連邦制による地方主権の実現


ここからは数多くの自治体がそれぞれの都市圏を中心に広域合併し、まちづくりを強力に推進していくためには、その上層部の行政形態はどうあるべきかを考えていきます。そしてそれらがひとつの国としてまとまるためには、現在の中央政府はどのような行政組織になるべきかを考えていきます。

前セクションで新浜名市のまちづくりの施策案に触れ、公共交通システムという切り口から具体的な例としてLRTによる中心街活性化について提案してきました。しかし市が独自でこのようなインフラを整備しようとしても、現在の日本の行政形態ではほとんど不可能に近いのです。せっかく提案しても所詮絵に描いた餅でしかありません。なぜでしょう? それは住民にとって一番身近で生活と密接な関係があるはずである市に、全くといっていいほどまちづくりの裁量権が与えられていないからです。そしてその裁量権を握っているのが、地方の事情を全く理解していない中央省庁なのです。

いきなり話が飛躍するようですが、市が権限と責任をもってまちづくりを進めていくには、中央集権を打破して地方主権のシステムを構築して行かなければなりません。地方分権ではなく地方主権なのです。それぞれの市が自由裁量の財源を持ち、その地域に最適な法律(条例)を制定し、国や県にたよることなく自分が住む地域は自らの手でつくりあげていかなければなりません。

連邦制とは、まず地方主権の当事者である市(市民)があり、それらの共同体として極めて独立性の高い地方政府(アメリカ合衆国の州のようなもの)があり、さらに地方政府の連合体として国家(連邦)が形成されるという、真の地方自治の主旨にそった政治形態です。ページタイトルは連邦制となっていますが、道州制の一部も含まれます。相違点の詳細は後述しますが、以下「連邦制」に統一して表現します。


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