まもって守護月天Ζ
〜22Century〜





 ――って、ちょっと待て。

翔子「Zぉ!?」
キリュウ「てか前回で終わったのでは無いのか!?」
シャオ「なワケ無いじゃないですかー。34話のはただのネタですよぉ。ほら、評判最悪だったTVアニメ『守護月天』の最終回風なボケですよぉ」
ルーアン「かなり大掛かりなボケだけどね…」
キリュウ「じ、じゃぁタイトルに付いてる『Z』は…」
シャオ「2003年になりましたから
翔子(説明になってねぇ…)



シャオ「それじゃ今年も、壊・守護月天Ζ(ゼータ)を宜しく御願いしま〜っす♪」



キリュウ「ほ、本当は普通の『壊月天』35話だぞっ」



〜35話(大晦日だよドラえもん見ながら。東京プリンだったのか…)〜



太助「前回の最終回ネタ…あれ無かった事になってるんだなー…」
シャオ「去年の厄は全て忘れましょう、という事です」
キリュウ「厄っ!?」

 まぁ、過ぎた事は置いといて。

太助「そういえば、初夢って正夢になるって迷信があるよな」

 迷信って言うな。

シャオ「私ですか?…えっと、太助様が私の言いなりの奴隷とな」
太助「ならねぇからな。ぜってーならねぇからな」

ルーアン「アタシ? そうねぇ…あ、そうそう――爆乳の美人教師になって、貧乳メイドと美男子生徒をめ」
太助「ああそりゃある意味正夢だな」

キリュウ「私か?……(ちょっとうっとりしながら)対ゴ●ラ用の機動兵器(アンドロイド)となった夢だ…これならもしや正夢に」
太助「なるワケ無ぇだろこのアホ機龍(←誤字ではない)



 そんな他愛ないコントもとい会話をしながら、4人は宮内神社に到着した。

翔子「あけおめ
太助「ことよろ

 打ち合わせ無しとは思えないようなスッキリした挨拶。それは忍者同士の合言葉のようにも見えた。

太助「この手の角度が微妙なんよ。90度きっかし」
翔子「まーこれ以上このネタでトーク広げられないけどね」
キリュウ「主殿は前からとして、翔子殿いつから芸人に…」
出雲「おや、キリュウさんと愉快な仲間達じゃないですか」

 と現れたのは仕事着姿の宮内出雲。

太助「何でキリュウを呼ぶ?」
出雲「あいうえお順です」
太助「あ、なるほど」
ルーアン「…たー様、『愉快な仲間達』はツッ込まなくて良いわけ?」
太助「だって事実だもん――だがな」

 て言うかさぁ…と太助は続け、出雲を見据えた。ちなみにキリュウも翔子も、出雲を見る目は多少冷ややかだ。

太助「その服は…仕事か?趣味か?
出雲「失礼な。仕事に決まっているでしょう。どう見ても神に仕える制服じゃぁないですか
翔子「確かにそうだけど巫女服は女性用だと思うよ?
出雲「流行りなんだから仕方が無いでしょう
太助「ああ、確かに萌えるな美少女が着ればな
出雲「ッ!! た、確かに…くぅ…迂闊でした」
キリュウ「いや、だからってそんなに落ち込む事でも無いかと…」

 落ち込み膝をつく出雲に、そっと太助は出雲の肩をたたいた。

太助「落ち込むなよ。巫女服は俺も萌えるぞ(無論見る方が)」
出雲「ええ、私もですよ…」
太助「同志よ!」

 ガシッと手を握り合い熱き涙を流すバカ二人。

神奈「む、キリュウ殿と楽しい仲間達ではないか」
太助「オス、久々だな」

 砂利を踏む草履の音を響かせながらやって来たのは、なんだかんだで宮内神社の“専属神様”となった神奈である。

太助「…うんうん、やっぱこれだよなマイブラザー」
出雲「ですねぇ、やはりこの姿にはロングな黒髪が似合います」
神奈「な、なにを見ておる!?」

 巫女服の神奈に、バカ二人は腕を組んで何度も頷く。

キリュウ「なぁ翔子殿…巫女服というのはそんなに良い物なのか?」
翔子「私に振るか。…さぁ、やっぱ“殿方”にとっちゃグッと来るもんじゃねーのかな?」
シャオ「どの道、10巻辺りで着なきゃいけないんですよね、翔子さん」
翔子「ぐ…そういやそんなネタあるんだな」

 しばらくすると愛原やTAKASIも加わり、いつものメンバーになった。一時は生死の境をさ迷ったTAKASIだが、つい一週間前に完治、退院したのだ。
 勿論、神社にやって来てする事といえば、爆弾テロでも細菌テロでもない。

シャオ「じゃぁ何テロですか?」
太助「テロから離れろ」



 パンッパンッ!――…拍手を叩き、それぞれ神に今年への願いを祈る。

TAKASI(今年こそ波動拳(の類)が放てますように…っ!
花織(今年こそショッカーに拉致されますように…っ!

太助(…愛原とTAKASIだけ何か阿呆な御願いしてる気がするなぁ…)
翔子「ルーアンセンセはどんな御願いしたんです?」
ルーアン「世界平和よ」
翔子「嘘っ!?Σ(´□`;;;」

 愕然とする一同に、眉を顰めルーアンはサラリと言った。

ルーアン「教育者だもん、当然じゃない?」
翔子「そんな事の為に一万円…」
太助「…な、なんか納得いかないぞ」
ルーアン「なんでよ」
太助&翔子「「だってさぁ…(視線泳がし)」」

 言葉につまり、咄嗟に太助はキリュウに助けを求めた。

太助「そういや、キリュウはどんな願い事したんだ?」
キリュウ「うむ…これは昔からずっと叶えたかった事なのだが――」
太助「ほぅ」
キリュウ「――今年こそ『じゃぐじぃ』というものを体験したくて
太助「薄っぺらい願いだな
キリュウ「な…っ!? 主殿は『じゃぐじぃ』というのを知っているのか!?」
太助「ああ、山野辺ン家に行けばあるぞ」
翔子「そうそう、何なら今晩ウチに――………ちょっと待て七梨」
太助「? なんだ山野辺」
翔子「何であたしン家の風呂を知ってる!?
太助「大丈夫だ、覗いたりとかはしていない」
翔子「しててたまるかっ!」

 ところで、シャオさんの今年の願いは?

シャオ「えっとですねぇ、中川家、ますだおかだに続き1000万円取る事ですっ

 …M−1狙いですか。ともかく、それを済ませた一行に、花織がある提案を出した。

花織「ねーねー先輩達、どうせ用事とか無いんでしょうから
太助「…怒るぞ」
花織「(←聞こえてない)――でしょうから、これから『お正月だよ全員集合!爆裂、熱血、根性、涙、遥かなる夢を目指してシトシトピッチャン!カルタ大会!〜君は刻の涙を見る? 地獄の慕情編〜しませんか?」
太助「…題名が低級特番レベルだな
花織「ま、要はただのカルタなんですけどね」

キリュウ「あとシトシトピッチャンって…」
花織「特に深い意味は無いです」





ルーアン「カルタってのは、ポルトガル語から来てるのよ」
シャオ「誰でも知ってますよそのくらい」

 そういうエピソードすら知ってる人達にとっては――ルール説明など不要だろう。
 判らない人に説明するなら、つまりは『百人一首』の簡易版である。

出雲「ちなみに、試合会場は私の自宅です」
太助「どうでも…良くないな――お前仕事は?」
出雲「神奈さんと、式神の風龍雷龍に任せてあるので大丈夫ですよ」
太助「…別の式神か」

 神社の脇に、宮内家の宿舎がある――余談だが、神奈はここに住んでるらしい。その時、お母さんは快諾してくれたとか。
 読み手は出雲、参加者は太助、翔子、シャオ、TAKASI、花織、ルーアン、キリュウ……結局、全員である。
 花織によってシャッフルされたカルタは畳に並べられ、その絵柄があらわにされる。

キリュウ「……なぁ花織殿…この絵柄は…」
出雲「それでは行きますよ――くとう苦手なガンタンク』
シャオ「ハイッ!!」

 スバシィッ!!!――百人一首大会でよく見かける、相手に取らせない為目標のカードを跳ね飛ばす行為――シャオの手刀を食らい『か』のカルタは宙を飛んだ。

キリュウ「なぁ主殿、このカルタって…」
太助「聞くな。愛原ならこんなマニアックな物持ってても疑問とも思わん」

 赤いザクに肩を叩かれるガンタンクのカードは、まるで手裏剣のように部屋の柱に突き刺さった。引き抜き、シャオが先取点を取った。

翔子「それにしてもシャオ、今のは物凄い速さだったな」
シャオ「あははーっ、何を隠そうこのシャオリン、この手の競技は大の得意なんスよ」
翔子「い、意外過ぎ…」
出雲「ちなみに――」

 襖の開く音と共に、二人の着物姿の少女がちょこんと正座をしお辞儀をしていた。頭を上げると、赤青と対照的な衣を纏った少女達は、脇から大量に積まれた座布団を軽々と持ち上げ、部屋に運び込み始めた。

出雲「我が家の『カルタルール』は、カルタを一枚手に入れるごとに座布団を1枚貰い、積み重ねて行くのです」

 およそ100枚近い座布団を運び終わると、再び正座し頭を下げ、少女達は去って行った。静寂だけが残る。

太助「我が家のって…」
キリュウ「さっきの子達って…」

 合点がいかない点を呟くが出雲はそれについては触れず、座布団を1枚シャオに渡した。

シャオ「成程、リードすればするほど、位置が高くなってカルタが取りにくくなる、というワケですね?」
出雲「ええ。勿論、座布団から落ちてしまった場合手に入れたカルタは全て没収です」

 ニヤリと口端を吊り上げ、出雲は「さて続けますか」と読み札に目を落とした。

花織「フッフフフ…これでこそ『お正月だよ全員集合!爆裂、熱血、根性、涙、遥かなる夢を目指してシトシトピッチャン!カルタ大会!〜君は刻の涙を見る? 地獄の慕情編〜です…燃えてきました!」
TAKASI「酒と喧嘩は江戸の華!(謎) やってやるぜ!」



出雲「イフルから発射するビームの威力』
ルーアン「そこっ、はいっ!」

 バシッ!!

出雲「れぞ必殺レーザー剣』
キリュウ「あ、あった――はいっ!」

 バシッ!

出雲「げし闘志で敵を倒す』
太助「そこだっ、ガンダム!」

 スパンッ!

シャオ「見えます――はいっ!」

 ゴシャッ!

愛原「えいっ!」

 ベシッ!!

翔子「おっと、見つけた!」

 シュッ…!

TAKASI「甘いのだよ…はぁっ!!」

 ドガッ!
 ババシッ!!
 メキョリッ!!
 ぴっこり!!
 ゴスッ!!
 ………。
 ……。
 …。

 太助……『ダイビング取法』など、逸脱した戦術を使い、6枚。
 翔子……身近な札を手堅く取り、6枚。
 愛原……一度は12枚まで行ったが、遠くにあった『ま』の札を取ろうとし座布団から落下。現在2枚。
 TAKASI……『分身取法』や『まとめ取り(何枚かを一度にかっさらう大技)』など多彩な技を見せるが、そのほとんどがお手つきと見なされ結局、4枚。
 キリュウ……翔子と同じく手堅く手に入れてるが、競り合う場合遠慮がちとなってしまい、3枚。
 ルーアン……人間業とは思えない素早い目の動きで“0.23秒で目標を見つける”らしく、その技あってか10枚とリード。
 シャオ……だがやはりトップは彼女。北斗神拳並の手の動きで他者を翻弄。頭の二本の触角をも用い、12枚とルーアンの上を行っている。



 そんなこんなで――ラスト一枚。たった一枚のカルタが、全員の視線の中心に置かれる。

出雲「ハンマーっチャーンス
シャオ「なぬっ!!?」

 金色のハンマーを片手に、司会者…もとい出雲はとんでもない事を言いくさった。

出雲「ラストは、通常の得点の10倍、いえ20倍つける事となります」
シャオ「ちょっと待って下さい。それじゃ今までの私の頑張りは」
`
 かなり不安定なシャオは出雲を見下ろしながら批難するが、

出雲「言うなれば最後のコレを盛り上げ“ズビッ”ごふぁっ
太助「おぉ、久々のシャオビーム」

 読み手負傷(脳天貫通)のため、代わりに勝負を辞退したキリュウが読む。

キリュウ「それでは――ゆ…」

 選手全員の身体が、一斉に宙を舞う。

キリュウ「るせるものか、悪のジオンめ』

「「「「「「はいっ!!!」」」」」」



 新年の招福祈願の初詣客が、足下に地響きを感じ、離れに佇む邸宅に顔を向けた。始めは首を傾げるも、すぐに何でも無いだろうと解釈し、再び賽銭箱に金銭を投げ入れ、拍手を打った。

神奈(…あ奴ら…であろうな。新年そうそう何をやっているやら…)

 お払い棒を振りながら、神奈は合格祈願の客に祈祷を施した。



 屍累々――舞い上がるホコリ。雪崩の後の雪山のような座布団の海。そこに埋もれる戦士達。
 高く積み上げられ、ただでさえ崩れそうであった座布団。その上に乗る選手らが一斉にダイブするなら――どうなるかは、想像するに容易い。
 もっとも被害をこうむったのはキリュウである。もっとも下にいた為、一番最後に座布団の海から救助されるハメとなる。
 『誰だっこんな危なっかしいルール考えたのは!!』と訴えようにも、このルールを持ち出した本人はまだ復活していない。

太助「と言うワケで、座布団が無茶苦茶になっちゃったし勝負はドローだな」
シャオ「そんなっ、じゃぁ私の負けですか!?」
太助「いや、引き分けだって」
シャオ「違います! 勝負は常に勝利しか認めません! 2位以下は全て負けと同じ!!」
愛原「た、たかがカルタで…」
シャオ「否っ!!」

 ちゃぶ台が無いので代わりに畳を引っくり返し、シャオは公共のネット電波では流せないような不平不満を叫びまくる。
 その毒舌はデヴィやおすぎ&P子とは比べ物になら無い程酷く、その勢いはハマコーこと浜田幸一に並ぶくらいだ。

太助「こ、これはこれでいつも以上に厄介だぞ…」

 あえて活字に直さないが、直したならYahooの検閲に引っ掛かりそうなのであえて、割愛させていただく。

シャオ「第一●●●だって●●●だし、どうせ●●●●●ですもん。所詮●●●とて●●●の●●●に決まってます!」
翔子「待てっ、他局キャラのネタはマズいぞ!?」
シャオ「そういや●●●●●先生だって●●●だって噂があるけど●●●としてそんなのは●●だと思います!さっさと●●● ●●なさいっての!」
ルーアン「それはマズいわ、具体的過ぎるってぇ!」

 こんな具合で元日が過ぎて行く――今年もこんな毎日が続くのかと思うと、太助はうんざりとした――いや、毒舌魔王以外のここにいる全員がそう思ったに違いない。






太助「あれ?」

 ようやく騒ぎが収まり、カルタを片付けていると、太助はある事に気が付き、首を傾げた。

ルーアン「どうしたの?たー様」
太助「絵札が一枚足らねーんだ。 えっと、『ゆ』の札なんだが…」
ルーアン「…確か、『ゆ』って最後の時の札だったわよね。 どさくさに紛れてどっかに飛んでったのかしら」
太助「かもな」

 すると、太助の足下に札が落ちた。

太助「お? どうしたんだ、これ?」

 見上げた先には、翔子がそしらぬ顔で落ちた札を指差した。

翔子「ああ、落ちてたんだ」
太助「そっ、か? なら良いんだが…」

 腑に落ちないまま頭を掻くと、その札を束に戻し、箱にしまった。







キリュウ「なぁ、翔子殿…ひょっとして最後の札――」
翔子「ん? ハハ。まぁこのテの勝負にはちょっとばかし腕に自信があってね――大会だって、一番になった事、数え切れない程あるんだぜ?」
キリュウ「…!」





 そんなこんなで――皆々様のますますのご発展を祈り…今年もよろしくお願いします!




〜つづく〜
(ラストは適当ですが――久々に普通な壊月天な感じです。 『斬左編』を終えて顔引き攣ってた剣心みたいな)


ハルカの勝手コメント

 レイさん作、「まもって守護月天〜22Century〜」35話をお届けしました。

 まぁハルカとしましては前回の紀柳らぶエンディングでも全く問題はなかったわけですが(オイ!

 ガンダムかるたには笑ってしまいました。今回は2話同時に頂いております。

 レイさん投稿ありがとうございました。

 

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