兄ちゃん。この人は?」
笑うシン。
「此奴の名は神楽ジン。裏世界での名は『サタン』俺の左腕だ」
シンの言葉にゲンドウが驚く。
「『サタン』と言うと『真紅の魔王』の通り名を持ち、
一人でSASの一個師団を壊滅させた男ですね」
驚くジン。
「主。貴方が何故此奴に一目置くか分かったよ。
此奴は裏の情報を握っている。それも殆どトップシークレットばかりだ。
全く大した奴だよ。・・・・・・さすがは貴方の妹婿だな」
ジンの言葉にゲンドウが何か言おうとするがシンが先に口を開く。
「そうだろう。さすがはユイの婿だけはある。
・・・・・そうだ。ユイ、ナオコ・・お前達はキョウコを覚えているか?」
シンの言葉に首を傾げ答えるユイ。
「キョウコってもしかして惣流=キョウコ=ツェペリンの事?」
頷くシン。
「そうだ。お前達の友であり、
Hell=And=Heaven幹部『九大熾天使』が一人『ザドキエル』でもある」
驚く一同を見回し、言うシン。
「キョウコは優秀でな。夫婦揃って九大熾天使だ。
あれにも子供が出来たからそれを伝えておこうと思ってな。
・・・・そうそう。もうすぐ、キョウコもこっちに送る。
そうすればエヴァも早く完成するだろう?」
答えるユイ。
「お兄ちゃん。キョウコに『おめでとう』って伝えて。
それと、早くキョウコとその家族にも会いたいな」
ユイの言葉に笑いながら言うシン。
「さて、話はこれぐらいにしよう。ゲンドウ、ネルフのことは頼むぞ。
ジン、アレの力を確かめてみたい」
シンはそう言うと立ち上がり、歩き出す。
「お任せください」
ゲンドウの声を聞きながら、ジンを従えて悠然と歩くシン。
・・・・・誰がこの神に等しい男に戦いを挑むのか。
ソレは人外の者か、はたまた愚かな弱者か、今は誰にも分からない。
此処から運命が紡ぎ出された。
亜神の望み通りに、平和への道と共に。
後書き
どもレンです。
さてさて、今回はキョウコのお話の布石を出してみました。
次回にはキョウコも出てくる予定です。
それと、ゲヒルンの綴りも教えていただいたので、
近々改訂版を出せると思います。
ではまた次作でお会いしましょう。
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トマトのコメント
ひぇぇぇぇ〜、また掲載遅れました。ごめんなさい、レンさん。
うむ、いつも思うのだが、『復讐の神子』感想書くのが難しい…。
と言うわけで私に代わって(爆)レンさんに感想メールを!
ちゃんと書けよな感想…。
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