Kids are all right. 10
(10)
アキラはその一部始終をキョトンとした表情で見つめていましたが、
自分に向けられた男の子の視線に気付くと、ニコッと笑って言いました。
「ヒカルくんっていうんだ!こんにちはっ!!ボク、とうやアキラっていうんだ!!」
男の子は身体をタオルでぐるぐる巻きにして、アキラに駆け寄ると、
やはりニコッと笑って言いました。
「アキラっていうんだな!オレはしんどうヒカル!!」
言い終わるやいなや、アキラの横にぴょんと座り、興味深げにアキラの方を
見つめました。
「なぁなぁ、アキラはふんすいであそばねーのかぁ?そんなのきてて、
あつくねーかっ?」
アキラは一瞬驚いたような表情をしましたが、すぐに嬉しそうに笑いました。
そして、横に座る緒方のシャツを引っ張って尋ねました。
「ボク、ヒカルくんとふんすいであそんでもいいかなぁ?」
一応お願いしてはいるものの、アキラはもうヒカルと噴水で遊ぶ気満々です。
緒方はそんなアキラの頬を撫でると、頭の上の茶色い帽子をそっと取ってやりました。
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