Kids are all right. 19
(19)
2人が麦茶を飲み終えた頃、ヒカルの母親が長かった買い物を終え、
大きなスーパーのビニール袋を下げて、ようやく公園に戻ってきました。
母親は緒方に向かって深々と頭を下げると、ヒカルの頭をぐっと押さえて
頭を下げさせました。
「今日は本当にありがとうございました。なんだかプリンまでご馳走になって
しまって……、申し訳ありません。スーパーで隣町の知り合いにばったり会って
しまって、ついつい話し込んでしまったものですから……」
緒方は穏やかに笑いながら、やんわりと母親の長話を制するように言いました。
「いえいえ、こちらこそヒカル君と一緒に遊んでもらえて、とても楽しい思いが
できましたから……なぁ、アキラ君?」
緒方の問いかけに、アキラは嬉しそうに答えました。
「うんっ!!ヒカルくん、きょうはいっぱいあそんでくれてありがとうっ!!」
ヒカルは照れくさそうにしながらも、笑顔で言いました。
「オレもアキラとあそべてすっげーたのしかったっ!!プリンありがとうなっ!!」
母親は再び礼を言ってぺこりと頭を下げると、ヒカルを連れて帰っていきました。
アキラもヒカルも、互いの姿が見えなくなるまで何度も何度も手を振りました。
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