軌道布設方法に関して |
では次に、環状線の軌道を道路上のどこに布設するか考察してみます。軌道の布設方法として、まず道路の中央部に敷く方法と、道路の両脇すなわち歩道に接する形で敷く方法に分けることができます。さらに単線と複線の場合が考えられ、複線の場合、歩道に接する方式を採用するとどちらか一方の歩道に寄せる案も可能になります。それぞれの長所と短所を右に示します。 これらから評価すると、歩道に接する単線案(B案)がいちばん適していると思われます。その理由として、歩道から直接乗り降りできる点と、複線にくらべて建設コストが安いというメリットがあるからです。さらに1周が約4.5kmしかないので、全線一方通行でも支障はないと思います。平均速度を13km/hとすると、約20分で一周するので目的地が反対方向で5分の停車場だとしても、時間ロスは15 - 5 = 10分でおさまります。5分より短い逆方向の停車場へ行きたくて、なおかつ時間的余裕もないときは、おそらく徒歩を選択するでしょう。その程度の妥協はいたしかたないものです。単線式一方通行運行にすると、退避線も不要なのでさらに建設費のコストダウンになり、運行も非常にシンプルになるので運行管理システムも安くあがるというメリットがあります。 さてそうした場合、問題はどちらの方向に回すかです。結論から言うと、時計回りがよいと思います。つまり、浜松駅北口を出発して鍛冶町大通りを西へ向かい、鍛冶町交差点を北に曲がって北進し...、という回りかたです。その理由として、
などのメリットがあるからです。逆に、LRT専用の右折信号を設置する必要があるとか、環状線内の中心街へ行くのに軌道を布設した幹線道路を横断しなくてはならないというデメリットもあります。ここは地下道や陸橋ではなくて、ぜひ横断歩道を整備して欲しいと思います。 |
A案:通りの中央に単線軌道を布設 長所:道路幅への影響が少ない 建設費が安い 短所:道路を横断しないと乗降できない B案:通りの片側に単線軌道を布設 長所:道路幅への影響が少ない 建設費が安い 一方の歩道から直接乗降可能 短所:他方の歩道からは道路横断が必要 C案:通りの中央に複線軌道を布設 長所:運行間隔が短縮できる 短所:道路を横断しないと乗降できない 建設費が高い 道路または歩道を狭くする必要あり D案:通りの両側に複線軌道を布設 長所:運行間隔が短縮できる 歩道から直接乗降可能 短所:建設費が高い 道路または歩道を狭くする必要あり E案:通りの片側に複線軌道を布設 長所:運行間隔が短縮できる 歩道から直接乗降可能 短所:建設費が高い 道路または歩道を狭くする必要あり |