Kids are all right. 20
(20)
気がつくと、公園にはもうアキラと緒方しか残っていませんでした。
空は鮮やかな夕日に彩られ、涼しい風がアキラと緒方の間を吹き抜けます。
「そろそろ帰ろうか、アキラ君?」
緒方は綺麗に空になったプリンの容器とスプーンをビニール袋に入れ、
魔法瓶を片付けると、それらを紺色のトートバッグに入れました。
「うんっ!きょうはヒカルくんにあえて、すごぉくたのしかったなぁっ!!」
そう言うと、すっかり乾いたおかっぱの髪をさらさらと風になびかせながら、
アキラはヒカルが帰っていった方向を向いて、少し淋しそうな表情をしました。
「ヒカルくん、またあえるかなぁ?」
ぽつりとそう呟くアキラの頭を軽くポンポンと撫でてやりながら、緒方は
優しく言いました。
「そうだね。またきっとどこかで会えるさ」
緒方の言葉に嬉しそうに頷くと、アキラは緒方と手を繋いで、公園に来た
ときのように力強くその手をぶんぶん振りながら、家路を辿りました。
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