ラブひなショートショート?
公平
世の中は不公平だな……
私――青山素子は、気分が滅入ってしまった時に、そう考えてしまうことがあった。
そんなことをしていても意味がないとわかっているのに、自分と他人を比較してしまう。
他人をうらやんでしまい、そんな自分を嫌悪し、その堂々巡りが繰り返される。
やはり、世の中は不公平だ……
考えても詮無きことだとわかっているのに、やはりそう考えるのを止めることはできなかった。
私は、なる先輩のように頭がいいわけではない。
しのぶのように、料理が得意なわけでもない。
キツネさんのような、明るさも持っていない。
スゥのような無邪気さも持っていない。
むつみさんのようなやさしさもない。
加奈子のように、女の子らしくもない。
はるかさんのような落ち着きもないし、
サラのようなかわいらしいところもない。
私には……何もない。
唯一のとりえである剣術は、姉上にも遠く及ばない。
私は身長もでかくて可愛くないし、結局浪人もしてしまった。(まあ、
これに関しては同じような人が大勢いるのでいいのだが)
そして……
幼い頃に運命みたいな約束をして……
東大に入学し、その約束をはたして……
家事全般なんでもこなせて……
私以上に武術の才能があって……
顔立ちもそう悪くなくて……
自分の夢にまっすぐ向かって……
たくさんの財産も持っていて……
誰にでも、やさしくすることができて……
だから、みんなに好かれて……
……ドジだけれど……
やっぱり……世の中は不公平だな……
わたしは、もう一度そう思った。
でも……
意外とそうでもないのかもしれない。
何故なら……
「素子ちゃん、ただいま」
「お帰りなさい、景太郎」
私には、こんなにも愛し、愛される人がそばにいるのだからな……。
終わり
はじめまして。DILMと申します。
ショートショートなんで自分の実力じゃ無理だな、と痛感してしまう今日この頃(−−;
……無謀でしたね(;^_^A
ショートショートは無理でしたが、普通のSSとして楽しんでいただけるのなら幸いです。
ではこれで。