【9/9】レビュー「テニスの王子様#1」
 アニマックスで再放送が始まったので第一話を見てみました。

 世間的な評価では、テニスが超人バトルテニス漫画になったのは関東大会あたりと言われています。よって、初期のテニスはあまり面白くない、というのが一般的な意見で僕もそう思ってました。しかし、改めて見てみると、これはこれでなかなか……許斐先生のセンスは実は連載初期から何も変わってないのではないかと思われます。

 第一話の概要は、アメリカからやってきた越前少年が、16歳以下が参加する大会に出場しようとするも竜崎孫のミスにより遅刻。参加できなかった鬱憤を晴らすため、ケンカを売ってきた高校生をテニスでボコボコにするというお話です。第一話ということもあり、まだ念能力は使われておりませんが、それでもバトルのレベルは高いです。

 まず試合開始前に、高校生がラケットで殴りかかってきます。しかし、これは寸止め。流石は高校生、とっても大人です。海堂なんか明らかに当てる気でブチャに殴りかかってるのに。

 しかし、そんな紳士的高校生も、テニスで越前少年にバカにされ、とうとうキレてしまいます。彼は空中に飛びあがり、越前少年に向かってラケットを投げつけたのです。額から血を流しながらも(第一話からテニスで流血!)、越前少年は相手の顔面にサーブを何度もぶつけ(切原並の残酷プレイ!)、最後は高校生が地べたに這いつくばって「ヒィ〜、もうやめてくれ〜」と懇願して終了です。第一話から既にテニスではありません。また、越前のサーブ攻撃を食らう高校生の演出に「手塚ゾーンで跡形もなく消え去るシュバイツ」のような表現方法が使われており、「ああ、これがあの劇場版に繋がるんだな」と感慨深い気持ちになりました。

 ところでこの高校生ですが、大会優勝候補にも関わらずなんというレベルの低さでしょうか。念能力も使えないのでは、中学生テニスプレイヤーの相手になるはずもありません。16歳以下の部は実は14歳以下の部よりも弱いんじゃ……。越前少年も相手がザコだったから良いものの、跡部や手塚クラスだったらどうするんだろう。

***

>>この頃は良かったんだけどな・・・
>>最近は狙ってばかりで萎える
(amazonレビューより)

「相手をテニスでKOすることを狙い過ぎ」ということでしょうか。
確かに劇場版とか比嘉中戦はKO勝ちを狙いすぎですよね。

>>普通スポ根ものの王道は、努力と根性で上手くなっていくのですが、
>>これははじめから強い!上手い!
(amazonレビューより)

テニスのテーマは「凡人は天才に勝てない」ですからね。
「アイデアに煮詰まった時はどうすれば良いのでしょうか?」との質問に「煮詰まるな!」と答えた許斐先生。
やっぱり凡人は天才に勝てないと思います。




【9/14】レビュー「テニスの王子様#2」
 アニマックスで再放送中の「テニスの王子様」。その第二話を見てみました。

 第二話では越前少年が堀尾少年らと共に青学テニス部へ入部。しかし、そこは「変態と人格破綻者しかいない」と言われる中学テニス界。二年生の先輩、荒井は新入生からカネを巻き上げようと「空き缶倒しゲーム」を実施します。失敗した堀尾らに対し、5200円もの大金を要求する荒井先輩。主人公チームのなのに、とんでもねえ先輩がいたものです。手塚部長もあんな偉そうにしてますが、実はこんな後輩を野放しにしてたり、海堂に至っては対戦相手に殴りかかりますから、部内でのカリスマは意外とないのかもしれません。比嘉中とかも、かなりどうかと思うプレイヤー揃いですが、青学だって荒井先輩とか地味にどうしょうもないので、やっぱり中学テニスには「変態か人格破綻者しかいない」ようです。

 ともかく、空き缶倒しゲームで荒井先輩たちをたっぷりコケにした越前少年は、続けて桃城先輩と対戦。今では「風を操り心を読む」仙術テニスプレイで名を馳せた桃城先輩ですが、この頃はちょっと運動神経が良くて、ちょっと力が強いくらいの極普通のテニスプレイヤーです。しかし、この無色透明に近いキャラクターに「よし、風を操り心を読む能力を与えよう」と考えた許斐先生はやはり天才だと思います。

 ちなみに、桃城先輩と戦う場面を月刊プロテニスの井上記者が目撃しているのですが、越前少年の目付きの悪さから越前南次郎の息子だと気付いていました。流石は越前一族ですね。田仁志様は「くぬぅー目付きの悪さー生まれつきですか、アッハッハー」と尋ねてましたが、おそらく遺伝です。

 総評。第二話はテニスで怪我人が出なかったのでいまいちでした。


【9/23】レビュー「テニスの王子様#3」
 アニマックスで再放送中の「テニスの王子様」。第3話のレビューです。

 前回、新入生から一人あたり5200円もの大金を巻き上げようとした結構ロクでもない上級生、荒井先輩。そんな荒井先輩が、今度は越前少年のラケットを隠匿。その上でボロボロのラケットを彼に渡し、そのラケットを用いての試合を要求してきます。相変わらず最低人間です、荒井先輩。
 最近は、比嘉中・獅子楽中のせいで「許斐先生は九州以南が嫌いなのではないか」と思われがちですが、実際は関東圏にも亜久津とかどうしょうもないのが溢れてるし、そもそも身内にまで荒井先輩という爆弾がいるわけで、結局「テニスをしてる中学生はみんな性格が悪い」わけですね。九州沖縄ワルクナーイ。

 荒井先輩からそんな無理難題を押しつけられつつも、たった2球打っただけで即対応し荒井先輩を凌駕する越前少年。どうしてそんなことができるかって?そりゃ越前少年が天才だからですよ。

 ところで、今回は不二や菊丸など、レギュラー陣が帰ってきて、みんなが瞠目するシーンがあるのですが、なんで同級生やら先輩やらが帰ってきたくらいで、みんなが目を見張るのでしょうか。それは彼らが分身したり、衝撃波で相手を弾き飛ばしたり、隕石を落としたりできるからですね。帰ってきたのはただの部活の同級生や先輩などではないのです。人の域を越えた超人たちなのです。

 ところで、この頃の菊丸先輩の声は、今とずいぶん違って野太いのです。



【9/30】レビュー「テニスの王子様#4」
 アニマックスで再放送中の「テニスの王子様」。第4話のレビューです。

 手塚の計らいで一年にして校内ランキング戦へ出場することになった越前少年。いつも通り観戦のため月刊プロテニスの井上記者がお供を引き連れやってきます。そんな月刊プロテニスは本当にどうかと思います。今更ですが。

 一方、一年生トリオの一人カチローは、海堂先輩の試合をビデオで撮っている最中に顔面にボールを食らいます。これが故意か事故かは劇中で明かにされていませんが、海堂先輩が実力者であること、その時の相手が名もない人物であること、何より海堂先輩が「試合前にとりあえずラケットで相手を殴ろうとする」性格であることなどから総合し、まず故意であると考えて間違いないでしょう。

 先輩からの理不尽な暴力にも耐えて撮影した海堂先輩のビデオですが、しかし、越前少年はカチローの努力を労わるでもなく、ビデオにも見向きもしません。流石は越前少年です。一片の思いやりも見当たりません。やはりテニスをしている人間にロクなヤツはいません。

 そして、越前少年の試合では件の海堂先輩の必殺技「スネイク」が炸裂します。とはいえ、この頃のスネイクなんてそれはそれは可愛いもので、ボールの軌道が曲がるとか、そんなまるでテニスをしているかのような必殺技でした。この頃はまだ念を修得してなかったんですかね?



【10/15】レビュー「テニスの王子様#5」
 アニマックスで再放送中の「テニスの王子様」。第5話のレビューです。

 越前少年と海堂先輩の戦いが続きます。海堂先輩はスネイクを囮に使った持久戦を得意とするようですが、越前少年もまた持久戦で対抗。その上、「スネイクってバギー・ホイップ・ショットのことですよね」と、不敵にも見たばかりの技をコピーします。いわく、少し前に雑誌で読んだのと、実際の技を目の前で見たことでこの技が使えたそうですが、まあ天才だから仕方ありません。天才だから何だってできます。そういえば、樺地は「純粋なので見ただけで相手の技をコピーできる」のですが、このことから純粋と天才では純粋の方が勝り、しかし純粋と天才の違いは雑誌程度の情報量の違いでしかないことが分かります。

 海堂先輩を降した越前は握手を求めますが、海堂先輩はそれに応えずラケットで自分のひざを痛めつけます。さすがは試合開始前にとりあえずラケットで殴りかかる男海堂です。相変わらずラケットを鈍器としか考えていません。だから、そういう使い方するもんじゃないって、ラケットは。

 試合が終了し、越前少年ら一年生のコート清掃風景を見守る月刊プロテニスの井上記者。中学一年生のコート清掃風景をのんびり眺め続けるとは、月刊プロテニスとはどれほどヒマな職場なのでしょうか。


【10/26】レビュー「テニスの王子様#6」
 アニマックスで再放送中の「テニスの王子様」。第6話のレビューです。

 恐ろしいほどプロ選手の取材をしていない月刊プロテニスの井上記者が、サムライ南次郎こと越前南次郎を訪れる第6話。テニスの王子様という漫画は中学生たちが超人的な強さで「こいつら既にプロレベルじゃないのか?」と思わされますが、第6話を見て僕たちの認識が間違いだったことに気付きました。やはりトッププロのレベルは中学レベルを遥かに凌いでいます。

 井上記者が越前少年の家に行くと、相変わらず南次郎が足にヒモを結び付け、横になったまま鐘を衝いています。いつも思うことですが、足にヒモを括り付けてまで横にならずとも、座って手でヒモを引っ張った方がラクだと思うのですが、一体何をやってるんでしょうか。いや、それ以前にそこまで「だるい」と思いながら律儀に鐘を衝くというのが良く分かりません。もしや、これは一休禅師のようなある種の悟りの形なのでしょうか。

 まあそれはともかく、井上記者は越前南次郎に試合に誘われます。「あの憧れの越前南次郎に誘われるなんて…」と感動に打ち震える井上記者。手塚に試合に誘ってもらった獅子楽の殿馬もきっとこんな感じだったんでしょうね(⇒SS「獅子楽の真実」

 ところで、青学テニスコートではカチローたち一年生3人組がボールを片付けていました。彼らは健気なもので、片づけをサボって帰った越前少年を「次の試合に備えて練習しているのだろう」と快く許しますが、しかし、そんなことを許して良いのでしょうか。「努力より才能」というこの漫画の基本方針を再確認しました。すると、そんな3人に乾先輩が話しかけます。乾先輩が去った後、カチローが「あの目で見つめられてると、全てを見透かされている気がするよ」とコメントしますが、残念、サトリ能力を持ってるのは桃城先輩でした。乾先輩の念能力は「データを捨てる」が正解です。

 場面は戻って井上記者と南次郎の戦い。圧倒的な実力を見せる元プロの南次郎。何と彼は井上記者を相手にして、一歩も動かずに戦っていたのです。そう、これはまさに手塚ゾーン! 少なくとも南次郎は手塚と同等の技を使えるのです。流石はプロレベルです。

 しかし、サムライ南次郎の実力はこれだけではありません。さらに彼はハンデを与え、片目でのプレイを始めました。まあ、片目なら不二先輩の心眼プレイの方がスゴイよな、とちょっとナメていたら、南次郎はさらに両目をつむるではありませんか! 心眼プレイも当然のようにマスターしているのです! 手塚、不二、両者の技量を併せ持つ南次郎。流石はプロレベルです。

 おまけに南次郎は、ちょっと本気になったら相手のガットを突き破るスマッシュを打ちます。桃城先輩のパワーも当然マスターです。恐るべし、プロの実力! おそらくこの分なら、分身、スタンド、指増殖、瞬間移動、ウェザーリポート、隕石攻撃、空中飛翔、サトリ、コピー、波動球、等々も当然全て使えるのでしょう。やっぱり手塚や越前はまだまだ中学レベルだったんですね。プロのレベルは段違いです。



【10/27】レビュー「テニスの王子様#8」
 アニマックスで再放送中の「テニスの王子様」。7話はスッ飛ばして第8話のレビューです。

 校内ランキング戦にて、乾先輩のデータテニスと戦う越前少年。データにより越前少年の打つ方向を全て悟った乾先輩が優位に立ちますが、越前少年は「読まれる前に自分から予告する」という戦法を取ります。

 なるほど! これはジャンケンで「僕、次にパー出すからねー」っていう、あの心理戦か! 

 と、思わせといて、そのまま真正直に打ち返す越前少年。それでいて乾先輩より優位に立ってます。心理戦で対抗するのかと思わせといて、実力を隠してただけなんてマジ可愛げねえ。乾先輩をヘコませられる理由は、彼がスプリップステップとかいう新技を使い出したからです。「できれば全国大会まで温存しておきたかったけどね」という越前少年。この時点で既に田仁志様への対抗意識を燃やしていたのでしょうか。てか、関東大会の時点で真田とか出てくるので使わないわけにはいかなかったでしょうけど。そもそも不二、手塚もいるし。

 そして、越前少年の打球に反応できず一歩も動けない乾先輩に対して

「ヘェー、さすがっすね、乾先輩。アウトになることを見越して動かなかったなんて」

 ホント性格悪いです、越前少年。テニスが巧いやつにロクな人間はいません。











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