断点-2 4
(4)
オレが混乱してる間に塔矢の唇はオレの唇から離れ首筋を辿りはじめる。
「好きだよ、進藤…」
耳元で囁いた塔矢の言葉が、ぼうっとしてたオレの頭に届くのには随分時間がかかった。
え…?何?今、なんて言った?塔矢。
スキダヨって、どういう意味だ…?
好きって…?誰が?誰を?
好き?塔矢が、オレを、好き?
「待っ…て、塔矢。」
本当に?塔矢。
本当なら、顔を見せて。オレを見てちゃんと言ってよ。
でも、塔矢はオレの首筋に顔を埋め込んでしまっているので、塔矢の顔が見えない。
でも、塔矢の顔が見えなくても、オレはその言葉に縋りたくて、いや、もうその時点でオレはその
言葉に縋り付いていた。頭の中をさっきの塔矢の言葉がぐるぐる駆け巡っている。
…好きだよ、進藤…好きだよ、進藤…好きだよ、進藤…好きだよ、進藤…好きだよ、進藤…好きだよ…
それなら、どうして?
オレの考えた事が聞こえたみたいに、塔矢の答えが耳に届く。
「君が好きだから、あんな事をしてしまった…許してくれるか…?」
ウソ…
本当に?塔矢?信じていいの?
泣きそうになりながらオレは塔矢にしがみついた。
「とう…や…」
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