ラウラの詩
〜前編・4/7〜

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「…………?」
「ホワン=ヤンロンのプラーナです。 先ほどの手術の際に、そっと抜き取って結晶化させました」
「………な、…何に使う気…ッ!」
「心配しなくても、これをどうこうしたところで、 彼が生命の危険に晒されることはありませんよ。 これがあれば、彼の呪いが解けたかどうかを知ることが出来るんです」
「………!」
「もしも呪いが解ければ、この結晶は張力を失い、気に還るでしょう」

 呪術に詳しくない俺に確かめさせるために、わざわざこんなものを作ったんだろうか?

 ワケが分からなくて、思わずシュウの顔を見上げた。
 シュウは、多分不思議そうにしているだろう俺の顔を見て、満足げな笑みを浮かべた後、 珠を持つ俺の手首をつかんで、無理矢理押し当てた。

「………なっ!?」
「挿れてください」
「………ッ!」

 そんな…。
 ヤンロンのプラーナを、こんなところになんて…。

「出来ませんか?」

 そんなふうに、遠回しに脅されたら、もう俺に選択肢なんてなかった。
 おそるおそる自分で押し当てる。
 でも、そんなに簡単になんて思い切れない。

「マサキ」
「……待…ッ! 今…ッ!」

 強請るようなシュウの声に、慌てて手で押したけど、やっぱり身体が言うことをきいてくれない。
 少しだって入らないように、固く閉まっていた。
 こんなはしたないことをしてるのが俺自身なんだと思うと、涙が止まらなくて、 とてもじゃないけど、もうこれ以上、自分に無理なんかさせられなかった。

 なのに、のびてきたシュウの手が、押し当てている手を強引に押しつけて来る。

「……こうですよ」
「あ…ッ! あ…、いや…ッ!」

 それでもまだ俺が開けられずにいると、いきなり前を掴まれて、先端を刺激された。

「……やぁッ!!!」


 あ…と思った時にはもう、遅かった。


 俺の身体から力が抜けた隙に、赤い珠は、俺の一番イヤらしい部分へ、 つる、と全部滑り込んじまった。

 入り口の少し奥でとどまっていて、はっきりと感じられる異物感で、むずむずする。
 どうしたらいいか分からない感覚に襲われて、意志とは関係なく涙がボロボロこぼれた。

「彼のものだと言うだけで、そんなに身体が疼くのですか、マサキ?」
「……………………ッ!!」

 俺は必死で首を横に振った。

 俺とヤンロンは、そんなんじゃない!
 俺はヤンロンに、そんなコトして欲しいと思ってない!

「まぁ、いいでしょう。 敏感な貴方の身体…、楽しませてもらいますよ」




 楽しむ、といった言葉の通り、シュウは俺の身体を貪るように、溺れるように、 抱いてきた。

 身体中、触れられていないところがないくらいに、撫で回された。
 冷たくて大きな薄い掌と、生暖かい舌が、肌の上をすべるたびに、ぞくぞく寒気がする。

 ヤンロンのプラーナを受け入れてるところだけが、ドクドクと脈を打っているのが分かるほど熱い。

 冷たい指を差し込まれて、緊張で入り口が締まる。
 それに構わず更に差し込まれてくる指が、俺をこじ開けて、ヤンロンのプラーナに触れている。

「ここだけが熱いですね、マサキ。感じているんですか?」
「……………っ」

 熱さのせいで敏感になっている内壁を、シュウの指がこする。 擦られて、自分の中がぬかるんでいくのが分かった。

「ほら、もう、こんなに潤んでいますよ?」

 言葉にされて、恥ずかしさのあまり、脳裏が白くなりそうになる。

 望んでもいないのに、勝手に反応するなんて…。
 そんなに汚い身体なんだ、俺…。

「そろそろ、彼も目を覚ます頃ですね。 貴方のここもちょうどいい具合に解れてきました。マサキ…、挿れますよ?」
「……や…待…ッ、 ヤン…ロンのが…、まだ入って…」

 こんな状態で挿れられたら、ヤンロンのプラーナがものすごく奥に押し込まれちまう。
 でも、急いで取り出そうとして起こした身体を、シュウが押し伏せてきた。


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