ラウラの詩
〜序・3/3〜
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頭の中が真っ白になって、一瞬意識がどこかへ飛んだ様な気がした。
気が付いたら、口の中が血の味でいっぱいになってた。
舌が痺れてる。
重たい感じのする液体が、喉の奥に流れ込んできて、息が詰まった。
あぁ、でも、このままでいれば、俺…。
ゆっくり眠れそう。
ほら、最近俺、全然寝てなかったし。
もうそろそろ、いい加減熟睡したいんだよな。
やっと楽になれる。
そう思ったのに…。
なのにまた、すぐ目が覚めた。
シュウがものすごく冷たい目をしていて、このまま殺されると思った。
本当に殺されたりはしなかったけど。
その代わり、俺は全てを取り上げられた。
勝手にサイバスターを降りるなんて、どれほど無責任かってことは分かってる。
ここにずっと閉じこめられて、誰にも会えなくなったら、
きっとすごく寂しくて辛いだろうってことも分かってる。
本当は、自分がこれからどうなっちまうのかを考えると、
不安で、怖くて、涙が止まらなかったけど。
でも、俺はそれを受け入れなきゃいけない。
でないとヤンロンの目を治してもらえないから。
ヤンロンは、俺がどんな無茶をしても、絶対に見守っていてくれた人だから。
絶対に見捨てないでいてくれた人だから。
だから、俺も、ヤンロンのために、俺が出来ることを全てしたいから。
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大切な人のために、折り、捨てた翼。
「必要のない時に笑う」ことの難しさ。
初めて、それを知った。
1996
(C)BANPRESTO
/WINKY SOFT
2006
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FU-ByKA
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