迷走天使  SIDE06

前のお話。

メリースたち一行は教会の裏にあった、過去の地下基地跡にきた。

そしてテトラがお尻を触られ、その触った少年によって“ネグリジェ”と呼ばれる少年の

下に案内されることになった。(ほぼ、強制だけど)

地下基地跡 最下層。

物をも言わせぬシンセの迫力によって、半ば強制的に“ネグリジェ”の所へと案内する

ハメになった少年はテトラの2、3歩前をどんどん進んでいく。

【少年の名は、マクレースと言うらしい。(←テトラ談)】

そのさらに後ろで、シンセがメリースたち一行を誘導しながら後を追う。

そうこうしながら進むこと二十分ほど。

マクレースがその足を止めた。…そのとき、テトラはたんこぶとかを約10数個ひっさげて

半分泣き混じりのような顔で翼をしまい、地に下りた。

……その、1分ぐらい後。シンセとメリースたちがやってきた。

それを確認した後、マクレースは側にあった小石を手にし、それを暗闇に向かって投げつける……と、石は闇に吸い込まれていく…かと思いきや。

“コツン”。何かに当たったような音。……すぐ後に。

【…いって〜〜!なにするだぎゃぁ!!……お前は…マクレース!!!】

番をしていたのだろうか、やけに威勢のいい少年がマクレースに向かい怒号を浴びせる。

マクレース『…うるさい!!お前が居眠りしてるから悪いんだろ!!……それより、

ここ開けろよ!!』怒鳴りつけるマクレース。

少年『へへへへへ〜〜!!残念でした〜〜!!…俺はお前なんか嫌いだからな〜〜!!

……意地でも、ここは開けてやんないぴょ〜〜ん。』半ばやけくそ気味の少年。

マクレース『(怒怒怒怒怒怒)…ぴょんは、やめろって!!……っていうか、開けろよ!!』

少年『はっはっはっはっはっ!!!…あ〜〜愉快。』

大笑いする少年の後ろから、一つ……影。

シンセ『…いいかげん、その笑いを止めていただけませんこと?(にこにこ)』

少年『……うにゃ??…………………どぉぉぉわわあああっっ!!!』

背中に現われた翼を携えた少女におののく少年。

シンセ『…驚くのは結構ですけれども、さっさとここを開けてほしいものですわね。

(にこにこ)』

少年『…へ、へっ!!誰が開けるかよ。』去勢を張る、少年。

そのちょい後。 どこから出したのか、巨大なバイオリンを右手に抱えた。

それを流石と言うべきか、メリースがいち早く確認し一行に勧告する。

メリース『…!?いかん! 皆、耳をふせろ!!』

今、直後。

――ぎ〜〜ご〜〜〜が〜〜〜〜。

………音が鳴り止んだ後、少年…と少し遅れたメイヤーが目を渦巻きにし倒れていた。

シンセのバイオリンにより、少年をぶっ倒した後、すぐに‘暗闇の壁’が開いた。

マクレース『…ったく!!何考えてんだ、ネグリェス!!』

ネグリェスと呼ばれた少年は、やたら悔しそうに地団駄を踏む。

ネグリェス『……ちっ!!…なんだよ〜〜!!なんで羽なんか生えてるんだよ〜〜!!

…反則じゃねーか!!』 やたらめったらと悔しがるネグリェスに対し、シンセは言い放つ。 『それは天使だから、反則でもなんでもありませんわ。悔しければ、あなたもなってみたら

いかがですか?(にこにこ)』と。 ……作者なら、泣く。

――数分過ぎて。

落ち着いたネグリェスを、メリースが追求していた。

−ここ一連の「ガラクタ紛失事件」や「家財紛失騒動」などの騒動(?)はネグリェスと

マクレースの二人によるものだと言うことが判明した。《どのような取調べが行われたかは

知る由は無く・・。》

 彼らは、グェンに「ネミエルが希少種族の猫だ」と言うことを聞き、ネミエルを守るための即席施設……いわば子供の遊び程度の地下基地を作ろう。そう思い、基地の場所にここを選んだ。もともとこの地下施設は、75歳以上の老人ならば誰でも知る所だったのである。彼らは老人にそれを聞き、その基地作りの材料として一般家庭の家財品、及びそこから出るガラクタを集める必要があったわけである。

――結果として「クレード家の人間に迷惑をかけた」と言うことで、本来ならば一応軽いながらも何らかの処罰を受ける必要があるのだが、被害者であるフェナの申し出により

何の罪も問われることが無かった。

ネグリェス・マクレース『…黙って、ゴミとかを持ち出して、ごめんなさい……』

しゅんとしてフェナとナンナに向き、頭を下げる二人。 そんな二人を見て、フェナ。

フェナ『まぁまぁ…ほら、頭を上げて…あのね、別に私は怒っているんじゃないの。

ネミエルちゃんを守るための基地…を作るためにガラクタや家財道具が必要だったなら

一言「これ、ください」っていってほしかっただけなの。』

あくまでも優しく、しかし強く諭すようにフェナは言う。

ネグリェス・マクレース『でも……………』

二人のおでこをナンナは人差し指でつつき、言う。

ナンナ『でも…じゃないでしょ。 ‘何かを守ろう’としていたんでしょう?素晴らしいことじゃないの? なんで、遠慮なんかしたの?』

ナンナの問いに、赤面するネグリェス。  それを見ぬふりするマクレース。

その二人を見て、フェナとシンセはあらかた感づいた様子だった。 一応、シンセが問う。

シンセ『…マクレースさん。………あなた、何か隠していらっしゃいませんか?

(にこにこ)』

……言っておきますけど、もはやマクレースにとってはシンセは「恐怖の人」なわけで。

マクレース『!?? …い・・いえ…………………………………………………はい……』

その返事を聞いてシンセは彼に「話して」と、目で合図した。それをうけ、マクレース。

マクレース『……ネグは…ネグリェスは……』 ネグリェス『!!??…ばか、やめろ!!』

――――2、3秒空いて、叫ぶようにマクレースは語った。

『………ナンナちゃんのことが………だいすきなんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!』

…この叫びに呆然とした人。……約、4名(仮)。……無表情な人。……一名。

フェナとシンセはあらかた予想通りだったらしく、特に乱した様子も無い。

 一番ひどいのは…ナンナと……ネグリェスだった。

フェナの家の前。

一行は、フェナの家の前にいた。

結果として、あの地下基地で告白まがいのことをして(されて)しまったネグリェスは

ナンナと付き合いたい、と言った。 ・・ナンナの方は嬉しかったのか、戸惑いつつも

笑顔で「うん。」と答えた。  シンセ万歳…ですな。ナンナ、ネグリェス。

メリース『……とすれば、今回の騒動は無かったよりもむしろ、あった方が良かった…と言うことか…』 半分うんざりしたような感覚で隣のフェナに言葉をかける。

フェナ『…ふふふっ。  そうかも、しれませんね。』 笑顔で返すフェナ。

…ふと、今やっと思い出した。 そんな顔をしてテトラが言う。

『…そう言えば……「家の夕食がきれいさっぱりなくなった事件」って、一体誰の仕業なん

ですか?』

その質問の直後、集まる視線に必死でネグリェスは言う。

『…俺じゃないよ!! 俺らがやったのは、ガラクタを持っていったことだけだよ!!』

必死で弁解する彼の目に、ひとつ。 まるで探していた‘何か’を見つけたかのように言う。

ネグリェス『…………あの人だ!!!!!!!!!!!!』 と。

…人は自分にやましいことがあると、その場から逃げるという…。

指を指された張本人………エルフの少女、つまりメイヤーは逃げるように逃走した。

……はずなのだが、足は比較的トロい方なのか…それとも、追ってきたメリースがいやに

速過ぎるのか…メイヤーは速攻で生け捕り(笑)にされてしまった。

生け捕りにしたメイヤーを、ひどく狂気混じりに問い詰めるメリース。

メリース『…メイヤー、……正直に言え。……クレード家の夕食を取ったのは…お前か?』

その迫力に押されながらも、白状した後の自分を想像すると、彼女はとっさにこう言っていた。

メイヤー『……な、な、な、何のことですか!!?? わわわわ、私は知らないですよぉ!!』

――それは、見たならすべての人はこう言うだろう「あやしい」と。

無論、それはメリースも同類なわけで。

メリース『……そうか、よーーーく分かった。……メイヤー……。貴様ぁ!!』

今に彼女の拳が自分に飛んできそうなことを悟ったメイヤーはこう言った。

メイヤー『…待ってくださいよ!!!お、おねーさま。 …証拠は、あ、あるんですか???

……え、ふ〜〜ん。無いんですか? 証拠も無いのに人を殴らないでくださいよ。 どうしても殴りたいなら、証拠を見せてくださいよ………くっくっく。』

――まるで悪代官である。 だが、不正はいつかほころぶものである。

シンセ『…証拠、とおっしゃいましたねメイヤーさん。…この「光学投影機」(つまり、カメラ)

の中に、あなたのここ数日の行動が‘すべて’詰まっていますわよ。

…クレード家の夕食を「おいしそう…誰もいないから、とっちゃえ!!」とかいって堂々と家に入って取って行った時の姿や、先刻パン屋のパンをこれもまた堂々と盗み食いしていた時にパン屋のオヤジさんに見つかった時の姿…つまりゴミ山に捨てられている前のあなたの姿を、一部始終とらえていますけれども?(にこにこ)』

………絶対、絶命。    そんな言葉が彼女の頭をよぎった。

その言葉をよぎらせた直後、鬼のような顔をしたメリースによって………

彼女は、もう少しで永遠のストーリーを紡ぐところであった。

一難去って。

まぁ、なんとか一連の事件を解決(?)したメリース・シンセ・テトラは王城に帰ることに

なった。 ……メイヤー嬢の処罰はメリースの半殺しの刑だけでは収まらなく、結果として

その処罰の全諸権利をシンセに任せると言うことで一区切りがついたらしく、メリースは不本意ながらも認めざるをえなかった。

かくして、城に帰ることとなった3人(+1人)をフェナたち4人は見送る。

ナンナ『…いっちゃうんですか??』

4人を見、淋しそうな声をあげる彼女を尻目にシンセは言う。

シンセ『……また、会えますわ。 …城に訪れた際は言ってください。

‘シンセ’に会いにきた……と。(にこにこ)』

笑顔…いつもと変わらぬ姿。  だが、明らかにいつもより‘嬉しい’笑顔。

それは、見ているものすべてを笑顔にするような、そんな笑顔。

だがその笑顔は、人を泣かせてしまうほど‘悲しい’笑顔。

そんな笑顔を見せられたナンナはつまりながらも言った。

ナンナ『…うん。‘さよなら’。 ……シンセさ…じゃないよね、…シンセ。』

その言葉を聞いた後、シンセはまるで答えがわかっていたかのように‘笑顔’で答える。

シンセ『………ええ、‘さよなら’…ナンナ。(にこにこ)』

―――その‘笑顔’で、別れは終わった。

結果として、その後クレード一家とグィナ達がどうなったのかはわからないが

あの事件より二ヶ月の後、一通の手紙が届いた。

−それは、写真だった。

一輪の花を手に持ち、愛しい人と共に笑っている。

ナンナ…だった。

今でも、その写真の画像はシンセの心に残っている……らしい。

 

(後書き)

一応これで、「迷走天使」は終了です。……結局、意味不明な内容になってしまった……。

すいません、もっと学習します。(あせ)一応、「読んでやったぞ」という皆様。

ありがとうございました。

 

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