螺旋

その日。プリシスは夢を見た・・・

「いっくよ〜♪パラボラビーム!」

プリシスは威勢良く技を発動し、敵に攻撃を始める。

その攻撃に対して難なく倒れる敵。

「らっくしょうジャン♪」

自信満々に勝利のポーズを決めるプリシス。

しかし・・・

「ウォゴォアアァァァァ!」

倒したはずの敵がもう一度立ち上がった。

「およ?しつこいなぁ、そういう奴嫌いだよ!」

そういいプリシスは再度臨戦態勢をとる。

「今度こそ!ロケットぱぁ〜んち!」

「ゴワァァ!」

次も綺麗に敵のど真ん中に的中する。

「ふん!あたしになんか勝てないもんね」

爆煙に包まれ、もう倒したと確証するプリシスは予想外の物をみた。

モンスターは傷一つない躯でその場に立っていたのだ。

「ほえぇぇ??なんでぇ?」

次の瞬間猛然とモンスターはプリシスに向かってきた。

「ガアァァオォ!!」

聞く者の心を揺さぶる重低音を響かせて、地面を揺らして、

恐怖を与えながらモンスターは突進してくる。

プリシスは多少の混乱により気が動転し、何をしていいのかわからなくなってしまった。

「どどど!どうしよう!と、とにかく逃げよ!」

そういうときびすを返し、逆方向に走る。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

どこまで走っただろう・・・何故だかわからないが周りが見えない。

疲れてきたからだろうか、それとももう暗くなってしまったのだろうか。

誰もいない。助けてくれない。ここが何処だかもわからない。

「ガアアァァァ!」

あのモンスターに体力というものは存在するのだろうか、今の今までずっとプリシスを追いかけてくる。

しかも徐々に速くなってきているのだ。

「もう誰でもいいから助けてよぉ・・・グスッ・・・グスッ」

ついに泣き出してしまうプリシス。その涙で前の見えなくなったせいかつまずいてしまう。

「うわぁ!」

どしゃぁ!

その地面は走っていたときとは裏腹にとても気持ち悪かった。生暖かく、なにかドロついていた。

「ガアアァァァァァァァァァァァァ!!!!」

その時。後ろにモンスターが追いついていた。

プリシスが後ろを向いて気づいたときにはもうその魔手は振り下ろされた!

「きゃーーー!!!」

 

ガバッ!

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

そこは何も変わらぬベッドの上だった。

そして目尻からこぼれ落ちる一筋の雫。

「・・・よかった・・・夢だったんだ」

その傍らでプリシスを心配そうに見つめる無人くんの姿があった。

実際無人くんがプリシスを心配していたかどうかはわからないが。

無人くんを見つけると次の瞬間無人くんを胸の中に抱いていた。

「とっても怖かったよ・・・無人くんあたしをちゃんと護ってよね。あたしが作ったんだから・・・」

その声に反応して無人くんが頷いたように見えた。

 

もしかしたら機械にも愛されることにより感情というものが生まれるのかもしれない・・・

 

 しかしながらそれは定かではない


あとがきめいた回想

なんとなくプリシスを護らせる的な考えでまとまっています。何故でしょうねぇ?

そういうキャラなのでしょうかね、プリシスは(笑)

まぁというわけで2作目です。夢の中の出来事です。

夢の中の出来事というのはまったく予想もつかないですよね。

実際あとから考えてみると訳が分からない内容ばかり・・・困ります(笑)

実際そんなことがあるから楽しかったり、はたまた怖かったりする訳で・・・

今回はチョビホラー的な感じで(なってないかな・・・汗)仕上げました。

短めですががんばって混詰めてやったつもりですのでどうかよろしく♪


ゆりぺんのコメント

プリシスは護られるタイプなんですよ。かわいいですし〜(ベタ惚れ)。

夢って本当意味不明なことが起こる時がありますよね。

でも私は夢見ることが好きです。だから寝ることが好きなのですよ。

でもでも恐い夢はお断りですがね。

今回、マジちょびホラーですね。

『聞く者の心を……』ってところ、恐かったです。

私もずっと前に夢で怪物に追いかけれレてすごく恐い思いをしたことがあったんですが、

それを思い出しちゃいました。

無人くんって小さいころから一人だったプリシスにとっては、

たとえ彼女の造物であったとしても、もう造物以上の存在なんでしょうね、きっと。

っていうか無人×プリ?!(いえ。冗談です)

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