幼なじみでもある大好きな彼と明日のデートの約束をした電話を切った後、
ふと今切ったばかりのケータイを見ると、日付は8月もあと数日・・・。

「・・・・・・コレはやばいんじゃない?」










彼女の特権









暑い日射しの中、10分かけてやってきた日本庭園付きの豪邸は私の彼氏・加賀鉄男の自宅。
なんかヤツは不良だけどおぼっちゃま。
こんな広い家に住んでていいなぁ。本人は嫌がってるみたいだけど。
嫌がるくらいなら私と代わってほしいわ。

インターホンを押す。

まぁ・・・意味ないんだけど。
押したって入れっていう前に入っちゃうから。
幼なじみの特権ってヤツ?

普通に引き戸を開けて、普通に入り口まで向かうと鉄が出てきた。

「・・・またお前勝手に入りやがって・・・」
「いつものことじゃん!さ、お邪魔しまーす。」

有無を言わさず上がり込む。
あれ?
でも今日はなんか静か・・・?

「ねぇ、ご家族は?」
「ああ。出かけてる。」
「ふーん・・・」
「だからなんだよ。」
「・・・襲うなよ?」
「はぁ!?ばーか、誰がこんな色気のない女襲うかよ。」
「うわ、最悪。」

これが彼女に言う言葉ですか。
まぁ・・・期待はしてないけどさ。
それでも今日はちょっと意識して、いつもより大人っぽいカッコしてきたんだけどな。

「じゃあ、茶、持ってくから部屋入ってろ。」
「はーい、ありがとー。」

そう言うと鉄は台所へ、私はその先にある鉄の部屋へ向かった。





鉄の部屋はすっごい広くて、前に広さきいたら12畳!
すごいよ。私の部屋なんかそのサンブンノイチだしね。
クーラーが入ってたから窓やなんかは閉めてたけど、障子は開けてて、
そこから綺麗な日本庭園が見えた。

「・・・すごいなぁ・・・」
「なにが。」
「日本庭園だよ・・・って鉄!なんなのさ早いじゃん!」
「ああ。麦茶だし。そんな時間かかんねーよ。」
「あ、そう・・・」

そう言うと鉄は小さな折り畳み式の机に麦茶を乗せるとどかっ、と畳に座り込んだ。
あいかわらず偉そうだ・・・

「で、何で出かけるのをやめてウチに来たいなんて言ってきたんだよ。」
「そう!そうなの!!私もね、出かけたかったんだけど!!」
「も、って俺は別に・・・」
「出かけたかったんだけどー!」

でもよく考えると自分のせい。
・・・言ったら怒られるかな、と思って、でもホントに究極にやばかったから・・・ぽそっと言った。




「・・・宿題・・・・・・なんも手ぇつけてないの。」





鉄唖然。
そりゃそうよね・・・なんたってプリントが3教科でそれぞれあと30枚近くあるんだから・・・

・・・夏休み何してたんだよ・・・。」
「・・・あ、遊んでた。かな?」

ちょっと目を合わせるのが怖くて視線は天井に向けて言ってみた。
・・・それでも鉄が視界に入る。
・・・怒ってる。ていうか呆れてる。

「・・・・・・ホラ、早くプリント出せ。」
「え?」
「教えてやるから。」
「ホント!?」
「写させはしないけどな。」
「うん!いい、いい!手伝ってくれるだけでいいよ!!
やったー!!ありがとー鉄!もー大好き!」

怒られなかった。
教えてくれるって言ってくれた。
嬉しかった。
嬉しくて抱きつこうとしたら急に鉄が立ち上がった。
そして自分の机の上から、眼鏡を持ってきた。

「・・・あれ?鉄眼鏡してたの?」
「・・・・・・・・」

・・・あれれ?顔が赤いぞ、鉄男クン。

「なになに!?照れてんの!?」
「うるせェ!今コンタクトなくしてるからしょーがねーの!」

もう何年もずっと鉄と一緒にいたけど、目が悪いなんて知らなかった。
鉄ってさりげなくカッコ良いんだけど、眼鏡もまたカッコ良い。

「ふふふ・・・」
「・・・なんだよ・・・」
「鉄かわいい・・・」
「・・・ふざけんな。」
「でもカッコ良い。」
「・・・・なんなんだよ。」

いつも鉄にからかわれてるけど、たまにこうやって鉄をからかうことが出来るのはなんか嬉しい。
なんでもできちゃって弱点なさそうな鉄のちょっと弱いところを見れるから。





これは、彼女の特権?





「・・・早くやれ。時間ねーぞ。
あ。どうしてもわかんねーとこだけだぞ、教えんのは。あとは自分でやれ。」
「はーい。」

そういうと私は机を挟んで鉄の向かい側に座った。
そしてカバンから大量のプリントを出す。











「・・・・・・・・・お前なにしに学校行ってんだよ。」
「・・・いつもサボってる鉄に言われたくないもん・・・」

さすがにコレは自分でも驚いた。
私ってこんなにできなかったの・・・!?
鉄に教えてもらうばっかりで、なかなか次に進めない。

鉄の大事な休みを奪って丁寧に教えてもらってるのに、
全然理解出来ない。

頑張っても頑張っても、解けない。

お前なにしに学校行ってんだよ

さっきの鉄の言葉が胸に突き刺さる。

夏休み遊びすぎたのは反省してる。

でも学校ではちゃんと真面目に授業聞いてる。
それなのに出来ないの。
どうして・・・?

情けない・・・

・・・目の前が滲む。

「・・・・・・・・・・・」
「・・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・何泣いてんだよ・・・」
「・・・鉄にはわかんないよ・・・」
「は?」
「・・・鉄は・・・なんでも出来るからいいよね・・・授業サボったって出来るからいいよね・・・
私なんかどんなに頑張ってもこの結果。いくらやったってバカは治らな・んっ」

急に鉄が私の唇に自身の唇を押し当ててきた。
最初は浅かったのに、だんだん深く、深く・・・

「んぅっ・・・」

どんどん壁へと押されていく。
とんっ、と私の背中が壁に当たると鉄は唇を離した。

「・・・はぁ・・・っ・・・はぁ・・・・・・・・・・・・・はぁ・・・」

久しぶりに吸う真新しい酸素は、クーラーで冷えてひんやりしてた。

「悪い、言い過ぎた。」

鉄は私の頬を伝う涙を舌で救い取り、言った。

「・・・でも少ししかやってないのに諦めんな。
俺様が教えてやればすぐ頭良くなるぜ。」

無駄に自信過剰な鉄。
・・・でもこんなとこもスキ。

「自分で言うな、ばーか。」

そう言いつつも鉄に抱きついた。
鉄は、私の背中に腕を回して、きつく抱きしめてくれた。

「・・・少し、休むか?」
「うん。」

と、言ったのが間違いだった。

「よし。」

そういうと鉄は私の腰に腕を回して、首筋に口づけた。

「ちょ、なっ!なにして・・・ひゃっ!」

強く吸われて、紅い華が咲く。

「休憩。」

また、口付ける。

「ちょ・・・と・・・っあ・・・て・・・つっ!」

タンクトップの中に手を入れてくる。
・・・ちょっとは意識してたけど、まさかホントになるとは思ってなかった・・・

「うあっ・・・て・・ひゃっ!」










休憩





のはずだったのに、これじゃ余計疲れるじゃない。





でも。





こうやって勉強を直々に教えてもらえたり





こんな疲れる 休憩 が出来たりするのも





彼女の特権





かな?















fine.

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レナさんのリクエストで、加賀と勉強(微エロ)でした!
うわわわ・・・スイマセン・・・名前変換少なすぎますね・・・!!
でもなんかあんまり加賀人の名前を呼ばない気がするのですが・・・!
女の子に対してなんか特に・・・

てか変な話でスイマセンー;おまけにタイトルと中身が噛み合ってなくてスイマセンー;
実は私も現時点で宿題が終わっておりません。
しかも読書感想文。
・・・大変だー・・・;;;;

とりあえづポイントとしては頭良し+眼鏡加賀ですかね。
加賀は絶対頭良いし、眼鏡も似合います。
グラサンではなく眼鏡加賀・・・一度見てみたいですね・・・!
小畑先生・・・!描いて下さい・・・!(切実

それでは、ここまで読んで下さりどうもありがとうございました。
次回はもっと良い物を書ける様頑張ります。。。

020827

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