君が目覚めたら









ある日の午後。

塔矢アキラは、非常に困っていた。

(どうしよう・・・)

その原因は   
アキラの幼馴染みで、今日はの家で映画を観ることになっていた。
ところが、春の日の午後の陽気は、日当たりの良いの家のリビングでは心地よすぎて
は眠りに落ちてしまったのだ。

ただ眠っていたのならそれで良いのだが、
困ったことにはアキラに寄りかかってしまっていた。

アキラの心臓は、爆発寸前。

サラサラの髪
軽く閉じられた長いまつげの瞼
潤った唇
密かに感じる体温

まさかこんな近くで愛しい人のそれらを感じられるとは思っていなかった。

(・・・・・・起こしちゃうのも悪いかな・・・・・・
こんなに気持ちよさそうに眠ってるし・・・)

カーペットの敷いてある床に座り、ソファに寄りかかっている。
日当たりも良くて、自分も映画が終わるまでに何度か眠りそうになった。
でもそんな時にが寄りかかってきたため、アキラの意識はいきなり覚めたのだ。
もちろんもう映画は終わってしまった。
借りてきたビデオは自動的にデッキから出てしまった。

つまり、ずっと、動けないでいたのだ。

「・・・ん・・・・・・」

もぞ、とが動く。
シャンプーの甘い香りがした。
・・・心地良い。

(・・・こんな安心した顔して寝ちゃって・・・不用心だな・・・)

襲ってくださいと言わんばかりの可愛い寝顔。
だけどそんなことも気にせずに寝られるのは、一緒にいるのが自分だからか。
そうだとしたら、思うと、アキラは嬉しくて仕方なかった。

自分といる時、安心してくれている。
信じてくれている。

自然と笑みがこぼれた。

(・・・は、ボクのこと、好き?)

心の中で、そう問いかけた。
の様子をうかがってみる。

少し、笑顔が浮かんでいるようにも見えた。

(・・・自惚れてるかな。)

彼女はただいい夢を見ているだけかもしれない。
むしろ、その可能性の方が高いだろう。

でも、実際、いい関係だと思っている。
よくお互いの家へ遊びに行くし、男、女のことで喧嘩もしたりした。
一緒にいると楽しくて、ドキドキして。
解り合えている気がする。

(・・・やっぱり、自惚れてる。)

自分に対して、くすっと笑った。
そんな時・・・

「・・・・・・アキラくん・・・・・・・・・・・・・・・・大好き・・・・」

(!)

驚いた。
まさか、まさか、と思った。

「・・・・・・・・・・ほんと・・・・だよ・・・・・」

・・・寝言でもいい。
彼女の口から、自分の名前を呼んで、好きって言ってもらえるなんて。
これ以上の幸せはないと思った。

アキラは、自分の肩にもたれかかっているの顔を見て、
額に軽く、口づけた。



いつ起きるかわからない。



でも、きみのためなら、身体が痛いのも少しくらいは我慢しよう。



そして



きみが起きたら、伝えよう。





が、大好きだよ」









fine.

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スイマセン、なんか妙に短くて・・・
あんまりドリームっぽくない気がするんですけども。
やっぱりアキラくんはほのぼのじゃないと書けないみたいです。
そして最初の緊張していたアキラくんはどこへやら・・・
・・・さんのおかげで緊張が解けたと言うことにしておいてください。
・・・・・・寝ているだけのさんに翻弄される男、塔矢アキラ。(笑)

それでは、ここまで読んで下さってありがとうございました。

030404

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