Kids are all right. 13
(13)
最初は恐る恐る水の中で歩いていたアキラでしたが、ヒカルがジャブジャブと
勇んで噴水の中央に向かっていくと、負けじと勢いよく水を跳ね上げながら、
大股でヒカルの後をついて行きます。
大量に落ちてくる水で全身びしょ濡れになりながら噴水の中央まで来ると、
2人は他の子供達に混じって楽しそうに遊び始めました。
歓声を上げながらはしゃぐ2人の様子を欠伸混じりにのんびりと眺めていた
緒方ですが、遊んでいる子供達の母親とおぼしき女性達の、幾分冷ややかな
視線が自分に注がれているのに気付くと、はっと我に返りました。
(大方、オレはアキラ君の父親と思われているんだろうな……。まあそれは
それでいい。可愛らしいアキラ君の父親とは、なんとも光栄なことじゃないか。
問題は、こんな平日の真っ昼間に、オレのような若い男が子供連れで公園に
いる光景を世間一般の主婦がどう思うかだ……。お気楽な自由業者と思われて
いるのか?……まあそれなら構わん。ひょっとして専業主夫……?……オイオイ、
まさかただの失業者じゃないだろうな?違うッ!断じて違うぞォッ!!
……フッ、オレが囲碁界の明日を担う若手のホープ、緒方精次であることなど、
ここにいる女子供には知る由もないことだな……ハハハ!!)
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