かなり広い部屋の中心に巨大な水晶が二つ、その間に一人の女性が立っていた。
水晶が二人の人物を映し出す、彼女は水晶が映し出す二人を寂しそうに、
それでいて何処かいとおしいような、そんな視線を送っていた。
 
「成瀬川なる・・・・浦島景太郎・・・・」
 
彼女は水晶が映し出した二人をそう呼んだ。
 
「あなた達は出会うべき運命、そして、次元・未来を正しい道へ導く存在、
 今はまだ小さき存在、運命を受け入れるには小さすぎる存在・・・・・」
 
彼女は水晶に写る二人に向かい、にっこりと微笑むと、
ゆっくりと部屋から出ていった。
 
 
 
                    ラブひなストーリー B
                         「見守られる人達」

 
 
はるかは懐から何か取り出した、それは・・・・・・
 
「ボールペン?」
 
素子が聞き返すのも無理は無かった、はるかが取り出した物はどっからどう見ても鉄製だがごく普通のボールペンだった。
 
「ああ、そうだ。」
「はるかさん、わたしをバカにしてるのですか!」
「そんなつもりはないぞ、真面目にやっている、これで十分だと判断したんだ。」
 
素子ははるかが自分のことをあなどってる事を多少不満を感じていたのだろうが、今から戦って自分の実力を見せられると
思っているのでぐっとかみ締めた。
 
「さあ、本気でかかって来い。」
「それではいきます。」
 
そういうと素子は構えをとった、
素子ははるかに本気でこいと言われたが本気を出すつもりは無かった、むしろ
 
「(少し加減しないとはるかさんが危険だな。)」
 
などと考えていた。
 
はるかは動かず静かに素子を見据えている、一方の素子はじりじりと詰め寄っていた。
素子ははるかが自分の間合いに入ると一気にしかけた。
 
「はあぁぁ!!」
ガキィィィィィン!!
 
素子が上から下へ掛け声とともに放った一撃ははるかがわずかに右に飛びあっさりとかわされ刀は床に激突し鋭い音を立てた、
素子は多少驚いたがすぐに間髪いれずニ撃目をはるかを追うように放つ、タイミングからして絶対によけられるはずは無い、
しかしはるかはボールペンで刀の側面を下から叩き、刀を上へ跳ね上げてしまった。
 
「なっ・・・・・・・!!」
 
素子は驚きを隠せなかった、それだけ自分の攻撃に自信があったのだ。
そんな素子を知ってか知らずかはるかは反撃に出た。
はるかは一歩で懐に入り、刀を叩き落としボールペンを素子の喉に突きつけた。
 
「どうした?本気でこいと言ったはずだが?」
「わ・・・わ・・・私の剣がボールペンで・・・そんなバカな・・・・・」
「それはおまえが私をなめていたからだ、見かけや相手の武器などで相手の実力を判断するなんてもってのほか、
私のように武器を使うより体術が得意な奴はいくらでもいるんだ、わかったか?」
「まっ参りました、まだまだ未熟でした。」
 
はるかはそんな素子を見て少し笑ながら言った。
 
「ふむ、合格だ。」
「は?でも私は負けたのですよ?」
「だれも私に勝てとは言っていない、私がハンターになるのには十分だと判断すれば良いんだ。」
 
そう言うと今までくわえていたタバコを捨て、新たに煙草に火をつけた。
 
「さて、次は・・・・なる、おまえの番だ。」
「はい、頑張ります。」
 
「なる、おまえは体術が得意なんだろ?」
「はい、そうですけどなんで分かったんですか?」
「足の運び方で分かる、それより、体術ではリーチの長い武器を持つ相手にはかなり不利だ、しかし懐に入れば勝てる、
そこで私がリーチの長い武器を使うから私に一撃を加えられれば合格だ。」
「なんで私は条件付なんですか?」
「素子の実力は十分だったがおまえは少々足りない様なんでな、訓練もかねてってとろだ。」
「そうなんですか!?結構自信あったのになー。」
「少しずつ強くなれば良いんだ、あせる必要はない、始めようか。」
 
はるかはおもむろに壁にあったボタンを押した、すると後ろにあった壁が折りたたまれて何かが出てきた、
それは物凄い数の武器だった。
成瀬川は冷汗をたらしながら聞いた。
 
「すっ凄い数の武器ですね。」
「ハンターになりたい奴はたくさんいるんだ、そいつらに合う審査をするために大抵の武器は置いてある。」
 
そう言いながらはるかはゴソゴソと何かを取り出した、
それは一振りの剣だ、しかし何か違和感がある剣だった、でかい剣ではないが普通の大きさでもない、
それを見たキツネはポツリと呟いた。
 
「あの剣なんか普通の剣とちゃうな。」
「はーっはっはっはっは!!お答えしよう!」
「どぅおあ〜!!なんなんやあんたはーーーー!!」
「天が呼ぶ!地が呼ぶ!人が呼ぶ!SS書けよと我を呼ぶ!!」
「なんやねんそれは・・・・・・。」
「『疾風の像ガメ』こと【みっよ〜ん】です!!四・六・四・九!!!」
「それはもーええから、それよかあんさんどっから沸いてきたんや?」
「そんなキツネさん、沸いて出たなんて、まるで僕が人間じゃないみたいに言わないで下さいよ。」
 
みっよ〜んは満面の笑みで答える。
しのぶと素子がポツリと語り出す。
 
「あっあの、ドアも窓もカギがかかってるんですけど・・・・・・」
「足音もしなかったようだが・・・・・・」
「はーっはっはっは!!それよりキツネさん。」
「無視かい!」
 
キツネのツッコミもさらりとかわしみっよ〜んは続けた。
 
「あの剣は『バスターソード』と言うんですよ。」
「バスターソード?」
 
                <><><><><><><><><><><><><><><><><>
  ■□景太郎の!!うんちくコーナー!!□■
 
   やっと出番が来た!!
   どうも、解説の景太郎です。
   さて、ここでは『これはなに?』とか『どういうこと?』などの疑問に答えます。
   上記で『バスターソード』とありますがそれはなに?と言う質問にお答えしましょう。
 
  武器として使う刃物は大まかに分けて「剣」「刀」「ナイフ」「槍」「斧」に分かれます、「刀」「ナイフ」「斧」「槍」はおいといて、
  剣の種類は全部で四つ、短い方から「ショートソード」「ロングソード」「バスターソード」「ツバイ・ハンダー」の四種類、
  区別の仕方は
 
   ショートソード・・・・・刃渡りが約50cm以内の剣
   ロングソード・・・・・・   〃   50〜95cm以内の剣
   バスターソード・・・・   〃   95〜126cm以内の剣
   ツバイ・ハンダー・・・  〃   126cm以上の剣
 
  バスターソードは槍などのリーチの長い武器より戦い難いという特長を持っている訳です。
               <><><><><><><><><><><><><><><><><>
 
「っというわけです!分かりましたか?」
「あんさんが言ったわけやないやろ。」
「細かい事は気にしない気にしない、それじゃ!!はーっはっはっはっは!」
 
みっよ〜んはキツネ達から二〜三歩下がると
シュバッ!!
という音とともに消えていた。
 
「にっ忍者やったんか?」
「おのれ面妖な!」
 
唖然としているキツネ達に横から声がかかる。
 
「話しは終わった?それじゃあやりましょうか、はるかさん。」
「そうだな。」
 
はるかは剣を正眼に構えた、成瀬川は自然体で構えている。
 
「はあ!!」
 
最初に仕掛けたのははるかだった。
はるかは腰を少し落として右に剣を振る、
成瀬川はそれに素早く反応し後ろに飛んでかわす、そしてすぐさまはるかに突っ込み、パンチを放った。
しかしはるかは剣の腹でパンチを受け止める。
ガゴォォォォン!!
 
「いっっっっっったぁぁぁぁぁぁい!!!!」
 
成瀬川は真っ赤になった手をさすりながら叫んだ。
 
「なにをやっているんだ、逃げてどうする、もっと攻めて来い。」
「隙がないから攻められないんですよ!!」
「隙が無ければ自分で作る、さあこい!」
 
成瀬川はよろよろと立ち上がり構えを取る。
 
「はぁーーーーーーー!!」
 
今度は成瀬川のほうから仕掛ける、
戦いのゴングが鳴った。
 
ここから200行ほど戦闘シーンが続くので
 
―――――――― 省略 ――――――――
 
「うむ、合格だ」
「はあはあはあはあ、ありがとうございます。」
 
はるかと成瀬川はあれから30分以上も戦っていたのだ。
二人ともへとへと・・・かと思いきや、疲れているのは成瀬川だけで、はるかは少しも疲れてはいなかった。
合格と言っても服に手がかすっただけなのだが、努力賞と言う事らしい。
 
「さて、後はキツネとしのぶにスゥか、お前らはなるや素子とは違って補助に向いてる様だな、
三人で私に一撃を加えられれば合格としよう。」
「三対一でええんか?それなら楽勝やがな。」
「がっ頑張ります!!」
「しのぶ〜〜〜、はらへった〜〜〜〜。」
 
そんなやり取りを見ていたはるかはニヤッと笑った。
 
「それじゃあさっさと始めようか。」
 
キツネ達は戦闘体制に入った、キツネ達が最初に動く
 
「しのぶ!右から攻撃や!!」
「はっはい!!」
 
キツネに指示されてしのぶは飛び出した、
しのぶは腰についていたある物を取り出した、
それは・・・・・
 
「えい!やあ!」
ビシッ!!バシッ!!
 
それは鞭だった、
不規則な動きではるかを攻撃する・・・が、はるかは難なくかわした。
そこへ風が切れる音とともにナイフが飛んできた
カッカッカッ!!
 
「くっ!!」
 
流石のはるかも少し体制を崩しながらなんとかかわす。
はるかがナイフをかわすのとほぼ同時にキツネが叫ぶ。
 
「スゥ!!いまや!うってまえ!!」
「ラージャー!!」
 
スゥは『スゥちゃん特製(スペシャルバージョン)』と書かれたバズーカーを乱射する。
ズガガガガガ!!
いくらはるかでもこれはよけられるはずは無い、誰もがそう思ったとき、
はるかは最後の手段をとった。
 
「みっよ〜ん!!」
「はーっはっはっはっはっ!!呼びました?」
 
またまた音も無く突然沸いて出るみっよ〜ん。
 
「みっよ〜ん、後は頼む。」
「は?どう言う意味でぐはぁ!!」
 
はるかは問答無用でみっよ〜んを蹴り飛ばした、
襲い来る十数個の黒い塊に向かって。
 
「ぎぃよえーーーーーーーー!!!!!」
チュドォォォォォン!!
 
物凄い爆音とともにみっよ〜んの姿は瓦礫の中へと消えていた。
 
「ちょっ、ちょっとまちーな!今のは反則やろ!!」
 
キツネの抗議の言葉が上がる、はるかは冷汗をぬぐいながら答える。
 
「分かっている、おまえら全員合格だ。」
「いよっしゃーー!」
「やったーー!!」
「しのぶ〜、メシ〜〜。」
 
それぞれの喜び(?)の声が上がる、
成瀬川も一緒になって喜んでいたが、成瀬川はある事に気付いた。
 
「はるかさん、みっよ〜んさんは良いんですか?」
「ん?ああ、心配無い、みっよ〜んだからな。」
 
はるかのなにやらあいまいな答えはなぜか説得力があった。
 
「そっそうなんですか?」
「ああ、そうだ、もうそろそろ復活してくる頃・・・・・・」
「はーっはっはっはっは!ひどいですよはるかさん。」
  
みっよ〜んは無傷で復活してきた、なぜか服にも汚れ一つ無く。
 
「言っただろ『みっよ〜んだからな』って。」
「そっそうですね。」
 
成瀬川達もかなり驚いている様だ。
 
「しかもやられるごとに復活のスピードが速くなるからタチが悪い。」
「・・・・・・それも『みっよ〜んだから』ですか?」
「そうだ、『みっよ〜んだから』だ。」
 
成瀬川達はあまり気にしないことにした。
 
「はーっはっはっはっは!!さーて、合格者の皆さん、こちらに来て下さーーい!」
 
そう言うとみっよ〜んは意気揚々と歩き出した、
成瀬川達も慌てて追いかける。
 
「さあ、着きました、ここですよ、ここでハンターに必要な知識を教えてもらってその後にちょっとしたテストをするんです、
ちょっと難しいですけど頑張ってください、それじゃあ僕はこれで。」
シュバッ!!
 
みっよ〜んはまた窓から飛び出した。
 
「さ、入りましょうか。」
 
成瀬川達はまたもやあまり気にしなかったようだ。
深呼吸をすると成瀬川はドアを開けた。
そこには・・・・・・・
 
「海よ!なんでお前は青いのか!それはみっよ〜んがいるからさ!!
【天空の深海魚】みっよ〜んですよろしく!!!!」
『ちょっと待てコラーーーーーー!!!』
 
皆の声がハモッた。
素子が止水を抜きながら聞いた。
 
「貴様、なぜここにいる!さきほど窓から外に飛び出したではないのか!?」
「いやー、皆さんお待ちしておりました、ささ、どうぞ中へ。」
「やっぱり無視かい!!」
 
キツネの突っ込みも軽く流しみっよ〜んは続ける。
 
「さて、そろそろ始めましょうかぼびげごが〜〜!!」
 
ゴスッ!!という音とともにみっよ〜んは後ろから現れた『100d』と書かれたハンマーに吹き飛ばされ、壁にめり込んだ。
100dハンマーを肩にかついでため息をついているのは、
受付で出会った女性『神崎芽衣』である。
 
「それは私の役目だって言ってんでしょ!まったく。」
「芽衣さん!?どうしてここに?」
「いやー、突然講義をしてくれる人が風邪で休みになって、偶然いた私に急遽代役をしてくれって頼まれたのよ。」
 
芽衣はあさっての方を向いて元気よくしゃべり出した。
 
「さーて!これを読んでくれている皆!ちょっと難しいけど頑張って覚えてねーーー!!!」
「ウチらに説明せえっちゅうねん!!」
 
              <><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><>
  ■□神崎芽衣の!魔術学講座のコーナー!!!□■
 
   やっほー、みんなのアイドル芽衣ちゃんでーす!!
   なんか誰かのコーナーを取っちゃった気がするけど気のせい気のせい!と言うわけで、
   ここではハンターには欠かせない知識である『魔術』について説明します!!
  
  魔術っていうのはハンターだけが会得できる力の事で、魔術を使える人を『魔術師』と呼ぶの、
  魔術師は例外無く『力場』と呼ばれる空間を作り、その中に色々な属性を持つエネルギーを込めて状況に応じて
  使い分ける事が出来るの。
  だけど人には生まれ持った相性があってそれに合った魔術しか使えないの、それを魔術の『系統』っていうのよ。
  系統は全部で三種類、
 
   プラス魔術・・・・・・・・・熱などの『+エネルギー』を使った魔術、高レベルになるとプラズマを発生させる
   マイナス魔術・・・・・・・冷気の『−エネルギー』を使った魔術、     〃     どんな液体も生み出せる
   コントロール魔術・・・・物体を原子レベルで操る魔術、傷・毒の治療などが出来る、瞬間移動もこの中に含まれる
 
  とまあこんな感じ、分かったかな?それじゃあ!!まった来週ーー!!(?)
              <><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><>
 
「っという訳、質問ある人ーーーーー。」
「はい。」
「はい、しのぶちゃん。」
「魔術師が使うのは魔法って言うんじゃないんですか?」
「ん〜良い質問ねー、魔法と魔術は若干ニュアンスが違うのよ。」
「ニュアンスですか?」
「魔法って言うのは神様が使うもので、神様以外では極々限られた人間しか使えない力のことよ。」
「ウチもウチも!!」
「なあに?スゥちゃん。」
「マホウってどういう事が出来るん?」
「人間の使う魔法は『フィールド魔法』と呼ばれているわ、詳しくは分からないけど空間を操る力のようね。」
 
芽衣は「ふう、」と一息つくと首を回した。
 
「さて、もう質問は無い?それじゃあ講義はこれでおしまい、・・・・っとこれだけは言っとかなきゃね、
最後に、ハンターにはランクがあって低い順から[D・C・B・A・S]ってなっているの、
色んな依頼を解決していくとランクアップ して、ランクアップしていくと本部からの依頼も重要なものになっていくの、
特に[S]ランクは、国家にかかわるぐらいの依頼を解決しないとなれない特別ランクなのよ。」
「へぇ〜、芽衣さんはランクは何なんですか?」
「私のランクはAよ。」
 
そう言いながら芽衣はゴソゴソと何かを取り出した、どうやらテスト用紙のようだ。
  
「それじゃあ頑張ってね、けっこう簡単だから。」
 
 
 
それから30分後。
テストの採点も終り、みごと全員合格した。
 
「っていうかなんで講義を全く聞かないで眠ってたはずのキツネが合格してるのよ!」
「ウチ、日頃のおこないがえーから。」
「んなわけないでしょーが」
「まあ良いじゃないですかなる先輩、全員合格できたんですから。」
「・・・・はぁ、それもそうね。」
「はーっはっはっは!!それじゃあ僕に着いて来てください!」
 
やっぱり無傷&汚れ無しで復活するみっよ〜ん。
なぜか崩れた壁まで治っていた。
みっよ〜んに連れていかれ、着いた所はみっよ〜んが最初にいた受付だった。
 
「あれ?なぜかこんな所にこんな物が!?」
 
そういうとみっよ〜んは『ハンター許可証』と書かれた手帳を取り出した、
なぜか皆の名前・顔写真もちゃんと記されていた。
  
「ちょっと待ちなさいよ!いつの間にこんなの作ったのよ!偽物とかじゃあないでしょうね?」
「それは無いな。」
 
突然横から声がした。
 
「あ・・・はるかさん、どうしたんですか?」
「ん?ちょっとな、それより、みっよ〜んは信頼できるしそんな性格では無い、そもそもそいつに詐欺をするような度胸は無い。」
「はるかさん、みっよ〜んがスミの方でスネとるで。」
 
はるかにキッパリ言われ、スミで落ち込むみっよ〜ん。
 
「それなら5分ぐらいで復活するから大丈夫だ、それよりこれからどうするんだ?」
「どっかにホテルかなにかを借りるつもりですけど。」
「それなら良い所を知ってるぞ、お前らが良ければ案内するが・・・・・・」
「ホントですか!?」
「ああ、ここから10分ぐらいの所にある『ひなた荘』と言う所だ。」
 
 
 
「ありがとうございましたー!」
 
景太郎は最後の客を送り出した。
お客が見えなくなると景太郎はイスに腰を下ろした。
 
「ふう、またお客がいなくなったな、さてどうしよう。」
 
景太郎が店番をしてから今まで来たお客が全部で5人、
客が一人来て帰っていくとしばらく暇になる、ずっとこのくり返しだった。
 
「・・・・・店の前の掃除でもするかな。」
 
そう言いながら景太郎はほうきとちり取りを持って店を出た。
景太郎にとって最悪の出会いをするとも知らずに。
 
 
 
「ほら、あそこが私の住んでいる『喫茶日向』だ、
そして隣にあるのがこれからお前らが住む女子寮、『ひなた荘』だ。
「へぇ〜、良い所ですね。」
「まあな、ハンター本部からはちょっと離れてるがな・・・・おっ丁度良い所に。」
 
はるかが景太郎の姿を見つけた。
 
「あ、はるかさんお帰りなさい。」
「紹介する、甥の景太郎だ。」
 
すると、景太郎の方を見た成瀬川は思わず叫んでしまった。
 
「ああああああーーーーーーー!!あの時の変態!!!!」
「ん?・・・・・あーー!!!あの時の鉄拳女!!!!」
 
一瞬あ然としていたはるかが2人に言った。
 
「お前ら知りあいだったのか?」
「そんなんじゃありません!!こいつがいきなりあたしの胸を触ってきたんです!!」
「そっそれは謝ったじゃないか!!」
 
そのままほっとけばいつまでも続きそうな言い争いをはるかが止める。
 
「まあまあ、胸くらい触られたくらいでそう騒ぐな、景太郎も謝ったんだから良いじゃないか。」
 
はるかの言葉にも成瀬川は不満そうだがしぶしぶ言い争いをやめる。
景太郎はハァっとため息をつくとしゃべり出した。
 
「もういいよ変態で、もう合う事も無いだろうし、それじゃあはるかさん、さよなら。」
「それはダメだ。」
 
はるかは帰ろうとする景太郎を引きとめた。
 
「へ?どうしてです?」
「お前にはひなた荘の管理人をやってもらう。」
 
とつぜんの爆弾発言に成瀬川と景太郎は数秒止まった。
 
『えぇぇーーーーーーーーーーー!!!!!!』
 
2人の声がハモる。
そして2人とも意識がとおのく。
最初に意識が戻ったのは景太郎のようだ。
 
「ちょっと待って下さいよ!!俺は嫌ですよ!!!」
「ほう、お前はいつから私に逆らえるようになったんだ?」
「うっ・・・・・・・・・」
 
景太郎撃沈。
向こうではキツネが成瀬川の蘇生に取りかかっていた。
 
「おーい、なるーー、おきれー。」
「・・・・・・認めない・・・・・・」
「は?なる、なんかゆうた?」
「認めない認めない認めない認めなーーーーーーーい!!!!!!」
 
成瀬川はバックに炎を灯らせ復活した。
  
「あんたみたいな変態!!ずうえっっったい認めない!!!」
 
 
そんなこんなで出会った2人、
それはこれから始まる物語のほんの断片に過ぎないのであった。
 
 
 
     TO  Be  Continude
 
 
<><><><><><><><><><><><><><><><><><><><>><><><><><><><><><>
 
 
 
はい、という訳でラブひなストーリー『見守られる人達』
第1部、「出会い時々ブチ切れ』をお届けするッス。
 
1話目の時にサブタイトルなどを入れるのを忘れた事を深くお詫びするッス。
次回からは一話完結になるッス。
 
 
最後に、こんな駄文を読んでくれる人に感謝感激雨、五月雨(?)っつー事で。
 
 
ではではー。

  

  

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