ラウラの詩
〜前編・5/7〜

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「……シュウッ…!?」
「このままで良いでしょう。貴方もその方が感じるのではないですか?」
「や…………ッ!!」

 俺の言葉など聞きもせず、シュウは、俺に突き入れた。

「あ…ッ! あぁッ! …ああぁぁッ!!」

 一気に押し入ってきたシュウと、 シュウのせいで腹の奥まで押し込まれた、 溶かされてしまいそうなほどの熱をもつヤンロンのプラーナの両方に刺激されて、 気が付いた時には恥ずかしくなるくらい大きな声で叫んでいた。

 そんな俺に構うことなく根元まで収めたシュウは、すぐさま動き出した。
 シュウとヤンロンを間違えた時に見つけられちまった角度で、いきなりガンガン責められて、 俺の意識はあっという間に吹き飛びそうになる。

「……ッ…、ぁ…ぅ…ッ!」
「マサキ、私を呼んで下さい」
「……んッ…!!」
「さあ、マサキ…」
「……シュ…ウ…ッ!」
「もっと、呼んで下さい、マサキ」
「…は…ッ、ん…ッ、シュウ…ッ」
「マサキ、まだ……、もっと……」
「…シュ…ウ…ッ! は…あ…ぅ…ッ!  シュウ…ッ!」
「貴方にそうやって呼ばれる度に、私の心が満ちていくんです。 分かりますか、マサキ?」

 なりふり構わずに、シュウにしがみつきそうになる。
 理性を忘れて、おかしな声をあげそうになる。
 でも俺は、ホントはそんなことしたくない。
 したくないのに、シュウに無理矢理させられそうになってる。

 だから、俺はそれを、必死で堪えた。
 全身が石になってしまえばいいと、ずっと思いながら。


「他人の情事を凝視するなど、あまり品の良い行為とは思えませんが?」


 突然、落ちてきたシュウの冷たい声。
 でもそれが、俺に向かっていないことはすぐ分かった。

 そして、それは、ついに俺が一番望んでいなかった事態になってしまったってこと…。


 何の意味もないことは、分かってる。

 多分、もう見られた後だ。
 きっと、俺はすごくはしたない顔をしてただろう。
 今更遅いけど…、それでも俺は、ヤンロンの方から顔を背けずにいられなかった。


 あとはもう、胸が裂けそうなほどの辛さに耐えるのが精一杯だった。
 ヤンロンとシュウの口論みたいな声が、ものすごく遠くから聞こえる。
 気を抜いたら、バカみたいな大声で、子供みたいにみっともなくわーわー泣きそうだった。
 頭の中は真っ白で、何かを考えるなんて、とても無理だった。

 だから、動きを中断していたシュウが、いきなり突き上げてきた時の俺は、 ものすごく隙だらけだった。

「や……ッ! ぁうッ!」

 飛んでもない声を、ヤンロンに聞かれた。
 ヤンロンの目の前で、こんなイヤらしい声を出しちまった。

 自分のしてしまったことがショックで、恥ずかしくて…。

 どうして人間の心臓は、羞恥心で止まるように出来てないんだ…。

 今にも消えてしまいたい気持ちだった。
 なのに、そんな俺を更に追い詰めるように、突然すぐ側で、ヤンロンの怒鳴り声がした。

「そんな虚言に僕が乗るとでも思ったのかっ?!! キサマが無理矢理マサキを暴行したんだろう!!」

 心臓を鷲づかみにされた気分だった。

 こんなに近くにヤンロンがいるなんて。
 今の俺の顔を見られたら、きっと俺がもう、ヤンロンの知ってる俺じゃないことがバレちまう。

 「バレませんように」って何度も何度も心の中で真剣に祈りながら、俺は必死でシュウの陰に隠れた。
 なのにシュウがまた、俺の弱い場所を突き上げる。

「………………ッ!!!」

 さっきよりも飛んでもない声が出そうになった。
 咄嗟にシュウにしがみついて、声を耐える。
 シュウが俺の頭を抱えて、耳元で囁いた。

「マサキの意志ですよ。そうですね、マサキ?」

 あぁ…、そうだった。
 俺はヤンロンに別れを言わなきゃいけないんだ。
 そう約束させられてたんだ。


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