全国都市圏人口規模


ここでは「都市圏」について考察してみます。都市圏というのは、全国の3,233区市町村について区域外への通勤・通学者数を調査し、10%以上が通っている都市があれば同一都市圏とみなし、通勤・通学先の都市をその中心市としたものです。以下に示すデータは、1995年の国勢調査結果を基に日経産業消費研究所が人口動態分析を行ったものであり、1999年9月16日の日本経済新聞に掲載されたものの抜粋です。

この調査が興味深いのは、都市の規模の大きさを単純に行政上の区分に基づく自治体ではなく、人口流動という視点からより実勢に近い都市の姿を見い出している点にあります。おそらく文化・経済圏や生活圏もこれらの都市圏とほぼ同等になると思われます。

以下に都市圏の人口規模トップ20を示します。この表での「浜松」は、構成市町村数が13となっており、人口91万人から推測するに、新浜名市(現9市町)に佐久間町、龍山村、天竜市、豊岡村をも加えた区域としていると思われます。このランキングからすると、「浜松」のトータル順位は15位ですが、現在の県庁所在地または政令指定都市を除くと1位になります。浜名湖を中心とした都市圏の規模がいかに大きいかがうかがえると思います。なお、東京と大阪に関しては、周辺の都市圏も巻き込んだ巨大都市圏となっています。

都市圏の人口規模ランキング
順位
都市圏名
構成市町村数
人口(千人)
1
東京
124
28,219
2
大阪
83
11,980
3
名古屋
59
5,164
4
神戸
10
2,686
5
京都
21
2,630
6
福岡
29
2,279
7
札幌
9
2,229
8
広島
19
1,539
9
仙台
23
1,528
10
北九州
17
1,488
順位
都市圏名
構成市町村数
人口(千人)
11
岡山
22
1,387
12
熊本
25
1,024
13
静岡
6
979
14
新潟
21
975
15
浜松
13
911
16
岐阜
21
899
17
宇都宮
17
882
18
姫路
16
835
19
金沢
20
779
20
水戸
18
733



東京および大阪の都市圏に含まれる周辺の副次都市圏を以下に示します。副次都市圏もその地区の都市圏を形成していますが、さらに東京や大阪の文化・経済圏に含まれます。
東京都市圏の副次都市圏
順位
都市圏名
人口(千人)
1
横浜
5,030
2
千葉
1,681
3
船橋
793
4
八王子
720
5
大宮
670
順位
都市圏名
人口(千人)
6
633
7
相模原
624
8
藤沢
582
9
浦和
535
10
川越
511
大阪都市圏の副次都市圏
順位
都市圏名
人口(千人)
1
1,306
2
東大阪
923
3
奈良
707
順位
都市圏名
人口(千人)
4
尼崎
677
5
豊中
657
6
枚方
548
東京都市圏の人口2,800万人は日本の全人口の20%を超え、単純計算でも5人にひとりが東京の都市圏に組み込まれる計算になります。東京の都市圏の規模とその吸引力にはすざましいものがあります。このような東京や大阪は別格としても、浜松都市圏すなわち新浜名市はこのデータからもわかるように、現在の県庁所在都市や政令指定都市と同等の規模を潜在的に有していると思います。