都道府県から州政府へ


前セクションでも述べたとおり、州は市の上層行政機関であるとともにひとつの独立した「地域国」としての権限と責任も持つことになります。もちろん行政に関するすべての権限と責任は市にあるのですが、基幹交通網の整備や、大学など高等教育機関の設置・運営など、ひとつの市ではまかないきれないより広域的な業務は、市が市の業務を州政府へ依託するというかたちで行われます。州政府は市の行政の監督を行う機関ではなく、まして中央政府の出先機関でもなく、あくまで市単独では行えない事業とか単独だと非効率的な業務を請け負うという組織です。このように考えると、州政府は現在の都道府県と全くことなる組織であることがわかります。

つまり州政府とは、

  • 自然環境、文化、産業など地域事情を考慮した、市より広域的な政府である。
  • 独立国なみの権限と責任を持っているが、市の共同体であり市の補完的な政府である。

と言えます。独立国なみの政府ということは、行政権だけでなく立法権や司法権も持っているということです。すなわち州政府議会で州法を制定し、州内の訴訟等は州の裁判所で裁くという権限を持っているということです。

このような州政府の構想に関する歴史は古く、いわゆる「道州制構想」は幾度となく提案されてはいますが実現には至っていません。

主な道州制構想案の歴史
1927年 田中義一内閣での行政審議会 1968年 松下幸之助
1955年 関西経済連合会 1969年 第13次地方制度調査会
1957年 第4次地方制度調査会 1970年 日本商工会議所
1963年 関西経済連合会
臨時行政調査会第2専門部会
1988年 日本青年会議所
八幡和朗

上記に挙げた構想案は、道州制構想という名前でひとくくりにされていますが、それぞれの内容はかなり異なるものです。特に古い構想案ほど、州は現在の都道府県を単純に広域化しただけという性格が強い内容となっています。このサイトでも最も重要視している「国家の権限を州に委譲する」という肝腎な内容を盛り込んだ構想案は、1968年松下幸之助の「廃県置州」と1988年の日本青年会議所は提案した「新道州制」くらいしかありません。しかしまさにそれが連邦制といえる画期的な構想案なのです。

では、日本に州政府が置かれるとしたらどのような区割りとなるか考察してみます。この区割り案も上記の数に相当するくらいのたくさんの案がありますが、だいたい全国を8ないし10の州に分けるというものが多いようです。区割りを行うにあたって留意すべきポイントとして、

  • それぞれの地域の住民の意思を最重要視しなければならない
  • 経済的自立がある程度できる範囲・規模でなければならない
  • 州間の格差はできるだけ少なくするよう配慮をすべきである

が挙げられると思います。3番目の格差平均化に関しては、それぞれの州が都市部や山村部をまんべんなく持ち、バランスのとれた行政区域とするのが望ましいということです。しかし、先も述べたように各地域の自然環境や文化、住民の意思の方が優先されることは言うまでもありません。

上記を考慮して州の区割りを想定してみると、以下のようになるでしょう。

北海道州 北海道
東北州 青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島
関東州 新潟、群馬、栃木、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨
中部州 石川、富山、福井、岐阜、長野、静岡、愛知、三重
近畿州 滋賀、奈良、和歌山、京都、大阪、兵庫
中四国州 鳥取、島根、岡山、広島、山口、香川、徳島、愛媛、高知
九州 福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島
沖縄州 沖縄

新潟を関東に入れるべきかは議論が分かれるかとは思いますが、関東甲信越の括りでこのような区割りが妥当かと思います。沖縄はもともと独立性の高い地域なのであえて九州に入れず、極端に規模は小さいですがひとつの州にしました。アメリカ合衆国のハワイ州みたいなものです。


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