−MC−
前半のノリの悪さを指摘。
「特に2階の後ろのほう」
という言葉にも、反応が遅れる。ちょっと噛み合ってないな〜という方向に話がいく。ちなみに1階席はめちゃくちゃ反応が速かったです。西川クンがふったとたん「わ〜!!」と歓声が(私もやった(笑))。で、「ほらな」って感じで西川クンが2階席の方を向こうとすると、2階席から歓声が……。
「ちゃうって、今のは合図ちゃうやろ。やっぱ噛み合ってへん」と笑う西川クン。
「初めて来た人ってどれくらいいるん? ちょっと手ぇ上げてみ」
で、3階席を中心にパラパラと手があがる。そこでその人たち向けに、ちょっとツッコミを入れたり、ライブの楽しみ方を伝授(?)。
「せいぜい今日、動いとき。どうせお前らアレやろ。普段、あんま動いたりせーへんのちゃうん?」
「万歩計とかつけて、300もいかんくらいの…。ガー食べて、ガー寝て、プー屁ぇこいて。なるべく楽しよう楽しようって思ってるんちゃうん?」
「お前らな、俺がどんなけ忙しいと思てるん。世界が俺を、世界が俺を求めてるっちゅうのに、日本にいてやってんねんで」
といった感じの話が続く。
イマイチノリきれていない1階席前方の男性にツッコミを入れる。また、女の子の腕のぷるぷる(脂肪?)の話題も出たり(好きなのかな(笑))。
「横でこう、女の子が腕ぷるぷるって……『やめて、もう……』って感じでな。『俺も腕振りたいけど、脇毛ボーやし、どないしよ』みたいな感じで」
ここでそのまま野郎チェックに移る。そのあと「何か話してほしいことあるか? 聞いてみたいこととか。言うてみ?」という言葉に、会場騒然。これだけいれば、質問をまとめるなんて無理(笑)。そこで…
「じゃあ男の子に聞いてみよか。そこの、さっきから立ってる……」と、一人を指名。
私の席より4〜5列くらい後ろの男の子でした。
「代表で言いますけど、今度地元で…滋賀でライブしてください」
これには私もびっくり。さては彼も滋賀県民?(同志!?)。
「何? 滋賀でライブ? ……って、それお願いやん! 質問ちゃうがな」
鋭いツッコミに、みな爆笑。
「『し・つ・も・ん』って、たったの4文字やで。やっぱ噛み合ってへん」
などと言いつつも、ちゃんとそのお願いに真剣に答える西川クン。
「滋賀県に、琵琶湖ホ−ルってとこがあるんやけど、ほんまはそこでやろうと思っててんか。でもほら、そこはオーケストラとかクラシックするとこで、こういう(←ステージを指して)のを立てよう思たら、釘使わなあかんねんけど、それができひんて言われまして…」。
「ちゃんとツアーのスケジュールにも入れよう思ってたんやけど……。まあだから、俺はやろうとしてんで。でも残念ながら、そういうことで会場がとれへんかったんですよ」。
琵琶湖ホール許すまじ……。西川クン、ステージとか凝らなくていいんで、いつかやってください(切実)。
次いで、話は大阪のことに。
「まあ言うても、夏の野外に来たばっかしやから、そんな久しぶりって感じでもないけど。…でもこういうツアーで来たんは、いつぶりやろ……えーと…2…」。(かなり真剣に悩んでる様子)。
会場からも「2年」とか「2年半」とか様々な声が飛ぶ。(J.T.2で大阪に来たのから数えると約2年くらいですね)。
「今日(昨日って言われたっけ?)、大阪に着いて。ここの四ッ橋の駅からちょっと行ったとこですが、たこ焼き屋さんがあったんですよ。よく買いに来ててんけど。そこのたこ焼きをね、ちょお買うて来てってスタッフに頼んだら………つぶれててん(すっごく残念そう)」
そこで、そのお店のたこ焼きについて「こう、6つくらい入れたらいっぱいになるくらい、けっこう大きいやつで…」などと、熱弁をふるう西川クン。
「で、おばちゃんが一人で売ってはるわけですけどね。このおばちゃんには特筆すべきことがあって……。そのお店は駅から出て、まっすぐ行ったら、こう路地が…(言ってるうちに自分でもわからなくなってきた模様)。だから、あれやん…そのな…」
会場から「頑張って〜」という声援が(ツッコミ?)。そのとたん、ぷうっとふくれる西川クン。
「やかましいわ。お前らももうちょっと、イマジネーションを働かせや。お前ら、テレビ世代やろ? 俺もそうやけどな。アカンで、ちょっとはイマジネーションを働かせな。ええか? いくで」
……で、またお店の位置の話に戻る。今度は会場の人も、いっしょになって相槌をうつ。こういう、自分の話の聞かせ方がすっごい上手いよね。絶対飽きさせない工夫みたいなのが。そうこうするうちに、やっと話はお店に辿り着いたみたいです(笑)。
「突き当たりに、こう小さいお店があるねん。カウンターみたいなんがあって、焼くやつとか置いてて、そこにおばちゃんが『かっくん』って(そのポーズを自ら表現)ちょっとこう折れた感じで座ってて。外から見たら『おばちゃん、おるんかな? おらんのかな?』みたいな感じで」
「その店の奥に、おばちゃんの居住区? 住んでる家…があって。がらがらって開くガラス戸の向こうに部屋があるみたいで。いっつもこう、戸が30センチくらい隙間が開いてるんやけど。で、そこのたこ焼きは大きいから焼くのにも時間かかるやん? で、待ってたら……その戸の向かうからガサガサって音がするねん」
「めっちゃ気になるけど、人ん家なんてあんまり覗かれへんやん? でも気になるし……。あるとき友達と、おばちゃんがたこ焼き焼いてる間にそうって見たら。――あれはね、たぶん。友達の意見やけど……アライグマやってん!!」
「いや、わからんで。タヌキやったかもしれん。でもな…そういう動物が、こうけっこう大きいケージに入っててん。他にもいろいろおったで…(ウサギだか小鳥だか忘れたけど、何種類かの動物名を言う)…ハムスターとか、ちっちゃいおっちゃんとか。檻に入ってね」
……みんな、「おっちゃん」にはウケたものの、西川クンはご機嫌斜めで。
「お前ら、俺の話どうでもいいと思うてるやろ? もうちょいリアクションあってもええんちゃうん? この大阪の…四ッ橋にアライグマやで? そんじょそこらの動物園とか…天王寺動物園よりかはちっちゃいけど、民家にいろんな動物がおんねんで?」
…ムキになって力説。(か、かわいい……)。そのうち、すっかり拗ねてしまって。
「もうええわ。全然噛みおうてへんもん。…もう曲いこ。これやったらお前らも聞いてくれるやろ? 曲いくわ」
手にしたアコスティックギターをいじる。でもまた手を止めて。
「……まあ言うても、この辺はそんな変わってへんな。俺が大阪いたんが20歳…ちゃうわ18(17?)くらいんとき? ……やから。梅田のほうとか、だいぶ変わってるしな。俺がバイトしてた虹の王国(……て聞こえたんですが…(@_@))も潰れて、いつの間にか『なんばウォーク』になってるし。あるやろ? 略してNOとかって何やねん? あ、NOちゃうわ、NWか」
会場から何か聞こえたらしく。
「そうそう、あそこでバイトしててんで。かばん屋」
で、そのバイトの話をしばらくしかけて、途中で「何でこんな話してるんやろ」と中断(笑)。
「あの頃にな…「電話をかけてるとですね・・・まあ、その頃は携帯とかないんで公衆で友達とかに電話かけてると、おっさんが寄って来て(外からオッサンのマネ、指で2だとか3だとかの数をあらわしてみる)こうするわけですよ。オレをいくらで買うとしてるねん。みたいな、ね。なに勘違いしとるねん、て」
「ええー!?」といった感じの会場の反応に……。
「もちろん、女の子と思うてるんですよ? 相手は」
と念押ししてから。
「まぁ、髪の毛も長かったし、みかけもこんなんですやん……」
後ろの席から「かわいいから!!」という声がたくさん飛ぶ。
「夏場とかだとね、男やしシャツとかもこぉ〜(胸元に手をやって)開けてるわけですよ、すると、なんやぁ、ねぇちゃん誘そっとるんとちゃうか?とか・・・ねぇ、結構多いんですよね」
「ほんで、ばってドア開けて『何ぬかしとんじゃ、こら〜っ!!』って…(笑)。おっちゃん、ぺった〜んて腰抜かしてた」
で、こういうことが結構あったという話から……。
「ナンパもされましたねー。ものすっごいヤンキーが好みらしいよ、オレみたいなんが。ガチガチにワイパーで頭かためてものすっごい兄ちゃんが『ねぇちゃん、遊びにいけへん?』て……」
「『あぁー?』って。『うわ、男や!』みたいな。まあ、そんなこともありつつ……」
この辺でMCは打ち切り。ギターを抱えなおして、曲の準備。
「昔からずっと大切にしてきたこの曲やけど、たまにはこんなんもいいんちゃうかなって」