Sullen Boy 15


(15)
 ベッドに腰掛け、サイドテーブル上の時計をチラリと見ると、5時を10分ほど過ぎている。
(6月って、夜明けが早いなぁ……)
 アキラはしばらくブラインドの隙間から差し込む早朝の光を見つめていたが、何を思ったのか
ベッドに突然仰向けになった。
片足を持ち上げると、力を入れずにそのままドスンと落下させる。
(……踵落とし……したかなぁ、ボク?)
 目を閉じて、同じ動作を何度か繰り返していたアキラは、間近に人の気配を感じ、
慌てて起き上がった。
「……まさか予行演習じゃないだろうな?」
 バスタオルを腰に巻き、引きつった顔でそう尋ねる緒方に、アキラはブンブンと
激しく首を振って必死に否定する。
緒方は肩をすくめると、クローゼットの扉を開け、中からアキラが着ているパジャマと
色違いのライトブラウンのものを引っ張り出し、手早く身につけた。
「これだとアキラ君には袖と裾が長かったかな?」
「ちょっとだけですけどね。でも、着ていてそんなに違和感無いですよ」
「そうか」
 どことなく嬉しそうに答えるアキラに、緒方は穏やかに笑って頷いた。



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