無題 第3部 23


(23)
躊躇しているヒカルをもう一度促した。
「知りたいんだろう?アイツとオレの関係を。知りたいんなら、来い。教えてやるさ。」
どこかで聞いたような台詞だ。緒方は頭の片隅でそう思った。

無言で運転する緒方を、ヒカルはちらっと横目で見た。
カッコイイと思ってしまった自分が悔しかった。
高価そうな車。煙草の匂い。シフトレバーを操る手。
それは自分のような小さな子供っぽい手とは違う、逞しい大人の男の手だ。
この手が塔矢に触れたのかと思うと、はらわたが煮え繰りかえりそうだった。
それなのに、その手を羨ましいと、カッコイイと感じてしまう自分がいるのが、一層悔しかった。



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル