「いよっしゃ!!ウチの勝ちやで。」

 

キツネの喜びの声が上がる、
ここはひなた荘・・・・の屋根裏部屋、
そこには景太郎を除くひなた荘の住人が全員集まっていた。

「ちょっとキツネ!あんたちょっと怪しいんじゃない!?
 いきなり『ロイヤルストレートフラッシュ』なんか出して!!」

どうやらポーカーをやっていたようだ。

「キツネさん、イカサマじゃないんですか?」

素子も成瀬川に続く。

「なんやなんや〜?自分の運が悪かったからってウチにいちゃもんつけるんか?
 心が狭いっちゅうかなんちゅうか・・・」
「べっ別にそうは言って無いでしょ。」

成瀬川は納得がいかないようだが、キツネはどんどん話しを進めていく。

「それじゃあ約束通り皆ウチの言う事何でも聞いてもらうで。」

そう言うとポケットから数本の紐を取り出した。

「ほれ。」
「なに?それ。」
「一人一本ずつこれを引いて、当たりの人に罰ゲームをしてもらうで。」

そこへしのぶが口をはさむ。

「あれ?キツネさん、紐は五本ありますよ?」
「なに言っとんのや、なるに素子にしのぶ、それにスゥにウチで五人やがな。」
「なんや、キツネもやるんか〜?」
「まあ、実を言うとこの罰ゲーム、ウチもちょっとやってみたいねん。」

キツネのその言葉に皆は納得したようだった。
しかし実際は・・・・

 

「(イカサマして自分だけ罰ゲーム無しってゆーんもあれやからな。)」

 

やっぱりイカサマだったらしい。

「さあ引いた引いた。」
「キツネ、その前に罰ゲームってなに?」
「ん?けーたろの事や。」

キツネはにんまり笑ってそう答えた、危うし景太郎!!

 

 

 

ラブひなSS

 
 
「もしも景太郎に・・・」

 

 

≪当たり=成瀬川≫

 

清々しい朝、
それはひなた荘管理人、『浦島景太郎』にも同じだった、
そう、起きるまでは・・・・

  

「ふあ〜、良く寝た。」
「おはよう、景太郎。」
「うん、おはよう成瀬川・・・って、ええぇ〜〜〜〜!!!」

そこには、顔をほんのり赤く染めて浴衣の裾を直している成瀬川の姿があった。

「どっどうしたの!?」
「覚えてないの?私、初めてだったのに・・・・」

バキーン!
という音とともに景太郎は凍り付いた。
それを見た成瀬川は、

「ぷっ・・・ふふふっ・・あははははは!!
 ごめんごめん、景太郎、ジョーダンよジョーダン・・・って聞いてる?景太郎。」

もはや景太郎はあっちの世界へ行っていた、
っと突然動き出す。

「成瀬・・・いや、なる!!」
「な、なに?」

景太郎の目にはなにやら熱意がこもっていた。

「なる、俺昨日のこと何にもおぼえて無いけど、これだけは言える、好きだよ・・・なる。」
「景太郎・・・・・あのね・・・・」

成瀬川は意を決して続きを言った。

「さっきの、嘘よ。」
「え゛!?」
「覚えたからね、景太郎。」

成瀬川はそう言いながらにっこり微笑んだ

 

後日、

この後は原作とあまり変わらない話が続く。

 

 

≪当たり=しのぶ≫

 

清々しい朝、
【中略】

 

「ふあ〜、良く寝た。」
「あっあの、お、おはようございます!!」
「うん、おはようしのぶちゃん・・・・・・ってええ〜〜〜〜!!」

そこには真っ赤な顔で正座してうつむいているしのぶの姿があった。

「ど、どうしてしのぶちゃんが!?」
「きっ昨日のこと覚えて無いんですか?センパイ・・・いきなり・・・。」

ガーン!!

「ふ・・・ふふふ、ふふふふふふふふふふふふふふ。」

どうやら景太郎はショックが強すぎていっちゃったようだ。

「(はわわわ!!ど、どうしよう!!こんな事になっちゃうなんて!!)」

このままだと景太郎が廃人になる恐れを感じたしのぶは景太郎に全てを話すことにした。

「センパイ!ごめんなさい!!さっきの嘘なんです!!」
「・・・・・・・へ?」

 

しのぶはぽつぽつと話し始めた。

 

「・・・そう、それじゃあキツネさんが考えた罰ゲームだったんだ。」
「はい、そうです。」
「じゃあ『ガバッ!!』ってなって『いや!!』ってなるんだけど『ビリビリ〜〜!!』な感じで
 『いや〜〜〜〜!!!服はやめて〜〜〜!!』っていうことは無かったんだね?」
「は、はい・・・・。」

それを聞くと景太郎は大きくため息をついた。

「はあ〜〜〜〜、よかった〜〜。」
「本当にすみません。」
「いや、いいよ気にしなくて、悪いのはキツネさんだから。」
「センパイ・・・・・。」
「ほらしのぶちゃん、今日料理当番でしょ?そろそろ用意しないと間に合わないよ。」

景太郎はそう言うとニコッと笑った。

 

結論、

いつもと同じ朝だった・・・・。

 

 

≪当たり=キツネ≫

 

朝、【中略】

 

「ふわ〜、良く寝た。」
「おはよ、けーたろ。」
「はい、おはようございますキツネさん・・・・ってええ〜〜〜〜!!」

そこには妖艶な笑みを浮かべながら景太郎のことをじっと見つめているキツネがいた。

「ど、どうしてキツネさんが!?」
「なんや、けーたろ、昨日のこと覚えて無いんか?昨日はあんなに激しかったやんか。」

ピシ!!

景太郎の動きが止まった。

「まあ確かにその場の雰囲気ちゅうもんもあったかも知れへんけど、
 覚えとらんっちゅうのはどう言う事やねん・・・全く。」

景太郎は不気味なくらい静かにうつむいてキツネの話しを聞いている。

「(お?けーたろ照れてる照れてる、くくくくっこらおもろいわ、これはもっとからかわな。)」

そしてキツネは最後のトドメをさすべく口を開いた。

「でもまあ・・・・・よかったで、けーたろ。」

プチン!

「(は?プチン?)」

キツネは今聞いた音に不安を覚えた。
景太郎は小刻みに震えていた。

「どっどうしたん?けーたろ。」
「キ・・・・・。」
「・・・・キ?」
「キツネさーーーーーーーーーん!!!」

ガバァ!!

「ひょえ〜〜〜!!けーたろ!!ちょっと待ちーな!!あん!ちょっと!そこは・・・・・・。」

 

結果、

キツネさんGETだぜ!!(笑)

 

 

≪当たり=スゥ≫

 

今は午前4時、

「へへへー、さて、浴衣にも着替え終わったし、後はケータロの布団に潜り込めばえーやろ。」

スゥは意気揚々と景太郎の部屋へと向かった。

「とうちゃーく。」

スーッ

スゥは景太郎の部屋の襖を開けた、
そこには、まあ当然だが景太郎が寝ていた。

「おー、ケータロ、よー寝とるなー、ほな。」

スゥはそーっと景太郎の布団の中に入っていった。

「(後はケータロが起きるんを待つだけやな。)」

しかし、しばらく待っていても景太郎は起きなかった。
普通は起こされなければ午前4時に起きることはまず無いだろう。
だがスゥはそんな事は解からない、なぜなら自分はこの時刻に起きるのが普通だと思っているからである。

「(ケータロの背中って暖かいんやな〜、なんや寝むとうなってきたわ。)」

スゥは景太郎の背中に抱きついたまま眠ってしまった。

 

朝、

「ふあ〜、良く寝た・・・ってのぁぁ!!」

 

そこには景太郎に抱きついたまま眠っているスゥがいた。

  

「なんでスゥちゃんがここに?」
「ん・・・んん、兄さま・・もお食べられへんて。」
「や、やばい!このパターンは!!」

ゴキ!!ベキ!!バキ!!

「ギヤァーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

結果、

スゥにやらせると景太郎の命が危険になる。

 

 

≪当たり=素子≫

 

朝、

「ふあ〜、良く寝た。」
「おはよう、浦島。」
「うん、おはよう素子ちゃん・・・・ってええ〜〜〜〜!!」

 

そこには今まで景太郎が見た事も無い極上の笑顔を浮かべている素子がいた。

「ど、どうして素子ちゃんが!?」
「おっおぼえて・・・・ないのか?お、お前を信じて私は・・・私は・・・・。」

そう言うと素子はうつむく。

「(ふう、こんなもんだろうか?キツネさんに言われた通りにやったつもりだが・・・)」

どうやらキツネの入れ知恵らしい。

「(しかし・・・なんだ、わっ私がう、浦島と一緒の布団に入っているとその・・・
 浦島と私がそういう関係みたいではないか!!もしなる先輩達以外の人にでも見つかったら・・・。)」

素子がそんな事を考えていると、突然景太郎が素子の両肩をつかんできた。

 

「素子ちゃん!!」
「はひぃ!!」
「素子ちゃん、俺、男として責任とるよ。」
「(せ、責任ってまさか!!)」
「素子ちゃん・・・・結婚しよう!!」
「(ひぃぃぃぃ!!やっぱり!!浦島と私が結婚!!!)」

 

素子の頭には『景太郎と素子が並んで歩いて、その間に素子に良く似た女の子と、景太郎に良く似た男の子
が無邪気に走りまわり、素子の腕には二〜三歳の女の子を抱いている』
という場面が浮かび上がった。

 

「(い、いかん!早く誤解を解かなければ!!!)」

そう思って素子が口を開いたその時、

 

ガラ!!

 

「浦島はん、お久しゅう」

素子姉登場。

「(なっ!!なぜ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!)」

素子は最悪のタイミングで出てくる姉とこんな事をやらせたキツネ、そして運が悪い自分を呪った。

「おや?浦島はん、素子はんと一緒の布団で・・・まさか素子はん・・・・。」
「いえ!!ちがっ、」

素子は否定しようとしたが景太郎が声をさえぎる。

「実はそうなんです。」
「(なにを言うんだ浦島〜〜〜〜〜〜〜〜!!!)」

景太郎はまだまだ止まらない。

「浦島はん・・・責任、取ってくれるんでっしゃろな?」
「ちょ・・・ちょっと姉上、私の話しを・・・・」
「はい、素子ちゃんのお姉さん・・・いや義姉さん!」
「浦島!聞いてくれ!!私は・・・」
「なんどすか?浦島はん。」
「今はまだ弱輩者ですが、素子さんの将来をしっかりと考えさせて頂きます!!」
「どひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
「今度のはホンマでっしゃろな。」
「はい!!もちろんです。」

それを聞くと素子姉はにっこり笑ながら素子の方へ向いた。

 

「さあ素子はん、祝言の準備やで。」
「待ってください姉上!!」

そう言って素子は真実を話そうとした・・・・・が。

「素子ちゃん、俺と結婚するの・・・・嫌?」

悲しそうに聞いてくる景太郎は、しのぶ辺りなら一発で失神するぐらいカッコ良かった。

「い・・・いや、そんな事は無いが・・・・って何を言わす!!」

素子は真っ赤になって声を張り上げるがもう遅い。

 

「ほな行きましょか、素子はん。」

素子の手をガシッと握る。

「素子ちゃん、俺の両親に会ってくれるよね?」

景太郎が反対側の手を掴む。
そのまま素子はズルズルと引きずられていく。

「浦島!姉上!話しを聞いてくれ〜〜〜〜〜〜!!!」

 

後日、

二日後の祝言で、幸せそうな景太郎ともう抵抗する気も起きないのか、
ぼーっと景太郎の方をどことなく嬉しそうに見つめている素子の姿があった。

 

 

 

【まとめ】

しのぶ以外がやると、下手すると景太郎はもとの生活に戻れない。

 

 

 

 

FIN
 

 

 

 

 

 

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さて皆さん、ハルカがぎんぎんさんに頼んで掲載させて貰ったこのSS。

一体どう感じましたでしょうか?

やはりこれこそ『ラブひな』、これぞファンフィクション!!

・・ハルカはそう感じました(^^)

勝手な設定や無駄な部分が無く、雰囲気は原作のままにぎんぎんさん独特の味を出しています。

ファンフィクションとはこうあるべきなんですね、きっと。

エセSS書き、ハルカもコレを見て『こんなの書きたいなぁ』と思いました(^^;

そ〜ゆ〜ワケで(?)皆さん。ぎんぎんさんに元気の源、感想を送りましょう!!(よっしゃ〜、送ってやるぜ!!!

ぎんぎんさん。素敵なSS、ありがとうございましたっ♪

 

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