Kids are all right. 11 - 12
(11)
「ヒカル君のお母さんが言ってたように、危ないことはするんじゃないぞ。
それが守れるなら、2人で噴水で遊んでおいで」
アキラは「うんっ!!」と大きく頷くと、早速靴と靴下を脱いで立ち上がり、
白いコットンシャツのボタンを外し始めました。
ヒカルも立ち上がって、ぐるぐる巻きにしていたタオルを取って、
くしゃくしゃに丸めてベンチに置きました。
シャツを脱ぎ、ズボンを脱ぐと、アキラは裸のヒカルを見て、少し戸惑った
表情を浮かべました。
「おぱんつもぬいだほうがいいのかなぁ、ヒカルくぅん……?」
もじもじしながらそう尋ねるアキラを見て、ヒカルは大きな声で笑いました。
「おぱんつぅっ??オマエ、ぱんつのことおぱんつっていうのかよぉっ!
おもしれーやつだなぁ!!まあいーやっ。ぱんつでもおぱんつでもいーから、
ぬいじゃえよっ!そのほーが、ぜってーきもちいーぜっ!!」
横にいる緒方も笑いを隠せない様子です。
「アキラ君、着替えを持ってきてないんだから、パンツがびしょびしょになると
大変だぞ」
アキラは耳まで真っ赤になりながら、おへそまで覆っていた白い柔らかそうな
コットンのパンツをそっと脱ぎました。
(12)
緒方はアキラの脱いだ服を綺麗に畳み、くしゃくしゃに丸めたヒカルの
タオルも四角く畳んでやると、ヒカルの肩を軽く叩いて囁きました。
「ヒカル君、アキラ君のこと頼んだぞ」
ヒカルは胸を張って「おうっ!!」と威勢よく答えると、アキラの手を
引っ張ります。
「いこうぜっ、アキラ!!」
アキラは「うんっ!!」とヒカルに負けず劣らず威勢よく返事をすると、
ヒカルと手を繋ぎ、照りつけるような午後の日差しの中を噴水に向かって
走り出しました。
(まだ4月だっていうのに、ヒカル君はもう肌が小麦色じゃないか……。
随分腕白な坊やみたいだな。真っ白なアキラ君と並ぶと白と黒の碁石みたいで、
なかなか面白いコントラストになるな)
裸で走ってゆく2人の後ろ姿を見つめながら、ふとそんなことを考え、
緒方は思わず苦笑しました。
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