無題 第3部 30


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「進藤…?」
緒方の肩越しに、息を荒くして、自分を睨み付けているヒカルがいる。
「なぜ…なぜ、ここに…?」
ヒカルの視線に、アキラは慌てて襟元を直した。
「この間、駐車場でキミにキスしてたのを見てたんだとさ。
キミとオレとはどんな関係なんだ、教えろって言うから連れてきた。」
「緒方さん…?」
「どんな関係だか知りたいって言うから教えてやったんだが?」
「進藤がいる事をわかってて、わざと…?」
足元の地面が崩壊する。
自分がまだ立っている事が信じられなかった。
見ていた。聞いていた。
ボクが緒方さんのキスに応えるのを。
緒方さんの愛撫をねだるのを。
見ていた。進藤が。
自分の漏らすあられの無い喘ぎ声を、進藤が聞いていた。
こんなみっともないボクを。こんな、いやらしい、汚らしいボクを。
進藤が見ていた。聞いていた。



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