クリスマスツリーの下で。









姉さんに付き合わされてきた買い物だったけど、来て良かったと思った。

あの子を 偶然見つけたから。





「あれっ?不二くんだ」

気付いてくれた。
それもそのはず。
気付いてくれる様に目の前を通ったんだから。

。」

気付いてなかった振りをしてみる。

彼女の名前は
僕ら男子テニス部のマネージャーで、クラスメイト。

「どうしたの?こんなとこで。」
「姉さんがクリスマスプレゼント買うっていってそれに付き合わされてるんだけど、
なんか友達に偶然会って話し込んじゃってて。
暇だったしこのツリーが目に入ったから見に来たんだ。」
「そうなんだ」

ちょっと長めのマフラーに、ちょっと大きめのパーカー。
チェックのロングスカート。
いつもは結っている綺麗な髪も、今日は下ろしてて。

普段の彼女とは何か違った。

大人っぽい。

は、こんなところで何してるの?」
「待ち合わせ!駅よりこのツリーの方がわかりやすいから。」

すると、ふとパーカーの袖から少しだけ出ているの指先が目に入った。
少し紫がかっていて・・・

「・・・何やってんの?」
「あっためてるの。」
「不二くんの手も冷たいけど。」
「それは僕の心があったかい証拠だよ。」
「・・・そうですか。」

僕がこういう発言をすると、はちょっと呆れた様に見てくる。
でも、そんなも可愛くて、どうしようもない。





ねえ



僕がこの手を握っても拒否しないのは



期待してもいいってことなのかな?



でも・・・





誰を待ってるのか気になる





「そいえば不二くんはクリスマス何欲しい?」
「・・・・・・どうして?」
「テニス部でクリスマスパーティやろうと思ってるの。
プレゼント交換とかもやったほうが楽しいでしょ?
だから・・・その時男の子が喜ぶようなものの方がいいかなぁって。」

こうやって、気を使ってくれる。
こんな気が利く君に、男が寄ってくるのは当たり前だけど、
独占欲の強い僕はそれが気に入らない。

「うーん・・・からもらえるなら何でも。」
「やーもうそんな恥ずかしいセリフやめてよー。」
「でも正直な気持ちだよ?・・・・・・ところで、誰を待ってるの?」
「・・・・・・・・・誰だろうね?」
「誰?」
「・・・・・・・・・・彼氏かもよ?」
「・・・・どのくらい、待ってるの?」
「2時間くらい。ずっと待ちぼうけ!」

そんなに待ってても、君は笑顔なんだね。
寒い中、ずっと待ってても・・・

それくらい、君が待っている人は君にとって大切なの?

「・・・は、やっぱり優しいね。」
「? 何をいきなり・・・」
「こんなに待たされて、寒いのに、まだ待ってる。」
「別に今日は暇だし、人見てると面白いよ?」
「そんな・・・時間にルーズなヤツには勿体ないよ。」
「え?」

さっきからずっと握ってても全然暖まらないの手を
繋いだままポケットに入れた。

は驚いてる。










「僕がの彼氏になるのはいけない?」










「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

真っ赤になる
いきなりこんな事を言ったから、混乱してるようだ。

「えっとそれは・・・」
「ちょっと言葉が難しすぎた?そっか・・・」
「そ、そんなことは・・・」

ごめんね。

君があまりにも可愛いから。







キスしてしまいました。















あとから聞いた話によるとが待ち合わせていたのは
女友達だったらしい。
は僕へのクリスマスプレゼントを買いに行く予定だったとか。

結局、の友達は来なくて、プレゼントを買いに行くことは出来なかったけど
は僕に最高のプレゼントをくれた




















僕の彼女になる っていう。






























fine.

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短っ。
めずらしく短くなりました。
とりあえず不二に手を握られる、と言うシチューションが書けて満足。
あとはノーコメントで。

021208

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