Sullen Boy 4


(4)
「酔ってなんかいない」
「その割には、随分お酒臭いじゃないですか」
「確かに飲みはしたさ。だが、オレは酔ってない」
「さあ、どうだか……」
 薄曇りの上空には星ひとつ見えない。
そんな夜空を見上げたまま、アキラは肩をすくめた。
緒方は人を食ったアキラのリアクションに、ムキになって反論する。
「酔えるわけがないだろう!アイツは……芦原はオレの秘蔵の30年モノを……」
「30年モノ?」
 意味がわからず、アキラは緒方の顔を見つめた。
「バランタインだ!幾らすると思ってるんだ、あの大馬鹿野郎!!……まったく……
水みたいに遠慮なくガブガブ飲みやがって……」
 怒りのあまり強く握りしめた拳を戦慄かせる緒方に、アキラは思わず吹き出した。
「笑うなッ!」
「……だって……」
 笑いが止まらない様子のアキラに、緒方は舌打ちすると、前方の闇に向かって鋭く
拳を突き出す。
「芦原なんざァ、安い発泡酒でも飲んでればいいんだ!どうせ酒の味なんてロクに
わかってないぞ、アイツ……。それを……オレがちょっと目を離した隙に……」



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