ワガママ 「もう私らも卒業だねー・・・。」 「そーだねぇ・・・。」 しみじみと言う、私と友達の。 「・・・、いいの?言わなくて。」 「へ!?」 「和谷くんに。」 和谷くん。 和谷義高くん。 私の好きなヒト。 いまどきめずらしく、高校には行かないらしい。 なんでも、囲碁のプロになるそうだ。 「うーん・・・。でも、私とは何も接点がないから、いいづらいもん。」 「だけど、高校に行くならまだしも、行かないんだよ? それこそ接点がなくなっちゃうじゃない。」 の言うことももっとも。 「・・・まず話しかけてみたら?」 「・・・・・・うん。」 そんな会話をしてから、もう一週間経ってしまった。 相変わらず、私は和谷くんに話しかけられずにいた。 いよいよ明日が卒業式、という日に私は日誌を届けに職員室に行っていた。 「あ、!」 「はい?」 「ちょうどよかった。このダンボール、教室に運んでおいてくれないか。」 「えっ。」 「悪いなー。先生ちょっとこのあとすぐに行かなきゃならん所があってなぁ。」 (ま、マジですか・・・。女の子にそんなこと頼まないで下さい・・・。) 唖然としている私。 すると・・・ 「失礼しまーす。」 和谷くんが、職員室に入ってきたのだ。 「あ、先生。ちょっと話が・・・。」 「おー、和谷。悪いな、ちょっと急ぎの用があって、いまちょっと無理なんだよ。 あしたじゃダメか??」 「あ・・・別に構いませんけど・・・」 「じゃあ、悪いがあしたな。 お!そうだちょうど良かった。このダンボール、と一緒に教室まで運んでくれるか。」 「え!!!???」 先生の爆弾発言(?)に思わず叫ぶ私。 和谷くんと先生は驚いて私を見る。 「・・・、嫌なのか?? さすがに女子ひとりに頼むのもわるいかなと思ってたんだが・・・。」 「えっ、えっ、でも、でも!!」 「いいよな、和谷。」 「はい。全然。」 「よし。じゃあ、そうしてくれ。 おっともう時間がないな・・・。じゃあ頼んだぞ、、和谷。」 「はい。」 「・・・・・・。」 先生は自分の鞄と上着を持って出ていった。 私と和谷くんは、しばらく黙る。 「・・・・・・じゃあ、行くか。」 「は、はいっ。」 「んー・・・」 和谷くんはふたつあるダンボールを交互に持ってみて、こう言った。 「はこっちな。」 「え・・・。でも・・・。」 「女の子に重い方を持たせるわけにはいかないだろっ。」 笑顔でそんなことを言われてしまい、自然と顔が熱くなった。 和谷くんは ほかの男子とは違う。 すごく やさしい・・・。 「・・・ありがとう。」 「・・・・・・・・・・・・。」 「・・・和谷くん?」 「あっ!いや、全然!」 「?」 その時は、和谷くんの顔が少し赤かったなんて、全く気付かなかった。 「よいしょ、っと。」 教卓の上にダンボールを置く私と和谷くん。 「全く先生も酷いよなぁ。生徒にこんなコトをやらせるなんて。 しかも、最初は女の子ひとりに向かって頼んでたんだぜ!? なんかおかしーよなぁ・・・。」 和谷くんが私のことをあまりにも女の子扱いをするので、どうしても照れてしまった。 「・・・・・・。」 「・・・?大丈夫か?」 「あっ!大丈夫っ。 あ!和谷くん、見て見て!夕陽がきれいだよ。」 和谷くんの顔が直視できなくて、話をそらす。 けど、それも失敗だった。 「・・・・・・!?どうしたんだよ!? 俺、なんか、まずいこと言ったか??ご、ごめんっ」 夕陽がきれいすぎて、和谷くんが優しすぎて、別れるのが悲しくて、寂しくて。 自然と目の前が霞んできてしまった。 「ちがうの・・・和谷くんのせいじゃない・・・」 「だけど・・・」 もう 我慢できないと 思った。 「・・・!?」 和谷くんに抱きついた。 「・・・私、和谷くんが好き。何よりも、誰よりも、好きです。」 「・・・・・・・・・・・・・・・。」 「・・・別れるなんて、嫌。」 「・・・・・・・・・・・・・・・。」 名前を呼ばれて、はっと我に返った。 自分のしたこと・言ったことが恥ずかしくて、和谷くんから離れようとした。 けど・・・ 「・・・がこんなワガママ言うなんて知らなかった。 いつも、ワガママ言わなさすぎだ。」 和谷くんは、私のカラダを抱きしめてきた。 「・・・・・・・・・・・・。」 「でも、そんなも、好きだ。」 その言葉を聞いて、閉じていた目を見開き、和谷くんを見上げた。 そこには、和谷くんの、最高の笑顔があって・・・。 「あー・・・悔しい。先に言われたー。」 「・・・ご、ごめんなさい・・・。」 「・・・いいや。 ・・・じゃ、は、なんで俺のこと好きなの?」 そんな質問されても恥ずかしくて答えられなかった。 その様子に気付いたのか和谷くんが・・・ 「・・・俺はねー・・・の優しいところとか、しっかりしてるところとか・・・ ・・・ごくたまにワガママ言うところとか!全部!」 めちゃくちゃ笑顔でそう言われて、うつむいてしまう。 和谷くんが、私のことを見ていてくれた。 そう思うと また、涙が出てきた。 「・・・和谷くん・・・もっとワガママいっても、いい?」 「全然オッケー。 は全然ワガママ言わないんだから、もっとばんばん言っちゃえよ!」 「・・・それじゃ、お言葉に甘えます。」 - - - - - 卒業しても、私と一緒に居てくれますか? -------------------------------------------------- なんか見事に和谷くんキャラ違っちゃってます。 話おかしいです。 ごめんなさい。(逃亡 20020403 * このままウィンドウを閉じて下さい * |