Kids are all right. 18
(18)
ふと、アキラはヒカルがプリンを食べる様子をじっと見つめて言いました。
「ねぇねぇ、ヒカルくぅん、おくちのまわりにプリンがいっぱいついてるよぉ」
ヒカルは「そぉかぁ?」と言いながら、プリンの容器から口を離しました。
「ふかないのぉ、ヒカルくん?」
黄色いプリンと、焦げ茶色のカラメルソースがヒカルの口の周りにたっぷりと
付いています。
「こんなのいちいちふいてらんねぇよぉっ!」
ヒカルがそう答えると、アキラは楽しそうにヒカルの顔を至近距離で覗き込み、
突然ヒカルの口の周りをペロッと舐めました。
ヒカルは一瞬びっくりした様子で、大きな目を更に大きくしてアキラを見つめました。
「ほらっ、これできれいになったでしょっ!!」
屈託のない表情でアキラがそう言うと、ヒカルも思わずクスッと笑いました。
「へへっ、そーだなぁっ!オマエっておもしれーやつだなぁ!!」
2人は楽しそうに笑いながら、残りのプリンを食べました。
「ふうっ、ごちそうさまでしたっ!!」
2人が満足そうに声を揃えて言いました。
物思いに耽っていた緒方は、その声に驚いて「うわぁっ!!」と叫ぶと、
手の中で潰れかけたバナナを慌てた弾みで皮ごと食べてしまいました。
アキラとヒカルはその様子を見て、愉快そうに笑うのでした。
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