『傍迷惑な女達』番外編

王様と私



2つ上の兄と双子の弟は男の子同士で乱暴な遊びをするのが常だった。

付いていけない私はいつもおいてけぼりにされた。

だから一人でアパートの部屋で遊ぶのが常だったし、母が仕事を休みの日には傍にベッタリと付いていた。

そんな時、片づけものをしていた母の傍で見様見真似をしていると、一枚の写真に気付いた。

見れば、それは色とりどりの花をバックに一人の男の人が立っている写真だった。

「これ、だれ?」

母に尋ねると、母は驚いた様にその写真を見てから私を見て少し考え込んでいた。

そして、写真をじっと見て微笑んだ。

「これはね・・・お母さんの王子様の写真。いや、王様かな?」

母はクスクスと笑いだしてそう言った。

「王様なの?」

私は写真をまじまじと見つめた。

王様なのに冠を付けてないと思って。

「そう、いばりんぼの偏屈な王様。人に命令するのが得意でいつも怖い顔をして・・・いつも一人で」

母の声は朗らかだったものが次第に悲しそうなものに変わった。

そして、いきなりその写真をビリビリと破った。

私はビックリして思わず母に尋ねた。

「どうして?お母さんの王様なんでしょ?」

そんな私を母は優しく抱きしめてくれた。

「それはもう昔の事なの。今は和晴と靖治と静香が私の一番大切な王子様とお姫様だから」

私は母にそう言われて嬉しかった。

けれど、破られた写真の事を忘れる事は出来なかった。

私は捨てられた写真をこっそり拾い上げて誰にも見つからない様にしまった。

それが誰の写真なのか、しばらくして判った。

兄が母に父について尋ねた時、母は泣き出してしまい、兄は私達に父について母に尋ねてはいけないと言ったから。

私は兄と弟に写真の事を話そうとしたけれど、兄の言葉にそれを諦めた。

「オレ達に父さんはいらないだろ?」

そっか、いらないのか・・・せっかく見せてあげようと思ったのに。

私はいつも仲間外れにされる兄達に隠し事が出来たのがちょっぴり嬉しかった。


そして母が亡くなったあの日。

どこかに電話をした兄が病院に来た人に向かって父かと尋ねた時、私だけが違う事を知っていた。

けれど、私はそれを兄に伝える事は出来なかった。

私は何故か喋れなくなってしまっていたから。

それは長い事、気付かれなかった。

母の葬儀や父の家に引っ越したりと変化が多かったせいかもしれない。

兄や弟は自分の事だけで精一杯で、父の家の使用人達は母親を亡くしたばかりの気落ちした大人しい子供だと思っていたようだから。

気付かれたのは、保育園から新しい幼稚園に移って、先生に「お名前は言えるかな?」と聞かれた時だった。

元気に答える弟は答えない私を「静香は人見知りするから」と言ったけれど、そうじゃなかった。

先生は誰とも喋らない私に気付いて「病院に行くように」と使用人の人達に伝えたので、私は色々と検査をさせられる羽目になった。

「何も外的な要因が見られませんから、精神的なものでは」

お医者さんのその一言で私は病院から解放された。

兄や弟は気付かなかった事をすまないと謝ってくれたけど、それから兄達がいつも傍に居てくれても私は口を聞く事が出来なかった。

なにか、喉の奥に大きな塊が閊えているようで声が出せない。

どうしてなのか私にも判らない。

でも、兄達や使用人の人達は私に優しくしてくれて色々と口に出さなくても身の回りの世話をしてくれた。

その為か特にどうしても伝えたいと思う事がなかった私は喋れないままで過ごせた。

新しい父の家は広くて大きく、一人遊びに慣れている私が困る事はなかった。

そして、見つけたのは父の写真に写っていた花園だった。

正確にいえばそれは温室で、写真と同じバラの花がたくさん咲いていた。

そこは私のお気に入りの場所になり、何度も密かに一人で遊んだ。

そうしているうちに、母の遺骨は墓に入れられた。

母の遺体が焼かれている時もそうだったが、小さな白い陶器の箱が土の下に納められていく時、喉の奥がキュウっとなった。

どうしてだろう?

お母さんが死んでしまったのは解かる、お兄ちゃんがそう言ったから。

死んでしまった人はもう生きていないから笑ったり泣いたりする事が出来ない事も聞いた。

言われた事は解かる。

そうなんだろうと思う。

それなのにどうして、喉の奥に固まりがあったり、胸の奥が痛い様な気がするのは何故なんだろう?


そして、父が家に帰って来た。

長い事、外国に行っていた父は母が亡くなっても私達が引き取られても顔を見せなかった。

仕事だから、と西塔さんというおじさんが説明してくれた。

私は『王様のお仕事』は忙しいのだと解かっていたから兄達のようにガッカリはしなかった。

けれど、写真以外では初めて逢う父は私達を見てどう思うのか、何を言ってくれるのか、ドキドキしていた。

よく来たね待ってたよって言ってくれるのかな?

それとも、喋れない私を困った子だと思うかな?

私は弟と一緒に兄の背中に隠れて父を見た。

あ、写真と同じ怖い顔。

私は優しい言葉を掛けて貰える事は父の顔を見た瞬間に諦めた。

父は兄を弟と間違えて声を掛けた最初の一言以外、私にも弟にも話しかけたりはしなかった。

母から『いばりんぼで偏屈でいつも怖い顔』だと聞いていた私は、ちょっとガッカリしながらも何も期待はしていなかった。

けれど、兄は果敢にも父に話し掛けていた。

そして、私達を引き取ったのは『義務と責任があるから』だと言われて落ち込んでいた。

あんないい方をするから、いつも一人なんじゃないかな?

だって、お兄ちゃんは知らないのかもしれないけど、使用人の人達は私にいつも優しくしてくれる。

「静香様達に何かあったら私どもが旦那様に叱られますから」

それって、お父さんが私達の面倒をみる様に使用人の人達にちゃんと命令してくれてるからでしょう?

お兄ちゃんやノブは知らないのかな?

お父さんは帰って来てからすぐに私達と一緒に食事をしてくれたんだよ?

とっても忙しい王様なのに。

帰って来てからだって、出来るだけ一緒に食事をしてくれている。

忙しい時が多いから、いつもとは限らないけど。

お兄ちゃんはお父さんと初めて会ってから、お父さんとはあまり口を利かなくなっちゃったし、ノブは緊張して何も言わないし、私はこの通りだしでいつも静かな食卓になっちゃっているけど。

私の喉の奥には相変わらず大きな塊があって、喋れなかったけれど、温室での一人遊びは楽しみにしていた。

その日もこっそりと温室に忍び込むと、そこには人が居た。

いつもは誰もいないのに。

いつもの怖い顔をした父がいた。

怒られるかな?と思って引き返そうとしたけれど、

「静香か?」

と名前を呼ばれて立ち止まった。喋れないので頷いて答えると父は怖い顔をしたままこう言った。

「ここに入ってはいけないと言われなかったのか?」

私は首を振って否定した。

誰にも見つかった事がないから、何も言われた事はない。

「ここで遊んではいけない。二度と入らない様に」

そう父に怖い顔で言われて、私は慌てた。

大切な場所を取り上げられると思って。

「・・うさん」

私は自分でもビックリしたけれど、声が出た。

掠れたような小さな声だったけど、確かに声が出た。

この場所から追い出されたくないと思ったからだろうか?

もう一度、試してみる。

「お父さん!」

今度はお父さんにも聞こえる様にちゃんと声が出た。

「なんだ?」

怖い顔の父が答えた、私の問い掛けに。

私は何故か涙があふれてきて、ボロボロと泣きながら訴えた。

「お、お花を、お花を取った、取ったり、は・・・しな、しないから・・・こ、ここ、ここであ、あそ、遊ばせてくだ・・・ヒック・・・ください」

今まで、母が亡くなってから一度も出て来なかった涙が途切れがちな声と共に途切れることなく出て来た。

涙を拭い鼻を啜る私は俯いて父の顔を見られなかったが、父が私の目の前に来た事が足元の靴を見て知った。

「そんなにここが気に入ったのか?」

私はその言葉に涙と鼻水でグショグショになった顔を上げて頷いた。

そうして見上げた父の顔は何故かもうそんなに怖い顔をしていなかった。

「花に触っても駄目だ。棘があるから怪我をする。服を汚さないように出来るか?」

父の言葉に私はしゃくりあげながら頷いた。

「ならばいいだろう」

そう言われて私は声を上げて泣き出した。

ホッとして嬉しかったけれど、何故かとても泣きたくなったから。

「何故泣く?いつもそんなに泣くのか?」

呆れた様な父の言葉に私は必至で泣きながら首を振った。

私は泣き虫なんかじゃない。

そんな私を父は突然抱き上げた。

私は一瞬泣き止んだほどビックリした。

「軽いな・・・ちゃんと食べているのか?」

私を抱き上げた父はそう言った。

確か、兄にも同じ様な事を言っていたっけ。

「っく・・・軽くないもん。ご飯だって残さないもん。静香は幼稚園でも後ろの方だもん」

そう、兄だって同級生の中では小さくないし、ノブだって私だって真ん中よりは大きい。

「そうなのか?」

父の言葉に私は頷いた。

王様は子供についてあまりよく知らないらしい。

まだしゃくりあげる私の背中を父がポンポンと赤ん坊にするように叩いた。

私はそれに促されるように涙がまた溢れて来てしまった。

抱き上げられたまま揺すられても涙は止まらない。

「どうした?」

父に尋ねられても私は首を振るばかりで答えられなかった。

自分でもどうして涙が出てくるのか、どうして涙が止まらないのか判らなかったから。

でも、抱き上げてくれた腕は母より逞しくて、背中を擦る手も大きくて暖かかった。

そして、私は泣きながらポツリと溢した。

「あのね・・・ッヒクッ、お母さん死んじゃったの・・・」

今更な事を私は言った。

そんな事は私も父も知っている筈なのに。

「それが悲しいのか?」

「・・・わかんない」

母が亡くなった事が悲しいなら、葬儀の時に泣いていたはず。

「寂しいのか?」

父は尚も聞いてくる。

私の周りにはいつも人が居てくれるから寂しいのとも違うと思う。

けれど、私は抱き上げてくれている父の首にしがみついた。

「お母さん・・・もう抱っこしてくれない」

そうだ、母はもう二度と私を抱きしめたくれない。

それを口にした私は今更ながらにその事を自覚した。

あの優しい笑顔で柔らかい手でいい香りのする腕の中で私を抱きしめてはくれないのだと思うと涙が溢れて止まらなくなった。

私は父の服を涙と鼻水で濡らしながらも泣き止む事が出来なかった。

「死んだものは生き返らない」

父の言葉に私は頷いた。

そんな事は知っている。

だから悲しいのに、だから寂しいのに。

「お父さんは悲しくないの?」

お母さんに会えなくなって。

お母さんが死んじゃって。

私の質問に父は少し目を伏せてこう言った。

「もう何年も会っていなかったからな」

ずっと会っていなかったから平気なの?

「静香、お前は幾つになった?」

私の年を知らなかった事に少し憤慨しながら私は「ごさい」としゃくりあげながら伝えた。

「では、私より長く瑠璃と・・・お前の母親と一緒に居た事になるな。私がアレと一緒に居たのは3年・・・いや4年か?そのくらいだ」

私は父が何を言いたいのかよく解からずに泣きながら父の話の続きを待った。

「死んだ者は生きている人間の記憶の中で生き続ける。お前の中で母親は生き続けられだろう。お前が忘れなければ」

私は父の言葉を心の中で繰り返した。

死んでも生き続ける、私の記憶の中で・・・私が忘れなければ。

父の言葉は少し難しかったけれど、それはいい事のように思えた。

私の涙は次第に少なくなっていった。

「お父さんの中でもお母さんは生きているの?」

私が尋ねると父は困ったような顔をした。

「お前たちが生きて目の前に居るからな。特にお前はよく似ている」

私が母に似ているのは誰からもよく言われる言葉だった。

「じゃあ、私が居たらお父さんは寂しくない?」

大きくなったらきっと私はもっと母に似ると思う。

そうなれば父は母を思い出すのだろうか?

「どうかな?」

父はそう言って困った様に笑った。

私はその時、不覚にもドキッとしてしまった。

自分の父親にトキメクなんてどうかしている。

でも、父は母の王様なだけあって素敵な人なんだと納得した。

「静香、ずっとお父さんの傍に居てあげる。お母さんの代わりに」

私がそう言うと父は再び怖い顔をして私の決心を崩した。

「静香、誰も誰かの代わりになどなれないものだ」

私はその冷たい言葉にしゅんとしてしまったが、涙が出る事はなかった。

そして、次第にその言葉の意味を知る様になる。




喋れるようになった私に兄達も使用人たちも驚いていたが、理由を尋ねられても大泣きした事がバレるのが恥ずかしくて黙っていた。

私は密かに温室へと足を運び続け、時折父と話をする事が出来た。

父は母が話してくれた通りの『いばりんぼで偏屈な人に命令するのが得意な王様』だったけれど、私のお喋りを黙って聞いてくれていた。

そして時折、本当に時折、私に話し掛けてくれた。

「いつも一人で何をして遊んでいる?」

そう聞かれて私は得意気に答えた。

「あのね、お花の匂いを嗅いだり、お花の中に妖精さんが居るかどうか探すの。知ってる?お父さん。お花の中には妖精さんの赤ちゃんが居るんだって」

そんなファンタジーな話題も父は笑わずに聞いてくれた。

そして私は兄や弟の事も話した。

「あのね、お兄ちゃんは一生懸命勉強して偉い人になってお金を稼ぐんだって言ってる。ノブは『僕も偉い人になる』って言ってるけど、本当はお兄ちゃんほど頭がよくないんだよ」

そして、とても気になっている事を聞いた。

「あのね、お父さんは知ってる?私とノブは双子だけど、どっちかがお姉さんでお兄さんなんだよね?お母さんは内緒だって教えてくれなかったの」

私は自分がお姉さんだと信じていたけれどノブは自分こそがお兄ちゃんなんだと硬く主張して譲らない。

母は私達が喧嘩をするたびに答えをはぐらかして教えてはくれなかった。

「靖治よりお前の方が10分早く生まれたと聞いている」

お父さんはやっぱり私を喜ばせる事を言ってくれる。

「そっか、やっぱり私がお姉ちゃんなんだね」

そう言って笑う私を父は呆れたように見ていた。

「大して違わないだろう?靖治の方がお前より体が大きい」

「だからなの!乙女の拘りなの!」

微妙な乙女心を理解しない父に私は憤慨して見せた。

けれど、普段怖い顔の父はそれでも怒ったりはしなかった。

「あのね、私とお兄ちゃんはお母さんに似てるって言われるけど、ノブはお父さんにもお母さんにも似てないから『取り違えられた子だ』って言われちゃったんだって。ノブは私達とは本当の兄弟じゃないの?」

そう尋ねると意外な事実を教えてくれた。

「靖治は私の父親に似ているな」

「お父さんのお父さんが居るの?」

私はビックリしてそう聞いた。

お祖父ちゃんとかお祖母ちゃんとかには会った事も見た事もなかったから。

「もう亡くなっているがな」

そう言われてガッカリした。

けれど気落ちした私に父は祖父とやはりもう亡くなっているという祖母の写真を見せてくれた。

父と同じように怖い顔をした祖父は言われてみれば弟に似ていたし、祖母も厳しい顔をしていたけれど父に似ている様な気がした。

後で弟に兄には内緒でその写真を見せたらとても喜んでいた。やはり気にしていたらしい。

兄は父の話をすると怒り出すので、私が温室で父と会っている事を話した事がない。

その事を言うと父は別段気にした様子も見せずにこう言った。

「私は和晴に嫌われているからな」

原因を作ったのは父自身だと思うのに。

「初めて会った時にあんな事を言うからだと思う」

私がそう指摘すると怖い顔をしたまま答える。

「事実を言ったまでだ。嘘は言ってない」

本当に偏屈な王様だ。

素直になれない兄と父はよく似ている様な気がする。

間に居る立場の私としては仲良くなって欲しいけれど、父との二人だけの秘密の時間を邪魔されるのも惜しいと思っていた。

そうした大切な時間の中で、私は父がかつて結婚していた事やその人との間に私達には姉に当たる人が居る事や、どうして母と結婚しなかったのか、その理由について知る事になった。

父ははっきりと口にした事はなかったが、容易く推測できる事だった。

父にはずっと好きな人が居て、一緒になれなかったけれど忘れられないのだと言う事を知った時、私は少しショックだった。

母ではない人を父が好きな事よりも、父が未だにその人の事を思っている事がショックだった。

こうして私の不毛な初恋はあっけなく破れ去ってしまったのだった。

けれど、父との温室での密会は無くなる事はなく続いた。

そうしている内に、弟の見合い話が持ち上がった。

「どうしてカズ兄や私を差し置いてノブなの?」

普通、縁談って上から順番に来るものなのではないかと思ったので尋ねると

「和晴は検事を目指しているんだろう?それでは婿養子にはなれまい?あの家には娘しかいないし旧家だから跡取りが必要だ。それに静香は早く結婚したいのか?それなら話を用意してやる」

父は私が話した兄の希望する進路の事をちゃんと覚えていたようだった。

でも、弟の希望する進路についても話した筈なんだけど・・・無視されるとは哀れなノブ。

私は父に早く結婚したいのかと聞かれて首を振った。

「ううん、だって私はお父様とずっと一緒だって約束したでしょう?」

私は忘れていない。

小さい頃に、この寂しい王様の傍にずっといると誓った事を。

「バカな事を言っていないで、いつかは嫁に行け」

そう言って父は顔を背けたが、私は珍しく父が照れているのではないかと睨んでいる。

「そうね、誰かいい人が居たら・・・お婿さんを貰うのもいいわよね。そうしたらお父様の傍に居られるし」

兄も弟もこの家に残るつもりはないみたいだから私一人くらい父の傍に居ても構わないんじゃないかと思う。

「あ、でも、岳居さんがこの家に来るのなら私はお邪魔かしら?」

私は母の後に父の愛人になった人の名前を出した。

彼女は父の妻の座を未だに諦めていないらしいし。

「あの女には金を渡してある。それで十分だ」

冷たい事を仰る王様だ。

でも、私はその言葉に微笑んだ。

それは私が父の傍に居ても良いと言われた様な気がして。

「では、ずっとお傍におります。『王様』」

私の言葉に父は訝しげな顔をした。

「なんだそれは?」

私は笑って教えてあげた。

「昔、お母さんが言ってたの。お父様は『いばりんぼで偏屈な王様』だって」

父はそれを聞いて笑った。

「当たってるな」

いばりんぼで偏屈で孤独な王様、私があなたを一人にしないでいてあげる。

それが私の初恋がちょっと違った形でも叶えられるものだと思うから。

いつまでもずっと、こんな二人の時間が過ごせる事を祈っている。




































 

Postscript


親父救済策のお話は実は超特大ファザコンの静香ちゃんの視点で。

すみません、管理人は親父を贔屓しております。
バカで不器用な子供ほど可愛いものです。

静香は母親に対する父親の仕打ちに兄よりも寛大です。
それは父親を一人の男として見ている所為もわずかながらにあるのでしょうし、父親を一人にしたのが母親だと知っているからでもあります。
彼女が真実に一番近い場所に居るのです。

このシリーズは誰も彼もがそれぞれ勝手なフィルターを通して色々な相手を見ています。
相互理解不足ですが、人間関係とは得てしてそんなものです(冷酷)
実は何も知らない靖治が一番素直に人を見ているのかもしれません。

近親相姦ネタになるのかなぁ・・・と書いてて不安になりましたが、私は読むのが好きでも書くのは苦手で・・・結局書いてますが、精神的なコトだと思って許していただきたい。

さて、コレを読めばより一層他のシリーズものが楽しめる筈だと思っています。

親父のニュースソースは静香で、静香のニュースソースも親父です。
この二人の繋がりに気付かないカズ兄はちょっとお間抜けさんですが、静香を介して彼も色々と情報を手に入れています。

しかし、静香はカズ兄やノブの好きな人の事を親父に告げ口するほど無粋ではないのでした。
ある意味、とっても意地悪ですが。

「好きな人のコトぐらい自分で言ってよ」とは彼女のお言葉、ご尤もです。


2009.7.25up



 

 

 

 

 

 

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