★★★コース 

by 風 媒花

MasohKishin
〜the Lord of Elemental〜
+NOVEL+



 それはほんの些細な過失。

 ──ご主人様が、朝に好んで飲む紅茶の茶葉を間違えた。

 ただ、それだけのこと。

 そのご主人様が極端な低血圧で、午前中のご機嫌が極端に悪くさえなければ、 お茶を入れ替えるだけで済んだくらいのこと・・・。




「マサキ・・・これは、ニルギリではありませんね?」
「・・・え? あれ? 違う?」
「ええ、全然違いますよ」
「ンな事言ったってさ、お前、 この家にどのくらいの種類の茶ッ葉があると思ってるんだよ?」
「せいぜい20種ほどでしょう?  そんなに大声で喚き立てるほどの数ではありませんよ」
「あのな、ただの紅茶だぞ? それが20種類だぞ?  そんなの見分けがつくワケねぇだろ?」

 噛みつくような使用人の抗議に、主人──シュウの目は冷たく走る。
 ゆるりと手を挙げると、物音一つ立てない静かな所作で、こちらへ来るよう手招きする。
 愛らしいメイド服に身を包んだ使用人──マサキは、渋面のまま、その指示に従った。

「反省の色が全くありませんね・・・、マサキ・・・」
「え・・・? や、ちょっ・・・痛いっての!」

 手首を掴んで乱暴に引き寄せると、小さな身体は簡単に胸の中に倒れ込んでくる。

「何すんだよっ?!」
「お仕置きですよ」
「お・・・お仕置き・・・っ?!」
「何をそんなに驚いているんです?  失敗を犯した使用人に主が懲罰を加えるのは、ごく普通の行為だと思いますが?」
「失敗ったって、たかがお茶の葉間違えたくらいで・・・」
「『たかが』・・・? 貴方は私に使えることを何だと思っているんです?  そのように軽薄な心構えで、よくも私のメイドなどつとめようと思ったものですね」

 刺すような一瞥のあと、細い腰を引き摺りあげるようにして、自分の膝の上に座らせた。

「や・・・ちょっ・・・、なんてカッコさせ・・・っ」

 マサキは、強引にとらされた馬乗りの姿勢に狼狽え、羞恥に顔を伏せる。

 意志とは関係なく大胆に開かされた両脚。
 その柔らかい太腿に、ヒタリと貼り付く冷たい手。

「ちょっ・・・! おま・・・、どこ触って・・・っ!!」
「そんなに大袈裟な反応をされるほどいかがわしい場所には、 まだ触れていないと思いますが?」
「な・・・バ・・・バカやろっ! 下ろしやがれッ!」
「おやおや、随分とはしたない言葉遣いですね。 これは、調教も必要ですか?」
「ちょ・・・調・・・ッ?!」

 あまりに「ノーマル」からほど遠い嗜好じみた言葉を、事も無げに向けられ、 マサキは思わず硬直する。
 身をよじり腕を突っ張りして、何とか自分の膝の上から逃れようとしていた抵抗の中断を、 シュウが逃すはずはなかった。
 太腿を撫でていた手を、ぐい、とスカートの奥深くへと侵入させる。

「・・・・・・ッ!!!!」

 薄い下着ごしに双丘を掴まれる。
 その行為の衝撃性に、マサキは息を呑み、身を強ばらせた。
 驚愕と羞恥と、そして今まで経験したことのない不安に震える胸が、 思わずすがった主人の肩を強く握りしめさせる。

「いやだ・・・、シュウ・・・放し・・・」

 震える声を黙殺し、シュウはゆるゆると双丘を撫でる。

「太腿もなかなかのものでしたが、こちらも良い触り心地ですね。 柔らかく、しかし程よく引き締まっていて、形もいい・・・」
「─────────ッ!!」

 わざと口に出して寸評を与えると、耳まで赤くしてさし俯く。
 意地悪くその顔を覗き込むと、視線に気付いたのか、マサキは慌てて顔をそらした。
 しかし、膝に抱かれた状態では、完全に相手の視界から逃れることは不可能で・・・。

「可愛いですね。泣いているのですか?」

 長い睫毛を濡らしたまま、マサキは頑なに首を横に振る。
 シュウは、そっと目の前の細い顎を捕らえ、小さな顔を緩やかに自分に向けて仰がせた。

「・・・・・・貴方はいつもそうやって、強情な嘘ばかりつくのですね」

 最後の砦を守るように、堅く下ろした瞼をあげようとしないマサキに、宥めるように声を掛ける。

「マサキ・・・私を見て下さい」

 その優しさを含む声に促され、瞼をあげたマサキが見たのは、 どこか哀しげに自分を見る主人の眼差しだった。

「・・・・・・シュウ・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 見たことのないシュウの姿に、思わず不安の色をのせた問いかけがこぼれる。
 だが、風のない湖面のように静かで深い瞳は、ただ真っ直ぐにマサキを見つめるだけだった。

「何でそんな哀しそうな顔・・・・・・」

 それ以上の尋問を拒むように、シュウはマサキを胸の中に抱き締める。




 問われたとて、答える術はないのだ。
 答は、シュウ自らにも分からないのだから。

 目の前の少年を見るたびに、身体の奥が熱く疼く理由も。
 『たかが』という言葉を耳にしたときの、激しい苛立ちの理由も。
 自分を拒むように、涙に光る睫毛をあげようとしない姿がもたらした哀しみの理由も。




 その感情につけられた「愛おしい」という名前を見つけることが出来ないまま、 シュウは、顔を埋めた柔らかく艶やかな髪にそっと口づけた。




1996 (C)BANPRESTO/WINKY SOFT +index+ 2005 Presented by FU-ByKA




 なんて言うか微妙だね。
 白河さんの行動がどれもこれも唐突すぎて、ワケ分かんないよ・・・。
 HらしいHないし。お触りはHには入らないよね?



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