Young temptation


ここは、ウインダリアの一角にあるスラム街。
金さえ出せば、何でも買えると言われる街。
そんな街の路地に置いてある樽の上に座って、ずっと空を見続けている少年がいた。
『煙と埃が充満している灰色な空気の地上に比べて、空は何であんなに澄んで綺麗なのだろう・・・いつか・・・いつかこの街もあの空の様になったら・・・』
空を見上げながらいつもそう思っていた。

周りの大人達は金を稼ぐのに必死で、せわしなく声を張り上げているのに対し、その少年の周りは時が止まったかの様に静かだった。
その少年は、伸び放題の髪を無造作に束ね、顔には青と赤の入れ墨があり、未だに空を見ている瞳は空と同じ青色なのに、生きているのを諦めたかのように冷めていた。
そして少年は空を見続けていた。

「おい、生きてんのか?」
不意に声が掛かる。
少年が声のした方に目をやると、背の高い男と老人と派手な女が立っていた。
「おお!どうやら生きてたみたいですぞ!若!!」
「だから言ったじゃない、大丈夫だって・・・」
老人と派手な女が言う。
「うるせぇなぁ」
『若』と呼ばれた男は、本当に煩そうに頭を掻いていた。
黒い髪を後ろで縛り、黒色の上品な布地で作られたチャイナ服のような衣を纏っていた。
見るからに身なりは立派だが、その立派な身なりとは裏腹に、似合わない傷が男にはあった。
丁度右の額から瞼、そして頬にかけての大きな傷。
右目は、もはや本来の機能を果たしていないだろう。
「ん?この傷が珍しいか?」
男は少年がずっと傷を見ていたのを、面白そうに言う。
慌てて少年はそっぽを向く。
その態度に肩を揺らしながら男は言った。
「お前・・・俺のトコに来ないか・・・?」
男が発した言葉に女が慌てた。
「ちょ、ちょっと!!まさかあんた・・・この子を雇う気じゃないでしょうね?」
女がそう言うと、男は懐から煙草を取り出し、口に咥えると火を付けた。
「心配しなくても、そんな気はねぇーよ・・・姉さん」
煙を吐き出しながら男が女に言う。
「そういう時にだけ姉さん呼ばわりしにいでよね!」
女は怒ったように背を向ける。
その様子を黙って見ていた老人は少年に近づくと声を掛けた。
「どうするかね?」
「ここよりは随分マシだと思うがな」
男は少年に手を差し伸べながら言う。
正直、少年は迷っていた。
この手を取るのは簡単だ。だが、本当にこの手を取って良いのだろうか・・・。
「俺はな、いつかこの灰色な空気の地上をあの空のように澄んだ空気にしてぇんだ。」
男が呟く様に少年に言う。
その言葉に少年ははっとする。自分も同じ事を考えていたのではなかったか。
自分では何の力もなく、ただ思う事しか出来ないが、この男ならあるいは・・・。
そう考えてたら、自然と自分の手が男の手へと伸びていた。
「もう・・・知らないからねっ!」
少年の行動に女が歩きだす。
男は口に咥えていた煙草を片手に持ち、もう片方の腕で少年を抱き上げると嬉しそうに笑った。
「お前・・・名は?」
少年の顔を見ながら男が訪ねるが、少年は首を振るばかりだった。
「何だ・・・お前、名がないのか・・・」
男が暫し黙る。
「よし!お前は今日から『風』な」
「何よ、『風』って」
女が不服そうに男を見る。
「何って、こいつの名だが?」
男は何事もなかった様に歩き出す。
「ちょ、ちょっと・・・あんた本当にそんな名前でいいの?」
女が少年に聞くと、少年はコクンと頷いた。
女は呆れた様に男と風の背中を見ているだけだった。
「あ・・・名前・・・」
風が男に尋ねる。
「ん?俺のか?」
男の問いに、風は黙って頷いた。
「朧だ。でもみんな『若』って呼んでるがな。まぁ、好きに呼べ」
「わ、若っ!!好きにだなんて!」
老人が慌てて言う。どうやらこの男を好きに呼ぶなんて、そうそう出来ないらしい。
そんな老人の思いを知ってか知らずか、風は小声で一言「朧」と呟いた。
呆れる老人と女だったが、朧は嬉しそうに笑っていた。



「俺・・・ここで働く」
夜、部屋で仕事をしていた朧に向かって風が言った。
「お前・・・何を言ってるのか分かってんのか?」
朧が仕事の手を止めて風を見る。
「うん」
小さく、短い返事だったが、しっかりとした口調で風が答えた。
あの日、朧の手を取ってここに来てから数日がたち、風はようやく朧の商売が何なのか理解出来た。
女遊びにも、幼女を組み敷くのにも飽きた大人達が次ぎに手をつける遊び。
幼い男子を抱く場所を与えている朧の商売。
この数日で風はその遊びを理解し、そして自分もその場所で働くと言う。
「あのなぁ・・・」
朧は頭を掻きながら風の側に寄る。
「俺はお前を雇う為にここに連れて来た訳じゃねぇんだ。だからお前は働かなくていいんだよ」
朧は風の頭に手を置き、風の髪をぐしゃぐしゃにしながら頭を撫でた。
「でも・・・俺も朧の役に立ちたい・・・」
風は頭を撫でている朧の手を掴んで、真剣な眼差しで朧を見る。
何の躊躇いもなく自分を見つめる風に、ため息をつきながら朧が風と同じ高さにしゃがんだ。
こういう瞳をするヤツに限って意志が固い。何を言っても無駄だと悟った朧は風の瞳をじっと見つめた。
「・・・本当にいいんだな?」
風の答えを聞かなくてもどう答えるか分かってはいたが、一応聞いてみる。引き返すなら今だけだぞと言わんばかりに。
やはり、風は何も言わずにただ頷くだけだった。
「お前、男と寝たことは?」
風の意志が揺らぎないものだと確信した朧が話の本題に入っていった。
朧の質問に少し驚きはしたものの、風はすぐに首を振った。
「・・・経験なしか・・・」
再び頭を掻く朧。
「仕方ねぇな・・・本当はお前にこんな事したくないんだが・・・」
朧はバツが悪そうな顔をしながら風の手を掴むと、仕事場の奥にある部屋へと風を連れて行った。
ドアを開くと、中は落ち着いた雰囲気の寝室になっていた。
「俺の寝床だ。ま、そのベットに座んな」
朧は風をベットに座らせると、戸棚の中から小さな小瓶を取りだし、ベットの脇に置いた。
不思議そうに見る風に、心配すんな、と一言声を掛けて風の隣に座った。
「いいか、俺のところに来る客はタチは悪くねぇんだが、多少無理強いをするヤツが時々いてな、お前が参っちまわないように、これからお前を慣らす必要があるんだ」
風はただ黙って朧の言うことを聞いていた。
朧はため息を一つこぼすと、後悔するなよ、と言って風に口付けた。
「・・・っ!!」
突然のキスに風の体が強ばった。覚悟を決めたといえ、やはり怖いのだろうか。
「おいおい、キスぐらいで体を固くさせるなよ」
朧は一旦唇を離してそう言った後、再び風の唇へと重なっていった。
「ふ・・・ぅ・・・」
朧のキスは次第に激しくなり、風の息すら奪い始めていた。
あまりの息苦しさに風が酸素を吸おうと口を開けた。その隙を見計らって朧の舌が風の口内に滑り込んできた。
「んン・・・っ!!」
自分の口内に入って来た他人の舌に嫌悪感がこみ上げて来るが、舌を絡め取られ口内を犯されるたびに、次第に痺れるような感覚に変わって来ていた。
今まで強ばっていた風の力が段々と抜けていった。
「う・・・んっ・・・」
頭に霞がかかったかの様にぼーっとする。
そんな風の意識を引き戻したのが、自分の胸に触れた冷たい手だった。
「あっ!!」
ビクッと体が震える。
いつの間にか脱がされた服がベットの脇から床へと落ちていった。
月明かりで浮かび上がる風の体はとても美しく、そして艶めかしく見えた。
「・・・朧・・・?」
風の体に魅入ってしまった朧は、風の声で我に返った。
「あ・・・あぁ・・・悪い・・・」
朧はそう言うと、再び行為の手を進めた。
細く、綺麗な首筋を指でたどり、更に下へと伸ばしていく。
まだ誰にも触らせていない、それでいて成熟しきった桜色の突起を指でなぞる。
「あっ・・・ンっ!!」
風が声を上げる。
ぷくっとしていて柔らかい突起は、朧の指に反応して段々と堅さを増して来る。
「あ・・・やっ・・・!」
まったく経験したことのない感覚が風の体を駆け巡る。
「お前・・・結構敏感なんだな」
朧が言った言葉に風の顔が赤くなる。
そんな風の表情を見て、朧がくっと笑う。
「もっと良くしてやるよ」
朧はそう言ってあいてる方の手で、自己主張をし始めている風のモノを握り込んだ。
「えっ?!あっ・・・やぁ・・・!!」
風は慌てて足を閉じようとするが、朧が風のモノを上下に扱きだすと、途端に力が抜けてしまった。
「あっ、あぁ・・・っ・・・」
小刻みに声が上がる。それを楽しむかのように朧は胸の突起と風自身を交互に攻める。
「はぁ・・・っ・・・あ・・・んンっ!!も・・・もっ・・・手、離し・・・っ」
風は自分の限界が近い事を朧に告げる。
「イってもいいぞ」
朧はそう言うと、風のモノを更に激しく扱く。
「あっ!!そんな・・・にっ・・・あっ・・・あっ・・・んンっ!!」
控えめな声を上げて、風は朧の手の中に白濁した粘液を吐き出した。
荒い息を繰り返す風をうつぶせにし、風の腰を高く上げると、朧は風の吐き出した粘液の付いた指を、中心部へと進めていった。
「い・・・たっ・・・」
風の体が強ばる。
「指一本もダメか・・・」
朧がため息混じりに言うのに、風が慌てた。
「だ・・・大丈夫だから!!」
抜こうとする朧の手を掴み、抜かれるのを止めようとする風。
「・・・っ!!」
その衝撃が風に痛みをもたらす。
「あっ、バカ!無理すんな」
朧は風の中から指を抜き、先ほどベットの脇に置いておいた小瓶を手に取ると、蓋を開け中の液体を指に絡めた。
液体は琥珀色をしていて、多少どろりとしていた。
「まだ痛いと思うが、我慢しろよ?」
朧はそう言うと、そのどろっとした液体がついている指を風の中心へと挿入していった。
「ぐっ・・・んんっ・・・!!」
痛みと、液体の冷たさに風がくぐもった声を上げる。
「暫くしたら気持ちよくなってくるから、我慢してろ」
朧はそう言いながらも指の抜き差しは止めずにいた。
朧の指が出たり入ったりするたびに、くちゅくちゅと音が漏れる。
「あっ、あ・・・っ!!な、なん・・・で・・・っ」
風の声が変わった。
先ほどの痛みが混じった声ではなく、明らかに快感を含んだ声になっていた。
「やっと効いてきたか」
朧が呟く。
「な・・・でっ・・・変・・・だっ・・・あっ・・・」
風の表情からも苦痛が消え、瞳は潤み、頬には赤みが差し、なんとも言えない色気を放っていた。
「変じゃない。さっきの小瓶の中身は気持ちよくなる薬だからな。その効果も薬のせいだ」
朧が風の頬にキスをする。
「んんっ・・・ふぁ・・・っ・・・」
薬のせいで、風自身がまた形を変えてきた。
その様子を見た朧は、指をもう一本入れてみる。
「うぁ・・・んっン・・・!!」
多少、拒否の力が分かったが、先ほどの痛がり様が嘘のように朧の指を呑み込んでいった。
「大丈夫そうか・・・」
朧はそう呟くと指を抜き、うつぶせだった風の体を仰向けにし、風の両膝に手を入れると肩に付かんばかりに押し広げた。
そして自分の反り返ったモノを風の中心へあてがうと、ゆっくりと挿入していった。
「あ・・・ぐっ・・・やめっ・・・!!」
圧倒的に指とは違う圧迫感に、風が朧の体を押す。
「大丈夫だ・・・」
朧の優しげな声が耳に入り、風が瞳を合わす。
「大丈夫」
同じ言葉を繰り返す朧を見て、風の腕は静かにおろされた。
朧のモノがすべて風の中に収まった所で、朧は風の腕を自分の背に回すように指示を出した。
「動くぞ」
訳も分からず風が朧の背に腕を回すと、朧は抜き差しを始めた。
「うぁっ・・・んっ・・・はっ・・・ぁ・・・!!」
いくらゆっくり入れて貰ったからと言っても、この圧迫感がなくなる訳ではなく、暫く風を苦しめた。
「っ・・・ふっ・・・やぁ・・・ん・・・」
しかし、何度も抜き差しを繰り返されるうちに、その苦しさの中に違った感覚が湧き出てきた。
「あっ・・・んっ・・・!!」
その感覚を追いかけて行くうちに、喘いでる声は甘さを含んでくる。
その声を聞いた朧は風を更に追いつめるべく、風自身を握る。
「あっ!!や・・・やだぁ・・・!!」
初めての快感で怖くなったのか、風の瞳から涙がこぼれ落ちた。
「泣くなよ・・・」
朧は風の涙を舌で舐め取り、そのまま風にキスをする。
「ふぅっ・・・んんっ・・・ンっ」
朧が舌を出すと、今度は風自ら口内に招き入れる。
お互いの舌を絡め取り、息すら奪い合う。
子供とは貪欲なものだ・・・
朧が笑う。
「んっ・・・もう・・・っ」
風が息も絶え絶えに朧に助けを求める。
「イけよ」
朧は風自身を扱き、激しく抜き差しを繰り返す。
「あっ!!あぁぁぁっ・・・っ!!」
風は朧の背に爪を立てながら果てた。
そのすぐ後に朧も風の中に欲望を放った。



隣で静かに寝息を立てている風の髪を撫でながら、朧は煙草に火を付ける。
「風にはこの仕事をやらせたくないんだがな・・・」
一人呟く朧の言葉は、吐き出された紫煙と共に闇へと消えていった。


2へ


後書きと称した言い訳(^∇^;)
はい、如何でしたでしょうか?
今回初めて続いてしまいましたよ(苦笑)
しかも、絶対描かないと心に決めていたオリキャラ出しちゃったよ(T_T)
話の流れからして仕方がなかったのですが、オリキャラ嫌いな方がいたらごめんなさい・・・。
えっと、ご注文は「鬼畜」だったのですが、この話は全然「鬼畜」ではなですね(苦笑)
いえ、次回ですよ!次回「鬼畜」になる予定です(苦笑)
では、2でお会いしましょう(^∇^;)


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