みーーーーんみんみんみーーーーーーん・・・

季節は夏。
青春学園中等部のテニス部は猛暑の中今日も練習をしている。



眩暈




「あっつー。動くからよけい熱くなっちゃうよねー。」
「そうだね。」

水道の側でのんびり会話をしているのは菊丸英二と不二周助。
いまは休憩時間なのである。

「あ〜〜っ。」

英二は何かを見つけて叫んだ。
そして、駆け寄り、うしろから抱きつく。
すると、その行動を見た不二の表情が、ほんのわずかだけ歪んだように見えた。

ちゃんっ」
「ぅわぁっ!!!!」

英二が抱きついたのは
男子テニス部のマネージャーの2年生だ。
が驚いてバランスを崩し、
カゴいっぱいに入れて運んでいたテニスボールがいくつかこぼれる。

「き、菊丸先輩!おどかさないでくださいっ!!」
「ごめんごめん〜」
「もー・・・」

ぷぅ、とふくれてカゴを地面に置き、ボールを拾おうとする・・・
が、いつの間にか目の前に不二が立っていて、
その手にはさっきカゴの外に飛び出したボールが乗っていた。

「あ・・・。」
「はい、ちゃん。」
「ありがとうございます・・・。」

不二からボールを受け取り、カゴに乗せる。
すると、不二がそのカゴを持ち上げた。

「不二先輩!?」
「持ってあげるよ。君のその小さな体じゃ、持っていくの大変でしょ。」
「で、でも!先輩は休んで・・・」
「大丈夫。もう十分休んだから。
それより、君の方があんまり体調よくなさそうだけど。」
「えっ」

たしかに、今日はなんだか少し、体調がよくない気がしていた。
しかし、心配かけたくないと思い、こう言った。

「そんなことないですよー?元気元気!ホラホラ!」

わざと笑顔を作り、腕をぶんぶん振り回す。

「そう?それならいいんだけど・・・」
「も〜ちゃん、あんまり無理しちゃだめだよ〜?」
「だいじょぶです!体力には自身ありますからっ!」
「うん。でも、英二の言うとおりだから。
辛くなったらすぐ休むんだよ?」
「わかってますって!それじゃあ私はまだやるコトあるんで、
不二先輩、それ、部室にお願いしますね!」

そういうと、はコートの方に歩いていった。

「・・・・・・。」
「・・・・・・。」

の姿が見えなくなったら、菊丸が言った。

「・・・かわいいよなぁ〜ちゃん。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・不二?」
「・・・・・・・・・。」

不二は相変わらずの笑顔で、が歩いていった方を見つめていた。

「・・・・・・何で何も言わないんだよー。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」





- - - 不二先輩。

- - - 不二先輩。

- - - 私を見ても誰も体調悪そう、って言わなかったのに。

- - - どうして先輩は気付いたんですか。

「へー・・・それは・・・脈アリかもよ?」

男女テニス部の境のフェンスの女子テニス部側からそういったのは友達の
に背を向けるようにフェンスに寄りかかっているを指で突っついている。

「うーん・・・でもねぇ・・・・・・。」
「告っちゃいなよ。」
「えっ!!!!」
「いーカンジなんでしょ?」
「・・・そ、そーとは言ってないよ。」
「でも、の話し聞くとそんなカンジにしか聞こえないけどなぁ。」
「う・・・。」

はさっきまで読んでいた練習メニューの挟んであるバインダーを抱きしめた。

「・・・ちょっとはそう思ったよ。でもさ・・・。」

ちょうどその時、フェンスの外の女子生徒に話しかけられている不二が目に入った。

「・・・不二先輩だって、きっとあんな大人っぽいヒトの方がいいんだよ。
私なんか童顔だし、幼児体型だし・・・さっき先輩直々に体ちっちゃいって言われたし・・・」
「・・・たしかにね。」
「あっ!!なっちゃんひどい!!!」
「事実だもの。」
「ひ・・・ひど・・・・・・・
もー・・・いいの?練習行かなくてっ!」

ふてくされたようにに言う。

「んー・・・あと5分くらいあるから大丈夫。」
「・・・そ。」

その時。

「あ・れ・・・」

ふっと一瞬目の前が暗くなった。

「・・・大丈夫?ホントになんか顔青いけど。」
「だい・・・」

今度は完全に目の前が暗くなり、倒れ込んだ。

!?」

だんだんとの声が小さくなっていく。

「・・・!!」
「・・・・・!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」





- - - あれ・・・。

- - - ここは・・・。

- - - どこだろう・・・。

ゆっくり目を開くと、そこは見慣れない場所だった。

「あ。ごめん、起こしちゃった?」

視線を動かすと、がいた。

「ん・・・平気。」
「貧血だって先生が言ってたよ。」
「・・・ここどこ?」

寝ぼけ眼でに聞く。

「保健室。あんた、倒れたのよ。部活中に。
なんかね、暑い中働きすぎたから貧血起こしたんだって。」

ぼすっと手に持っていた制服と鞄をベッドの上に落とす

「部活終わったから持ってきたよ。」
「・・・ありがと。」

ゆっくりと体を起こす。

「・・・でもまさかが倒れるとは思ってなかったわ。」
「・・・私も。体力だけは自信あったのに。」
「不二先輩すごいね。カンじゃなかったんだねー。アレ。」
「・・・・・・なんかソレちょっとひどいよー・・・。」
「そう?ごめん。」

するとは、ぽんっと手を叩く。
そして、興奮しながらこう言った。

「そう!不二先輩と言えば!
先輩ね、あんたをここまで運んできてくれたんだよ。」
「・・・・・・・・・え?」

顔が真っ赤になる

「もー、不二先輩めちゃめちゃカッコよかったよ!
こう、ひょいっとあんたをお姫さまだっこしてさー。」
「・・・不二先輩が?」
「そうよ。真っ先に駆けつけたのが先輩だった。」
「・・・・・・。」
「・・・?」

- - - うれしい。

- - - うれしい。

- - - うれしすぎて、涙が出てきた。

「ど・・・どした??」
「・・・ふじせんぱいが・・・来てくれたんだね・・・」

が不二へ想いを寄せていることを思い出し、の頭をなでる。

「そっかそっかぁ。よかったねぇ、。」
「うん・・・うん・・・」
「もー・・・かわいいなぁ・・・あんたは。」
「・・・ん・・・ありがとう。なっちゃん。」

そのとき、保健室の扉が開く音がした。
不二がやってきたのだ。

ちゃん、具合は・・・
・・・あれ。どうしたの?大丈夫??」

少し慌ててに近づく不二。
はニヤリ、と笑い・・・

「んじゃ、。私帰るねー。お大事に!」
「へぇ!?」
「不二先輩、をよろしくお願いします。」
「ちょ、な・・・」

強引なについていけない

「うん。さんも気をつけて。」
「ありがとうございます。ではっ!」

からり・・・と扉を閉めて出ていってしまった。
・・・保健室に沈黙が走る。

- - - まって。

- - - ちょっとまって。

- - - もしかすると。

- - - てか、もしかしなくても。

- - - 不二先輩とふたりっきりだったりしますね!?

- - - ・・・。

- - - う、うそでしょ!?まってまって!!??

- - - ちょ、なんか顔がめちゃくちゃ熱いよ!?

- - - 絶対今、顔真っ赤だぁ〜〜〜

顔を真っ赤にして、あたふたしているを見て、不二がこう言った。

「大丈夫?ちゃん。
さっきまで青かったけど、今度は真っ赤だよ???」

ハッとする

「だ・・・」

- - - ・・・。

- - - でも・・・これって。

- - - チャンスだったりしない?

「・・・・・・」
「・・・ちゃん?」

真っ白な掛け布団をぎゅっと握り、うつむいたが口を開いた。

「・・・大丈夫じゃないです・・・」
「えっ・・・どこか痛いの・・・?」

慌ててさっきまでが座っていたのベッドの横のイスに座る不二。

「はい・・・。」
「え・・・。」

- - - あなたを見ると、眩暈を起こしそうです。

- - - 優しすぎて、かっこよすぎて、眩暈を起こしそうです。

自分の胸に手をやり、真っ直ぐ不二を見つめた。

「不二先輩が、好きです。」

真っ赤な顔をして、潤んだ瞳で見つめられ、不二の胸が躍る。

「私は、おっちょこちょいだし、童顔だし、背ーちっちゃいし・・・
不二先輩にはつりあわないけ・・・」

言い切る前に、を抱きしめる不二。
頭に手をかけられたので、の頭は不二の胸に押しつけられる。

「ふ、不二せんぱ・・・」

さらに強く、を抱きしめる。

「・・・そんなことないよ。」
「えっ・・・」
「・・・優しくて、明るくて・・・
こんなに小さな体で頑張っている君の方が、僕にはもったいないよ。」

その言葉を聞いて、顔を上げる。

「そんなことな・・・!」

そこには、不二の、優しい、笑顔があった。

「でも・・・そんな君に好きだ、と言われて・・・」
「・・・・・・」

ふっと目の前が暗くなったと思ったら、唇に暖かく、柔らかい感触があった。
・・・再び目の前が明るくなると、
今度はさっきよりももっと優しい、不二の笑顔が見えた。

「僕は幸せ者だね。」
「・・・えっ・・・・・・」
「・・・好きだよ、。」

- - - 先輩。

- - - 先輩。

- - - 私こそ、幸せ者です。

- - - みんなの憧れの的の不二先輩に。

- - - 大好きな不二先輩に。

- - - そんなこと言ってもらえるなんて・・・。

涙がぼろぼろ出てくる。

「だから。」
「・・・・・・?」

の涙を、指でふき取り・・・

「もう、無理はしないで。
君が倒れたら、僕も心配で倒れてしまうかもしれないしね。」
「・・・・・・。」

不二のセリフに体中の血液が顔に集まってくるのを感じた。

「・・・先輩・・・」
「ん?」
「・・・キザですね。」
「そうかな?」

くすっと笑いあうふたり。

「でも・・・」

そして、は不二の唇に軽く自分の唇をあてて、
照れながらこう言った。

「そんな先輩も大好きです!」

不二は少し驚いたが、やっぱり微笑んで・・・

「僕も、大好きだよ。」






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あわわわわわわわわわ・・・。
初不二さんだと言うのになんでしょう、この内容は・・・。
書くのはすっごい楽しかったんですよ。
そりゃもう、めっちゃくちゃ。
甘甘大スキっ娘。ですから!(ハ?)
でも・・・でも・・・
文才が・・・。
・・・誰か私に文才を恵んで下さい。(何)
・・・それでも、ココまで読んで下さった方、本当にありがとうございました。
次はもっとちゃんとしたの書けるように頑張ります。。。
み、見捨てないで下さいね?(ぇ。)

020405

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