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12.西武秩父と越生

説明

1994年は、ぼくがはじめて全国の鉄道に乗ろうとこころざした年でした。

5月は東京近郊の私鉄めぐりをしたり、静岡で酒井美紀ちゃんのイベントを見るついでに静岡鉄道と御殿場線に乗ったりしていました。

さて、鉄道に乗ろうとこころざす前、1990年からぼくは毎年5月には、東大本郷キャンパスの安田講堂に行って、そこに来るアイドルのイベントを見に行っていました。

1994年も、だれが来るのかわかりませんが、だいたいこのくらいの日付だろうと思い、都営三田線で春日(かすが)に行って、そこから歩いて安田講堂に行ってみました。

そしてその1994年に来るアイドルの名前を知りました。この年は辺見えみりでした。

うーん、辺見えみりかあ。たいしたことないなあ。よし、きょうはここでイベントを見るのはやめにして、ここから鉄道の旅に行こう、そう考えました。さてどこに行くのがいいでしょう。

気になる路線がありました。西武有楽町線です。

不思議な路線で、営団地下鉄の名前と同じ有楽町線という名前で、有楽町線の途中の小竹向原(こたけむかいはら)からわずか1駅進んで新桜台(しんさくらだい)に進むという路線でした。

地下鉄の有楽町線に乗ると、和光市方面の東武東上線方面の行き先に混じって、2〜3本に1本くらい新桜台行きがあるのです。

不思議な駅で、どういうところか興味があるのです。西武池袋線に桜台駅があって歩いて行けそうです。

それから、今月は西武のいろいろな鉄道に乗りましたが、まだ飯能方面に乗っていないので西武秩父まで行こうと考えました。

あとは東武東上線には寄居(よりい)まで乗っていますが、途中にある東武越生(おごせ)線に乗っていないので乗りたいです。西武池袋線の東飯能から越生までは八高線で行けそうです。あとは坂戸(さかど)で乗り換えて池袋まで来ればいいでしょう。

秩父鉄道には以前家族と熊谷から三峰口まで乗っているのできょうは乗らないことにします。

小竹向原に行くには、現在安田講堂におりますので、もと来た春日に行くよりも、丸ノ内線の本郷三丁目に行って池袋で有楽町線に乗り換えれば運賃が安くなります。よし、これで行こうと思い、安田講堂をあとにして本郷三丁目に向かいました。

西武有楽町線

本郷三丁目〜池袋

東大本郷キャンパスの安田講堂を後にして、営団地下鉄の本郷三丁目駅に向かう。

ここ最近本郷には都営三田線の春日から歩いて来ていたので、本郷三丁目はひさしぶりである。南に歩き、交差点を渡る。道の右側に注意して歩く。

入り口が見えた。階段をおりていく。無事きっぷ売り場に来た。

今の目的地は「新桜台」なんだけど、きっぷ買えるかなあ。自動券売機ではどう考えても買えそうにない。しかたない。小竹向原まで買っておこう。きっぷを買って改札を通る。

まずは丸ノ内線で池袋に行き、有楽町線に乗り換えればいい。その際、ちゃんと池袋から直通で新桜台行きが出ているからそれに乗ればいいのだ。池袋方面の電車に乗る。

きょうもアイドルを見ようと思い、誰が来るのかわからずに安田講堂に来た。でもたいしたアイドルが来ないことがわかったので、きょうとあしたは私鉄めぐりの旅に出ることにした、というわけである。

電車は本郷三丁目を発車し、そのうち地上に出る。地上に出る地下鉄はいくつかあり、東西線みたいにずっと出ている路線もあるが、丸ノ内線はほんのちょこちょこ出るくらいだ。そして後楽園。遊園地や野球場があるところだがぼくにはあまり用がない。これらの場所に来たことが一度だけあるが水道橋駅から行った。そしてまた発車。

茗荷谷(みょうがだに)の車庫を過ぎるとまた地下におりていき、しばらく進むと終点の池袋だ。お客は全員電車を降りる。そして階段を上がり、改札に行く。

これから有楽町線に乗り換えるわけだが、丸ノ内線から有楽町線に乗り換えるには改札を通らなければならない構造なのだ。そしてぼくは小竹向原までのきっぷを買っているから、きっぷを改札に見せて有楽町線の改札でまた見せればいい。きょうもそうしよう。

池袋〜小竹向原

丸ノ内線の改札できっぷを見せる。そして案内に沿ってとぼとぼ歩くと有楽町線の改札だ。池袋は迷路みたいだが、地下鉄どうしの連絡はそれほどめんどうなわけではない。改札にきっぷを見せて通り、階段をおりてホームに行く。

有楽町線にはいつもお世話になっている。はじめて乗ったのはまだ池袋から銀座一丁目までしか開通していなかったころだ。あれからサンシャインとかもできていろいろ変わったが、きょうは池袋は通過するだけだ。

いつも乗るときに気になっていた「新桜台」というのがどういう場所なのかきょうはじめて確認できる。その新桜台行きの電車がやってきたので乗る。いつもどおりの電車だ。

和光市まで乗ったことがあるので小竹向原までずっと地下なのは知っている。それにしてもいつもより客が少ないような気がする。やっぱり新桜台行きは客が少ないのだろう。そのまま小竹向原に着いた。そして営団地下鉄はここまでで、いよいよ「西武有楽町線」だ。

小竹向原でもといた客はほとんど降りてしまい、ぼくの乗っている車両の客はぼくだけになった。

小竹向原〜新桜台

2月に乗った北海道の深名線(しんめいせん)ならともかく、東京で客ひとりというのもめずらしい。あ、でも先月鶴見線でぼく1人だったっけ。まあそんなものだろう。

さて電車は小竹向原を発車する。電車は地上に出ることなく、地下をそのまま進む。そして無事終点の新桜台に着いた。電車を降りよう。

さあ、精算しなければならない。本郷三丁目から小竹向原までのきっぷを手に改札に向かう。

ちゃんと自動精算機があった。営団地下鉄のほとんどの駅では新桜台までのきっぷなんか売っていないだろうから、精算機には長蛇の列だろう・・・と思っていたが、なんともかんともこの駅は利用客がほとんどいない。だからだれも並んでいなかった。

とりあえずきっぷを入れる。小竹向原から新桜台までの運賃が表示される。お金を入れると精算券が出てきた。それを手に自動改札に向かい、きっぷを入れると自動改札が通れた。これでよし。

新桜台〜桜台

階段を上がる。はたしてこの駅はどんな場所なんだろう。おそらくあとでここからさらに線路が延びて西武池袋線と連絡するのだろうと思うが、わざわざたった1駅だけ延伸させて、何年もの間1駅区間だけの営業を続けるのだから、よっぽど客が見込める区間なのかなあと思いながら地上に出た。

しかしそこは住宅街のようだった。土曜日のお昼だとこのくらいしか客がいないのかもしれないが、もしかしたら平日ならもっと客が多いのかなあと思いながら南に向けて歩き出した。

あまり広い道はなく、せまい道をじぐざくに進む。こっちの方かなあ。

しばらく進むと線路が見えてきた。西武池袋線だと思った。さらにこっちかなと思って進むと、どうやらそこが目的地の桜台駅のようだった。これでよし。ぼくは自動券売機で西武秩父まできっぷを買おうと近づいていった。

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西武池袋線

桜台〜所沢

池袋から乗ってきた地下鉄の電車を新桜台で降りて、歩いて西武池袋線の桜台までやってきた。

住宅がたくさんある場所にある駅だ。それなりに市街地にあり、ここから都心に通勤する客は多そうだ。自動券売機を探す。

もちろん西武秩父まできっぷが売っているので買う。そして改札を通る。

まずは飯能(はんのう)まで行かなければならない。とりあえず桜台に停車する電車はすべて各駅停車だろう。まずは1駅練馬(ねりま)まで進んで、そこから各駅停車以外に乗り換えるかアナウンスを聞こう。

電車がやってきた。各駅停車はすいている。無事すわると電車が発車。たちまち練馬に到着する。アナウンスだとやはりここで降りて乗り換えた方がいいようだ。降りる。

あとから飯能行きがやってくるようだ。まあ所沢までは3年前に乗ったことがあるし、つい2週間前に西所沢から所沢まで乗っているからそれほどなじみがない景色ではないはずだ。気楽に行こう。

飯能行きがやってきた。電車に乗る。こちらもそれほど混雑はしていなかった。そして発車。快適に電車は進む。

所沢〜飯能

しばらくすると所沢到着である。ここには今月はじめにも来たはずだがそれほど覚えていない。電車は発車する。

西所沢を過ぎるとはじめて見る景色になる。

確かに池袋から所沢までの景色より人家が少ないような気がするが、2週間前に見た西武山口線の景色ほど緑が多いわけではない。

あのあたりだけ特別に標高が高くて緑が多いのだろう。そんな人家の少ない景色がしばらく続く。

そしてもうすこしで飯能、というところまで近づいた。また人家が多くなる。

そして頭上を線路らしきものが横切っていく。八高線だろう。このあたりから都心まで通勤している人がいたらたいへんだなあ。

それもつかのま、電車はスピードを落としてカーブし、終点のいきどまり駅、飯能に到着した。電車を降りなければならない。

さあ、西武秩父行きに乗り換えだ。乗り換えは楽なのかなあ、いきどまり駅だから階段をのぼりおりしなくてもよければいいなあ、などと思いながら次の電車のホームを探した。

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西武秩父線

飯能〜東飯能

所沢の方からずっと乗ってきた電車を飯能(はんのう)で降りた。まずは駅をながめる。

時刻表の地図では飯能駅で西武線は方向転換しているように見える。見渡すとたいていの駅にある跨線橋がこの駅にはない。

今月はじめに行った小田急の藤沢駅にも跨線橋はなかった。でもちょっと違う。藤沢では相模大野から片瀬江ノ島まで直通する電車がけっこうあるが飯能は直通する電車がほとんど特急しかない。まあいろいろあるのだろう。

所沢から来た電車はいきどまりのホームに停車している。向こうの方にあるのが西武秩父に向かう電車のようだ。跨線橋がないのでいきどまりの向こうに行って、ぐるっとまわって西武秩父行きの電車に乗ることになる。

なんとかぐるっと進んで西武秩父行きの電車に乗る。お客は数えるくらいしかいない。こんなものなのかなあ。乗り換え時間に余裕はあり、しばらくすると電車は発車した。

飯能を発車した電車は市街地を進んでいく。右手にちょっと前に通った所沢に行く線路が分岐していく。こちらの電車は左にカーブする。そしてしばらくしてスピードを落とす。別の線路と合流する。八高線だろう。そして電車は東飯能駅に到着した。どうせもう一度ここには来るし、あとでゆっくり見ることにしよう。また電車は発車する。さらに左にカーブしていく。

東飯能〜西武秩父

かなり人家が減ってきたような気がする。以前家族と熊谷から三峰口まで秩父鉄道に乗った。秩父鉄道の景色は、さすがに荒川沿いを進む路線なので山に囲まれた路線ではあるがそれなりに盆地を進む路線だった。

西武秩父は秩父鉄道の御花畑(おはなばたけ)の近くだという話だし、だとすると西武秩父線もそれほど山奥の路線でもないのではないだろうか。

そんなことを考えながら電車に乗り進む。各駅に停車していく。

すると電車はトンネルに入っていった。秩父鉄道はそんなに長いトンネルなんかなかったが、西武のトンネルはけっこう長いようだ。ずいぶんと長いことトンネルに入っていた。

山

ようやくトンネルを出る。出た先も盆地の景色だ。確かに秩父鉄道に乗ったときもこんな景色だったような気がする。盆地を電車は進む。

秩父鉄道の秩父駅は大きな建物が多く、ちょっとした市街地だった。しかし西武秩父はどうだろう。

電車は終点に近づいた。しかし秩父駅近くほど建物は多くなさそうだ。多少建物が多くはなったものの、まわりに畑がけっこう見える景色のまま、電車はスピードを落として終点の西武秩父駅に到着した。電車を降りる。桜台で買ったきっぷで改札を通った。

西武秩父駅

さてどうしようか。まずはここから秩父鉄道の御花畑(おはなばたけ)まで歩いてみようかと思った。

なぜなら、あとで西武秩父から御花畑まで歩く機会がありそうで、その時に道順を覚えておくと役に立つと思ったからだ。

とりあえず、それらしい方向に歩いてみる。住宅街の中に道は続いている。

しかし、道は曲がりくねっているようだ。もしここを進むとたとえ御花畑を見つけても、無事西武秩父まで戻って来られるか自信がない。きょうは御花畑に行くのはあきらめて西武秩父駅に戻ることにした。

さて、戻ったらあとは駅をながめるだけだ。まわりは畑が見えるが、駅にはみやげもの屋が並んでいた。

でも、小さな屋台っぽい店が数軒並んでいるだけだ。小さな食堂も近くにはあるが、どちらかと言うと屋台っぽい店の方が目立つ場所にある。

やっぱり秩父は観光地なのだろう。見る限り客は全然いないが、シーズンには混雑するのかもしれない。まして特急が1日に何本も池袋から来ている駅だし。

そう言えばまだ昼飯を食べていないことに気がついた。ここではうどんとかも売っているようだ。でも時間がないなあ。

結局ぼくはみやげものにもなっている和菓子を買った。もうだいぶ日も傾いてきたし、寮に帰れば夕食の時間だ。どうせコンビニで弁当を買って食べるだけなので外食でもいいが、今はまだ夕食の時間ではない。だからこれくらいにしておこう。

和菓子

西武秩父〜東飯能

さあ、もうそろそろ東飯能に行く電車の時間だ。まずはきっぷだ。自動券売機のところに行こう。

お?なんと東飯能からJR八高線区間連絡のきっぷが売っているぞ!

ぼくがきょう行きたいのはまだ乗っていない東武越生(おごせ)線が出ている駅、越生だ。越生も買える区間に含まれている。よし、買おう。ぼくは無事越生まできっぷを買った。

さあ、そろそろ発車だ。越生までのきっぷで改札を通り、電車に乗る。今度も客が少ない。そして発車。

あとは東飯能までもと来た道を戻ることになる。秩父の盆地をしばらく進むとトンネルに入る。

トンネルを出るとまた盆地である。秩父のあたりと同じくらい緑の多い景色を見ながら電車は進む。しばらくするとまちなかに入っていき、無事電車は八高線の駅、東飯能に到着した。電車を降りる。

東飯能駅

さて、八高線のホームに行こう。ここは改札を通らなくても西武からJRに乗り換えられる。そして高崎方面の時刻は・・・30分ほど待つみたいだ。いったん改札を出てみようか。どうやら改札の外にはコンビニがあるみたいだし。

改札に行って駅員に西武秩父で買った越生までのきっぷを見せて、「次の高崎行きまで時間があるので途中下車したいのですが。」と言った。すると駅員は、

「きょうだけですよ。本当は改札通れないんですからね。」

なんと本当は下車できないきまりなのだと言う。

あまり四の五の言うのもなんなのでそのまま改札を通った。さあ、用事をすませよう。

まずはトイレだ。トイレをすませると次はコンビニだ。西武秩父でも買い物したし、飲み物だけ買おう。買い物すると駅に戻ることにした。

後日談1

なお、この旅行から8年後に秩父鉄道の御花畑から西武秩父まで歩く機会があった。けっこう楽に徒歩で連絡することができた。

後日談2

2016年現在、東飯能駅は橋上駅になり、JRと西武は別改札になっている。

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八高線

旅行記本文

東飯能(ひがしはんのう)駅前のコンビニで買い物して、ついでにトイレにも行って帰ってきた。なにしろ西武もJRも改札はいっしょだからまたあの駅員にきっぷを見せて通ることになる。今度は何も言われずに通れた。

それでもまだ時間がある。まあゆっくりディーゼル車を待とう。そのうちディーゼル車が南からやってくる。そしてきょうも発車だ。

このあたりは120円おおまわり旅行で何度か通った区間である。緑が多い区間だ。しかしきょうは秩父まで行って来たのでそれほど緑が多いとも感じない。ディーゼル車は進む。そしておおまわり旅行なら川越行きに乗り換える高麗川(こまがわ)に到着する。お客が乗り降りしてまた発車。

高麗川を過ぎると7年ぶりに通る区間になる。高麗川から南よりさらに森がそばに見える場所を通る区間だ。

そんな区間を右に左に曲がりながら進むが、目的地の越生まではそれほど時間がかかるわけではない。日が暮れる前になんとか越生に到着した。以前来た寄居(よりい)よりは駅のまわりの家並みが少ないようだ。ディーゼル車を降りる。

改札に行こう。あとは東武で池袋に行けばいい。もうちょっとがんばろう。

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東武越生線

旅行記本文

東飯能(ひがしはんのう)から乗ってきたディーゼル車を越生(おごせ)で降りる。改札に行き、西武秩父で買ったきっぷで無事改札を通る。

まずは東武の自動券売機を探す。無事見つかったので池袋まできっぷを買う。そして東武の方の改札を通る。なんとか坂戸(さかど)行きの電車にたどりつき電車に乗った。

なにしろ八高線は山のそばを通る路線だ。そんな路線の途中の越生だし、まして夕方の池袋に近づく電車だから客は少ない。しばらくすると客が少ないまま電車は発車する。

ついさっきまで秩父にいて、山深い中を電車に乗ってきたので、それと比べると越生線もそれほど家並みが少ないとは感じない。もしかしたらこのあたりから電車で都心に通勤している人がいるかもしれない。たいへんだ。

各駅に停車するが、全然客が乗ってこない。そう言えば何年か前に寄居(よりい)から和光市まで乗ったときに、踏切に車が進入してきたとかなんとかでしばらく電車が止まったっけなあと思い出した。

あの時は有楽町線に乗るため和光市から池袋までは乗らなかったが、きょうは乗れる。どんなところなんだろう。

そんなことを考える間もなく、電車はスピードを落とし、無事終点の坂戸に到着した。電車を降りる。

さあ、ここからは池袋行きに乗り換えだ。あの時の東武東上線は少なくとも今まで乗ってきた電車よりは客がいたから、きょうもそれくらいいるかもしれないなと思いながら、ぼくは池袋行きのホームへと移動した。

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東武東上線

旅行記本文

越生(おごせ)から乗ってきた電車を坂戸(さかど)で降り、池袋に向かう電車を待つ。

東武東上線は数年前に通ったことがあるが、その時は寄居(よりい)から和光市まで来て、有楽町線に乗っていった。だからまだ池袋から和光市まで乗っていない。それなのできょう越生線といっしょに乗ることにするのだ。

電車がやってきた。乗ってみると多少すいている。もう夕方で、夕方になって池袋に行く人もそれほどいないみたいだ。電車が坂戸を発車する。

あとは一度乗ったことのある場所がしばらく続く。川越まではのんびり過ごす。川越市が近づくと多少市街地っぽくなる。そして川越。多少客が乗るがそれほどの数でもない。そして発車。

川越の市街地を離れていく。朝霞台(あさかだい)で武蔵野線の下を通るが、ここはそれほど大きな街でもない。そのうち以前有楽町線に乗り換えた和光市に到着する。

そして和光市を発車する。ここから先ははじめて乗る区間である。

最近の鉄道路線は山手線の近くが高架になる路線がけっこうあるが、東武東上線はずっと高架ではないようだ。家並みが増えてきたが、商店よりも住宅が多いようだ。それほど大きな道路もなく、大きな道路は道路の方が陸橋で線路をまたぎ越している。そんな景色がずっと続く。

そしてとっぷりと暗くなったころ、電車は終点池袋に到着した。電車を降りる。けっこう大きなターミナルだ。

さあ、寮に帰ろう。きょうは東大の本郷キャンパスに寄ってから電車の旅に出かけたからたいしてまわれなかった。次の旅は朝からまわろうと思い、電車を乗り換えて寮に帰ることにした。越生で買ったきっぷを自動改札に通し、次の電車に向かった。

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