『夏』

                  夏

                四季の一つ

この世界で生きていくうちに一度は体験するであろうとても熱い季節だ。

 
だがここは違う。地球ではない。

 ここは『エクスペル』

地球とはかけ離れた場所にあるにもかかわらず、季節・気候・食べ物などは地球に物凄く酷似している。

「う〜あついよ〜〜」

だらしなく地べたに寝っ転がる。

「プリシス!だらしないよ・・・っていうけど、本当に暑いね」

 隣に腰掛けている青年・アシュトンもだらける。

「ギャフフン♪」「ギャ・・・フ・・・ン」

 元気よくリズムに乗っているのがギョロ。アシュトン同様ぐったりしているのがウルルンだ。

元々この二匹。属性が違うためか逆の立場に全く弱い。

ギョロなら寒さに弱いし、ウルルンは熱に弱いと困りものだ。

 しかしながらこれが戦闘ともなると力強いのだからなんともはや・・・。

「だって、こんな暑いのなんて珍しくない?異常気象だよ」

 未だにごろごろしている少女・プリシスの言うことは正しい。

 今回の暑さは尋常ではなかった。いつも以上に暑い。水も所々で断水状態となり、

完全に干上がるかどうかの瀬戸際な部分だった。

「ね〜アシュトン。この暑さ何とかならないの?」

「そんなこと僕に言われても・・・そうだ!ウルルン。コールドブレス出せるかい?」

「・・・・・・」

「あれ?だめだ。完全にダウンしちゃってるよ」

 ウルルンはアシュトンの身体に寄りかかるように完全にダウンしていた。

「そうだ、アシュトン。あそこいこ♪あそこ」

「え?ちょっと、何処行くのプリシス!」

 そういうと猛然と走り出すプリシスを必死に追いかけていった。

「ここだよ♪ここ♪」

「ここって・・・」

 そう。ここは街の中心部にある噴水広場だった。まだここの噴水は止まっていないらしく、

威勢良く水を噴出していた。

「ほら。水が近くにあってさっきより気持ちいいよ♪」

 噴水の淵に腰をかけ、手を水の中へと遊ばせる。

「本当だ。ここならさっきよりかは涼しいかもね」

 気持ち的な問題もあるかもしれないが、流石に水辺ということもあり先ほどよりかは

全然涼しく感じられた。

「ほらっ!」

 プリシスが手ですくった水をアシュトンにかける。

「うわっ!な、何するんだよプリシス」

「気持ちいいでしょ?ほらっ!」

 バシャバシャと水をかけるプリシスにアシュトンも何とか応戦を始める。

「それだったらプリシスにもやってあげるよ!えいっ!」

 暫くの間二人はそうやって水を掛け合っていた。

 この暑さも忘れて・・・

 
気づいた時にはもう遅かった。

「うへぇ・・・びしょびしょ・・・」

「しょうがないよ。ずっと水を掛け合ってたんだもの」

「けど楽しかったね♪」

「そうだね」

 そういってびしょぬれな二人は手を繋いで元来た道を帰っていった。

 


あとがき

とまぁこんな感じでどうでしょう?
旅の途中。アシュトンとプリシスは街を散歩に出かけたけど、あまりの暑さのためダウンしてしまう。
そこでプリシスが・・・っていうストーリー仕立てにしてみました♪まぁ見たまんまですね(爆)
暑い時はこんな事をしてみたいものです(笑)


ゆりぺんのコメント

わぁ〜、めっちゃ微笑ましい小説ですねvv なんだか顔がにやけちゃってます。むふふ〜。
水のかけあいっこ…プリシスのはしゃぐ笑顔とアシュトンの優しい微笑みが頭に浮かんでくるーー!
いいですね、いいですよ、Arefu−Mさん!なんだか本当この小説はいろいろ情景が想像できますね。
遊んだ後に手をつないで帰るっていうのもポイントですね。いいなぁ、いいよぉ〜。
私も若いころは…。え?誰とって?…兄貴とだよっ、はぁ。しかも小学生のとき?しくしく。
今回も本当有難うございました。楽しめました。

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