連邦政府とは


さて、前セクションのように各地域で州政府が誕生すると、現在のいわゆる中央政府はどのような形態となるべきでしょうか? 地域立国としての権限をすべて州政府が持っているとしても、これでは日本国としてのまとまりがなくなってしまいます。やはり世界の中のひとつの国家として取り組まなければならない仕事があります。例えば、通貨の発行・管理、金融政策、国防、外交業務、基本的な法律の制定、国家プロジェクトの推進などは、国家政策として行う必要があります。

このような業務は、州政府の連合体である連邦政府が行います。他にも州にまたがる業務や、州政府間の調整役もこなすことになりますが、それらの課題も州政府レベルで行えるまでブレークダウンされた後は、すべて州政府の権限で行うことになります。このように考えると、連邦政府は非常に小さな行政組織で十分であるといえます。

中央集権制(左)と連邦制(右)

上図は、現在の日本の政治形態である中央集権制と、いままで提唱してきた連邦制を図で表したものです。丸や四角の大きさは、それぞれの行政組織の大きさを表しています。矢印は命令指示系統です。こうして見ると中央集権制がいかに頭でっかちで、地域住民の意思が反映されない政治形態か一目瞭然でしょう。一方、連邦制は非常にバランスがよく、なおかつ地域住民の意思が十分に反映されたまちづくり(くにづくり)ができるシステムであることがよくわかると思います。


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