「EVA小説 ”Dancing Angels” 」

 

#00 ”時の傍観者はかく語りき”

 

 

−2001年−

 

 

新たな世紀を迎えたその年

 

 

世界中の人々はただ静かにその時を迎えた

 

 

世紀が変わるだけで”今”が変わる訳でもない

 

 

”時”は全てのものに等しく流れ ただ静かに”今”を刻むだけの”傍観者”でしかない

 

 

”今”を変えるのはヒト

 

 

そう ”ヒト”なのだ・・・・・

 

 

 

 

傍観者たる時は全てを見ていた

 

 

極北の地に眠りし全ての始まりの”ヒト”を

 

影に蠢き自ら神に成らんと欲する”ヒト”を

 

この星に破滅をもたらさんとする”ヒト”を

 

”人”であるためにもがき苦しむ”ヒト”を

 

 

そして誰のものでもない 自らの”ココロ”のままに全てを受け入れる”ヒト”を・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人々は知らない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今 この時より何かが終わり 何かが始まるということを

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして気付かされる事になる

 

 

 

 

 

 

 

 

それは全てに関わる最大の事象・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”セカンド・インパクト”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人々は突如思いもよらぬ環境に放り出された

 

 

一瞬にして目の前に現れた凶悪なまでの破壊と暴力の衝撃

 

 

人々はその猛威の前に成す統べなく 次々と未来への希望を刈り取られていく

 

 

荒れ狂う力は発生源である南極の永久氷河を溶かし去り 多くの人々から生きる大地を奪った

 

荒れ狂う力は地球の地軸をも捻じ曲げ 多くの人々から恵みをもたらす季節を奪った

 

荒れ狂う力は幾千の燃え盛る矢をこの星の地表に突き刺し 多くの人々からその命を奪った・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

そして残されたのは

 

 

 

 

 

 

 

 

すぐ傍にある死と

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

根こそぎの絶望・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

しかしその悲観的な状況の中でも人々は諦めなかった

 

奇跡的に形を残した都市

 

人々はその残された生存空間と生産機能にすがって復興に立ち上がる

 

それは”希望”という名の一条の光明が生まれた瞬間である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし 光ある所 また 闇 有り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

猛威の去った南極

 

 

紅く染まる空と海はさながら地獄と呼ぶに相応しいものである

 

その海に漂う僅かに残された氷塊の佇む者達がいた

 

一人は銀髪で赤い瞳を持つ少年

 

もう一人は金髪で青い瞳を持つ少年

 

 

金髪の少年は蹲り 涙ながらにこう呟いた

 

 

「僕は・・・・・どうしたら良いんだ・・・・・」と

 

 

銀髪の少年は己の瞳と同じ色に染まる空を見上げ こう呟いた

 

 

「見てろよ ゴミ共 全て消してやる・・・・・

 

この星に・・・・・”我々以外は残さない”!!」と・・・・・

 

 

 

 

その昏き瞳に少年は何を映し出すのか・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

−2010年−

 

 

セカンドインパクトより10年

 

 

人々にも そして星にも時は流れる

 

 

それは忘れてしまうには余りに悲しく

 

 

追憶するには余りに痛い魂の軌跡・・・・・

 

 

 

各国の都市復興も進み 人口の減少も緩やかになった頃

 

 

 

 

 

 

 

 

悪夢が起こる

 

 

 

 

 

 

 

 

一つの都市が一夜にして根こそぎ消え去った

 

 

暦2010年07月21日02時06分ー

 

アイルランド島北部イギリス領 第3都市ジュライ

 

今では人はそこを”ロスト・ジュライ”と呼ぶ

 

 

そこに残されていたものは 圧し潰されそうな”跡”だった

 

爆心地と思われる都市の中央部には小規模なクレーターが穿たれ

 

半径10Kmの街並みは全て廃墟と化していた

 

 

誰かが呟いた

 

「悪魔は実在した」と

 

その言葉は小さな波になり しかし確実に星中に届くことになる

 

 

 

 

 

瓦礫の山に佇む金髪の男

 

 

 

その男の名は・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

−2014年−

 

 

草木一本も生えぬ廃墟と化した無人都市 ロスト・ジュライ

 

その廃墟を抜けた中心地にあるクレーターに一人の少年がいた

 

時折吹き抜ける風が遊ぶように彼の銀髪をなびかせ、温かみのある風貌もあいまって周りに優しげな雰囲気を醸し出している。

 

 

「ここが・・・彼らの旅の終わりの地なんだね・・・・・」

 

 

誰にというわけではない呟きと共に彼は懐かしむように空を見つめていたその蒼い瞳を伏せる

 

その胸に去来するものは何なのか・・・その表情からは伺うことは出来ない 

 

その数瞬後 彼は突然人の気配を感じる

 

殺意や敵対心では無い ただ探るような感じの気配

 

 

「いや、ちゃうで・・・ここが過去の始まりなんや・・・・・」

 

 

その言葉に振りかえると少し離れた瓦礫の上に一人の男が座りこちらを見ている

 

その瞳はサングラスで覆われてはいるが その視線には何らかの意思が込められているのが分かる 

 

黒服を身に纏い 背中に巨大な十字架を背負った男・・・・・

 

 

 

 

 

 

「久しぶりやな・・・・・ジン」

 

 

「相変わらず突然だね・・・・・ウルフウッド」

 

 

 

 

 

 

2人が再会したこの日を境に運命の歯車は廻り出す

 

 

 

それは全ての変革への歩みなのか

 

 

 

時はまだ何も語らない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして2015年・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

物語は全ての事象の収束地、第3新東京市”ネルフ本部”へ・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                       To be continued  #01

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あとがき

 ・・・・・というわけで(どんな訳だか)小説初挑戦のとらぶるさんの処女作第一作目です。

 しかしまあ何だかとっても”重い”感じの内容ですね、コレ。

 「最初は簡単ながらも背景について述べておかないとなぁ〜」と思い立ったらこんな話になりました。
 (でも人物が殆ど出てこない上に名前が出てるのがたった二人って・・・)

 物語としては名前が出てるこの2人がメインになりますが、予定は未定で変わるかもしれません。

 とりあえず第一作目、拙い部分は多々ありますが、まずは御一読頂ければ幸いです・・・・・

 ちなみにこの話はあるマンガの元ネタを使用しています。さて、何でしょう?

 

 

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