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人類VS電話
いつから人類は電話に傅くようになったのか。って、「かしずく」って「傅く」って書くって今知った。 電話。ヤツの横柄さは本物だ。ひとたびヤツが作動すれば、人類はいとも簡単に自分の行動を中断し、受話器を取る。 しかも多くの人類はヤツら電話の持つ、この強制力に気づいていない。 もし暴力以外で大統領の演説を中断させる力を持っているとしたら、それは電話だけだ。天皇の新年の挨拶だって中断できるだろう。 そんな大統領や天皇だって抗しきれぬパワーを持つヤツらが、我々の日常にごく自然に溶け込んでいるのだ。なんと恐ろしい事実だろう。 当然のことながら一庶民たるおれがヤツに逆らえるワケもない。 実際のところ、ヤツがトゥルルルと鳴れば、もう少しで出そうだったウンコも引っ込むし、最高の茹であがりを実現させた讃岐うどんはお預けをくらうし、苦労して解いたRPGのエンディングは台無しだし、カチンコチンのチンチンはふにゃふにゃになってしまう。 いったいたかが一台の機械に、なぜ人間がこうまで従い、振り回されねばならぬのか。そんなに電話はエライのか。いったい人間の意志は、いや人間の尊厳はどこにあるのか。 聞いてくれ、人よ。おれはここに人類の尊厳をかけて電話に闘いを挑むことを表明し、打倒電話、電話絶滅のその日が来るまで闘い続けることを宣言する。 ふふん、なにがトゥルルルか。いくら不快な音を出し、はよう受話器を取りやがれと催促しようとも、おれは絶対に受話器をとってやらん。断固として取ってやらーん。 おれは自分が受話器を取りたいときのみに取るのだ。電話の都合によって受話器を取るのではない、ただおれの都合でのみ取るのだ。 どうだ、思い知ったか。ちっぽけなマシーンめが。悔しかったらおれに受話器を取らせてみよ。ホレホレ。 そうか悔しいか。だが悔しくとも、電話のお前では手も足も出まい。ガハハハハ。(フェード・アウト) |