無題 第3部 24
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「子供にはミルクたっぷりの方が良いだろう?」
そう言って、緒方はヒカルにカフェオレのカップを差し出した。
「要らねぇよ、ミルクなんか。ガキ扱いすんなっ…!」
「礼儀のなってないヤツだな。出されたものに文句を言うのか?…アキラくんとは大違いだ。」
アキラの名前を口にされてヒカルはカッとした。
「礼儀のなってないガキで悪かったな。おまえなんかに好かれたくねぇからいいんだよっ!」
「ハン、元気なやんちゃ坊主もオレは嫌いじゃないけどな。」
ヒカルをまるっきり子供扱いしてからかう緒方を思いっきり睨みつけ、単刀直入に質問を投げつけた。
「緒方先生、塔矢が好きなの?」
「…ああ、惚れてるよ。」
さっきまでとは別人のような低い声で、緒方が応えた。
「それで、おまえは?」
「惚れてるよっ…!」
ヒカルはムッとして、同じ言葉を返した。
「それで、おまえはどうしたいんだ?オレと張り合おうとでも言うのか?」
「……そうだよ。」
「つまりは宣戦布告ってわけか?」
からかうような緒方の口調に、ヒカルはカッとした。
「あんまり、バカにすんなよ…!自信満々、オレなんか相手にもしないって事かよ?」
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