Squall




俺はバタンと閉じるドアの音を聞いて頭を掻いた。

「まいったな」

二度とあの女を抱くつもりなんて無かったのに。

あの女やあいつ等に関わり合いになる必要はもうないってのに。

「まずい」

本当に拙いぞ。

あんな女にしか勃たないってどういう事だ?





そもそも3年前のあの時だって、あんな事をするつもりじゃなかったんだ。

あの時、酔っ払ってずぶ濡れのあの女を偶然見掛けて、家に帰そうとしてやったのに、あの女ときたら

「家に帰りたくない」

とかぬかしやがって、暴れ出すし。

風邪を引くし、仕方ないと近くのホテルに入って風呂に入れて着替えさせるとベソベソと泣き出す始末。

俺は自分の面倒見の良さに呆れたね。

酷く見っとも無い姿で「お父様、お父様」って泣き喚いて。

オマエはファザコンかよ。

あんまり父親が死んだ事を嘆くから、俺も腹が立って来た。

そりゃそうだろ?

俺はあの男が死んでくれて清々してたんだからな。

何しろ、母親があの男に執着したばっかりに俺の人生は滅茶苦茶にされたんだ。

実の父親でもない男の子供だと籍も入れずに認知だけされて、私生児だと蔑まれ。

他の愛人の子供である、この女や兄弟達に負けるなと勉強や習い事を強制され、比較され続けて。

実の父親が名乗り出て来なかったら、俺は一生こいつ等に拘ったまま生きて行く事になってただろう。

でも、この女はまだ俺が腹違いの弟だと思っている筈だし、ここでやっちまったらどうするだろう?

酷く貧相な身体つきだが、やってやれない事はないだろうと思って圧し掛かると、情けないくらいの弱い力で抵抗してきた。

チビでひ弱な癖にいっちょ前に抵抗なんてしてんじゃねぇよ。

だが、酔っ払っている癖に俺を睨みつける目の力強さは悪くない。

泣いて腫れた目に鼻を真っ赤にして鼻水垂らしている顔は滑稽でしかなかったが、俺に向けた憎しみの視線は結構その気にさせた。

最初は八つ当たりで乱暴にしてやろうかと思ったが、ちゃんと丁寧に愛撫して感じさせてやると可愛い声を出す。

俺は今までになく夢中になって、あの女の中にぶちまけた。

避妊なんてしてやらなかった。

初めてだったのには少し驚いたが。

あの女が困れば良いと思ったし、子供が出来たらそれも面白いと思ったから。

そして後始末もせずに、俺は一人でホテルを後にした。

何せ、次の日は月曜で、講義もあったが、朝まであの女と一緒にいてやる義理はない。

と言うより・・・朝まで一緒にいたら、どうなるか?

考えるのも嫌だった。





そして、あの遺言状が公開された日。

あの女は、いつものように平然と俺を無視した。

酔っていたから覚えてないのか?

それとも、あれは無かった事にするつもりなのか?

あの女は澄ました顔をして考えている事を隠すのが得意だからな。

遺産を放棄すると言った兄弟を思い留まらせる時は必死になってたが。

そんなに俺達親子に父親の遺産を分けるのが嫌か?

俺だってあんな男の遺産なんて欲しくはない。

自分に何も遺されていないと知った母親も、これでやっとあの男を諦めてくれるだろうし、俺としては願ったりの結末だ。

そう、これでやっとあいつ等から離れて平和に暮らせる。

そう思っていた。





ところが、その後、女を抱こうとすると、どうも上手くいかない。

あの女とやる前から、俺はそれなりにもてた。

当然だろう?

俺は将来性があって優秀な医大生だし、幼い頃からやらされていた剣道でそれなりに身体も出来てるし、顔だって悪くない。

誘いをかけなくても向こうから女は寄って来た。

その中から後腐れが無さそうなヤツを選んで適当に遊んでいればよかったのに。

あれから女とやろうとする度に、あの時のあの女の泣き腫らした不細工で見っとも無い顔が浮かんで萎える。

勘弁してくれよ。

やっとあいつ等の呪縛から抜け出せだと思ったのに。

何の呪いだ?



そりゃ、確かにあの女の普段の見てくれは悪くない。

俺のタイプじゃないが。

小柄で可愛くて、パッと見は男に人気があった。

だが、同じ私立の小学校に通っていた頃、学年が違う俺にまで響き渡っていたあの噂。

『波生静香は怒らせると怖い』

ニコニコと可愛い顔して笑っていても、怒らせるとその何倍もの仕返しが待っていると言う。

陰険で裏表が激しいって事だ。


母親に命じられて無理やり習わされていたバイオリンのコンクールでも、時折見かける度にニッコリ笑って他の出場者に「自信がありませんわ」などと言いつつ、ちゃっかり入賞していた。

勿論、俺はあの女以上の成績を常に要求されていたから、それに応えていてやったが。

すると、あの女はニコニコと薄ら寒い笑顔で

「まあ、杜也さん。素晴らしいですわね」

などとぬかしやがるから

「日頃の練習の賜ですよ」

嫌味っぽく返してやったが「ご立派ですわ」などと笑って、どこ吹く風だ。

次第に才能の限界を感じたのか、あの女は高校に上がるとバイオリンをやめてくれたおかげで、俺もやめる事が出来た。

あの女のバイオリンの音は正直、嫌いじゃなかったが。


それでも、年の差と言うものは如何ともしがたい。

あいつ等の長兄が国立大の法学部に入ったと聞けば母親が剥きになってその上を目指せと言うし、あの女は選りにも選って俺が目指していた医学部へと進学しやがった。

志望していた大学が違っていたのが幸いだったが。

中学3年の時に、実の父親が名乗り出てくれなかったら、俺はいつまでもあいつ等と比較されて跡を追い続けなくてはならなかった事だろう。

常にあいつ等の上をいくようにと。

初めは母親が煩かっただけだが、次第に俺の負けん気にも火が付いたし、泥沼になる所だった。



それにしたって・・・酷い話じゃないか?

何の因果で俺があの女じゃなきゃ駄目になるんだ?

一番厄介な女だぞ?

年上で、可愛い顔をしていてもそれを裏切る性格の悪さがあって、身体は貧弱だし、おまけに母親が惚れていた男の娘と来ている。

気にしなきゃいい、別に女を抱けなくても生きていけるさ。





そう思っていた矢先に、あの再会だ。

何で研修先の病院にあの女が居る?

それも小児科とは・・・笑えるね。

自分がチビだから小児科を選んだのかと思ったぜ。

案の定、子供にあの女の似非笑顔は通用しないらしく『魔女』と呼ばれてやがる。

何故、医者を志したのかは知らないが、向いていないんじゃないか?

患者が亡くなったくらいでピーピー泣く様じゃ。

相変わらず不細工な顔して泣くし。

ホント、見っとも無い。

臆面も無く、人にハンカチをねだったりする性格の悪さも相変わらずだし。

ただ、泣き腫らした目で睨んで来る力強さも変わってない。

あ〜あ、本当に馬鹿馬鹿しい。





歓迎会に欠席する研修医は馬鹿だ。

だが、俺は人前で飲むのが好きじゃない。

特に気が抜けない奴等の前で飲んでも楽しくも無いし。

『飲めない』事をそれとなく触れ回っておけば、大抵は許容して貰える。

医者は飲み会が好きだが、そんなに酒に強い奴はあまりいない。

しかし、あの女は強かった。

小さい身体でグビグビと強い酒を煽って平然としている。

あの時、あれだけ酔っ払っていたから弱いのかと思いきや、かなりイケるクチらしい。

気付けばあの女と、飲んでいない俺だけが潰れずに残っていた。

酔っ払いを片づけた後、あの女と二人っきりになった俺は確かめる事にした。

この女となら出来るのか?

誘いを掛ければ意外とあっさりついて来る。

何か企んでるのか?と思えば、俺を濡らして笑ってやがる。

ガキか?

もう三十路に近い癖に何やってんだ?

俺より年上だろ?

呆れるのを通り越して、可愛いとは・・・死んでも思いたくないが。

キスをしても目は閉じない。

色気のない女。

抱きかかえた体はチビだからか軽くて小さい。

3年前もそうだったが、あの時より軽いか?

ベッドに運んでも、俺に視線を合わせようとしない。

ただ終わるまでじっと我慢してるつもりか?

貧相な身体してる癖に、生意気なんだよ。

昔とは違う髪の色、これが地毛だって?

そーかい、そーかい。

アンタはハーフだったもんな。

それで少し吸いついただけでこんなに簡単に痕が付くのか?

あの時も面白がって一杯着けてやったが、今回もそれをなぞって着けまくってると、何だかおかしい。

その気になって来た?

ウソだろう?

こんなに貧弱な身体なのに?

胸も尻もペッタンコで色気の欠片も無い女に欲情するってどういう事だ?

指を入れてもキツイ。

あれからヤッてないのか?

処女と変わらないって・・・まあ、男が寄り付かないのも判るが。

全然濡れてないから痛がってるが、そんな事は構わずに突っ込む。

あ、ヤバイ・・・出ちまう。

・・・この女相手に出来ちまった自分に俺は呆然としてしまった。

中出しされても平然としてるようなこの女に。

きっと、ガキが出来ても平然とした顔で堕ろしちまうんだろうな。

ホント、魔女みたいな女。

でも、俺の首を絞めて来たコイツの顔は悪くない。

憎しみでギラついた眼をして、俺の喉仏を抑え込んだ表情にはゾクゾクさせられた。

俺達親子がアンタ達を憎んでるって?

当たり前だろ。

俺の母親を憎んでるって?

そりゃそうだろう、あれだけしつこく付き纏ってたんだから。

俺の母親は自分を正当化して何でもやってのける女だからな。

だけどな、俺だって自分の為なら手段なんて選んでられねぇんだぜ。

俺をその気にさせたオマエが悪いんだ。

再度、抱こうとするが、今度もマグロに徹して碌に動きゃしねぇ。

フン、それなら最初の時みたいに感じさせてやろうか?

歯を食いしばってたけど、声が漏れてるぜ。

今度は少し濡れたか?

それでもキツイ中の感触は悪くない。

また中に出してやろうとすると、ヘンな声を上げ始める。

流石に萎えた。

それでも、女と出来た事に些かショックを受けていた俺は、シャワーを浴びてさっさと出て行った女を黙って見送った。

ホント、どーしてくれるんだ?

この俺が、あんな女に・・・惚れてるのか?

認めたくないが、どーもそうらしい。

選りにも選ってあの女かよ。

俺はもっとこう・・・肉付きが良くて、言う事を素直に聞く様な女がイイと思ってたんだかな。

ガリガリで性格が悪そうな女に捕まるとは。

俺の人生はアイツ等から離れられないらしい。





次の日から俺はあの女に付き纏った。

『父の病院で一緒に働きましょう』とか『結婚を前提に』とかは少し吹いた話だが、満更悪くないとも思える。

大っぴらに口説けば牽制にもなるし、周りがあの女に色々と吹き込んでくれる。

だが、あの女は慣れているのか、素っ気ない。

長期戦は覚悟してるが、小児科での研修が終わると接点は少なくなるからそれまでに何か少しでも、と思っていたら、弁護士から知らせが来た。

俺達が返却すると言ったあの男の金をあいつ等は受け取らないと言う。

確かに今更な話だが。

これを切っ掛けに、と俺はあの女の家に出向いた。

この家には3年前、遺言状が発表された時に来たきりだが・・・随分と寂れていないか?

庭は荒れ放題だし、建物の壁も汚れている。

あの女が一人で住んでいる筈だが、管理が出来ていないじゃないか。

案の定、玄関払いをさせられる所を粘って入り込んだ。

お茶を用意しているあの女を大人しく待っているのも馬鹿らしいので、家の中を見て回っていると、家の中から温室らしきものへと続く扉があった。

へぇ、温室とはまた優雅な代物があるもんだ、と中に入ると、そこは家の外観からは想像も出来ないほど綺麗に管理されていた。

温度と湿度を調整されて、薔薇の花が植えられている。

ここの為に他の管理の手を抜いたのか?

俺を探しに来たあの女は、俺がここにいるのが気に入らないらしく、ピリピリとしている。

ふうん、それじゃここでやってやろうか?

最初は非力な抵抗をしていたが、歴然とした力の差に諦めたらしい。

まあ、確かにこんな場所じゃまともに出来やしないから、俺も服を脱がずに手っ取り早く舐めて濡らして入れてやった。

それにしても、ホントにこの女なら勃つんだよな。

腹が立つほどすぐに反応する。

大した前戯もしちゃいないのに。

少し慣れて来たこの女の中も程好く熟れて益々気持ちが良いし。

この女も感じてる様だ。

一度出した俺は、この女を抱き上げて部屋へと運んでやった。

運ばれている間は大人しくしていた。

いつもこうなら可愛げもあるのに。

そして見た部屋に俺は笑い出しそうになった。

すっげぇ少女趣味。

ピンクの部屋に天蓋付きのベッドとは。

まあ、このデカイ屋敷に似合いっちゃ似合いだが。

いい年してよくやるぜ。

女は幾つになってもこーゆーのが好きなんだな。

いつもこの女が寝ているであろう、このベッドでやってやる。

それもじっくりと前戯に時間を掛けて。

俺を欲しいと言わせて見せる。

裸にして舌を這わせれば、音を上げて来た。

言えよ、俺が欲しいって。

ところが、この女は意外と頑固だった。

声を洩らしながらも、じっと耐えている。

くそっ、こっちの我慢が限界になりそうだ。

女の背中に貼りついて、後ろから耳元で名前を呼んでやる。

耳とか脇とか胸とか、この女の弱い処は知ってるからな。

尻に俺の硬いモノを擦り付けて促す。

ホラ、これが欲しいって言ってみろよ。

しかし、やっと漏らした言葉にはちょっと不満が残る。

更にはっきりとした言葉を言わそうと促せば、あの女、俺の大事な息子をギュッと握り締めやがった。

この女・・・ふざけんなよ!

俺は女の身体をひっくり返してうつ伏せにしてからケツの孔を責め始めた。

案の定、女はうろたえたが止めてやるもんか。

絶対に言わせてやる。

だが、やっと吐いた言葉は色気のないシロモノだった。

チッしょうがねぇな。

こっちも限界に近いし、仕方ないか。

尻には指だけ残してガンガンと突いてやれば、大きな声を上げて果てちまった。

気ぃまで失ってやがる。

そんなに良かったのか?

まあ・・・俺も良かったけど。

女の小さい身体を抱き寄せる。

ホント、ちいせぇ身体。

もっと太った方が抱き心地が良さそうなのに。

それでも、俺が欲しいのはこの貧相な身体なんだよな。

困った事に。

取り敢えずは、この家に居座るか。

庭と外壁をあの金で何とかして。

家賃を払って使用人を増やしてやろう。

賃貸契約書をでっち上げて追い込めばいいか?

俺はそんな事を考えながら、小さな体を腕の中に抱きしめて眠った。





家に住みつく事は思っていたよりも上手く行った。

だが、研修が佳境に入って忙しく、あの女との時間が合わない。

これじゃ同居している意味が無い。

俺は小児科の先輩方に話をつけてあの女と当直を一緒にして貰った。

小児科に居るのもあと僅かだし。

病院で、なんてガッツいてる証拠みたいなもんだが、正直飢えてはいる。

どうしてなのか、考えると未だに腹立たしいが。

あの女じゃなきゃダメだと胸の奥で叫ぶ声は消えない。

それが証拠に、あの女が傍に居るだけだってのに勃っちまった。

当直中で待機中なのは百も承知だが、俺は猛った腰のモノをあの女の尻に押し付けて誘った。

嫌そうな素振りを見せてるが、この女だって・・・触ればしっかり濡れてる。

いつ急患が入るか判らない状況ってのもスリリングだが、家でゆっくりがいいな、やっぱり。

ケツを突き出して声を堪えてる姿もそそるが、ベッドの上で真っ裸に剥いてやりたい。

ガックリと肘を着いてイッた女の中にぶちまける。

長期戦で行くなら俺も避妊をするべきか?

今までナマでした事なんてこの女以外には無いんだが。

ナマだから気持ちイイのか?この女の中だから気持ちイイのか?

出来る、出来ない、って理由からすれば後者なんだろうが。





5月に入って俺は産婦人科に移動となった。

連休も休日など関係なく出勤となる。

それはあの女もご同様の様だが。

あの女は低用量ピルを飲み始めたらしい。

アフターピルは副作用が強いし、そう頻繁に使える物じゃないからな。

一緒に暮らしている俺に悟られるほどあの女はズボラな所がある。

家事も全く出来ないらしいし。

ま、それは俺もご同様だが。

看護師に低用量ピルによく似た偽薬を教えて貰った。

これをあの女が飲んでいる物とすり替えれば・・・今の時期じゃマズイが、何れは。





5月も半ばになった頃、あの女が珍しく家で酒を飲んでいた。

いや、家で飲まない訳じゃないらしいが、俺が見たのは初めてだった。

温室でバーボンをグビグビ呷っている。

些か乱暴な飲み方だ。

温室は空調管理が行き届いているが、雨が降ればガラスに当たる音が煩いのが唯一の欠点だ。

その日も雨が降っていた。

ああ、3年前のあの日と同じだな。

そう思い起こしながら、俺は女から半分以上減ったバーボンの瓶を取り上げた。

「飲み過ぎですよ」

幾ら強くても、その飲み方は頂けない。

「ほっといてろぉ」

ほら見ろ、既に呂律が回らなくなっているじゃねェか。

顔を赤くして目はトロンとしてる癖に、俺が取り上げたボトルに手を伸ばしやがる。

「身体を壊しますよ」

こんな無茶な飲み方をしてりゃな。

「りりろ、りょうはおろうはまのれいりちらんらから」

呂律はますます回らなくなってる。

れいりち?ああ、命日か。

今日は15日・・・まさかこの女、毎月毎月この調子なのか?

俺は正直呆れたね。

「もう、3年も経っているんですよ?」

いい加減にしろよ。

「まだ3れんよ!」

女はテーブルを両手でドンと叩いた。

「まら、3れんしからってらいろよ」

そしてテーブルに突っ伏してメソメソと泣き出す。

あの見っとも無い姿で。

「おろうはまとるっとりっしょにりるってりっらろり」

ズズッと鼻を啜り上げる。

ホント、不細工で見っともねぇ女。

おまけにファザコンだ。

始末に負えねぇ。

どうしてこんな女に惚れたんだ俺。

泣きながら眠りに就いた女を抱き上げて部屋へ運んだ。

薄茶色の柔らかい髪を撫でて、そっと呟いた。

「俺がずっと一緒に居てやるから泣くなよ」

あ〜あ、こんな事、寝ている間にとは言え、この女に言っちまうなんて。

俺も焼きが回ったな。







 






























 

Postscript


さて、一番悩んで遅れた原因の一つ、杜也視点のお話です。
このお話の冒頭は「魔女の涙」のラストですので、あれに繋げた方がいいのか悩みましたが、「魔女の家」の続きとして同時にアップしました。
杜也の本気の程を少しだけ隠した方が良いかな?と(酷)

杜也は静香以上に裏表のある人間です。
そりゃそーだ、あんな育ち方をしたらそーなるって。
母親に、和晴に勉強を、靖治に剣道を、静香にバイオリンを負けない様にとやらされればね。
子供の頃の年の差は大きいですから。
でも、後から学んだ方が(兄弟の下が)優秀になるのはよくあることです。

詳しく語っていませんが、杜也の剣道は彼が高一(靖治が高三)の時にインハイで優勝した後は、練習程度で止めてます(靖治との直接対決はありませんでした)
何故、剣道なのか?体格が違っても同じ土俵に立てる個人競技だから。
靖治が習い始めた切っ掛けは、虐めです(苦笑)

最初は和晴のように生まれた頃からの生い立ちについて語らせるか、と思っていたのですが、長くて杜也の本音が出しにくい。
チラチラと回想する形で出す事にしました。

本人は絶対に認めないでしょうが、小さい頃から静香の事を可愛いと思っていたのは事実でしょうし、彼女を表面だけで見ていた訳でもないのも事実。

しかし、惚れた切っ掛けがアレって・・・コメディに走るとそーなる・・・
いや、まあ・・・身体から始まる恋だから・・・ゆ、許して欲しいなぁ。

「魔女の家」に無いのはラストのシーンだけで、それ以外は前の話と重なっていますが、会話を全て省いて杜也の心情だけを表しました。
え?この時、こんな事考えていたの?あの喋り方で?
そーです、杜也と言う男はそーゆー男なのです。

酔っ払った静香の言葉ですが、これも判り辛いですよね。

「ほっといてよ」
「いいの、今日はお父様の命日なんだから」
「まだ3年よ!」
「まだ3年しか経っていないのよ」
「お父様とずっと一緒に居るって言ったのに」

なんですが、全然分かりませんよね(書いてて私も判らなくなった)


2009.8.26up



 

 

 

 

 

 

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